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AI・IoTを活用した「smart路面点検サービス」が提供開始 老朽化が懸念されるインフラの整備に活用へ

ニチレキ株式会社、東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)、およびエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)は、昨年度から開発に取り組んでいた、「真に緊急性を要する要修繕箇所を自動的に見出す技術」を基とする、AIによる局部損傷診断技術を完成させたと発表した。更に、NTTコムウェアが提供する「道路不具合検出システム(KT-180052-A) 」とIoTを活用した位置情報サービスを組み合わせ、路面性状測定車を用いた安価な点検・評価方法を確立し、ニチレキより正式に「smart路面点検サービス」の提供を2020年8月1日より開始する。

■背景・課題

高度経済成長期に集中的に整備された道路舗装は、今後一斉に老朽化することが懸念されているが、その維持修繕に関わる予算は大幅に減少している。しかし、地方公共団体が管理する道路は、路線数、路線延長ともに膨大であり、損傷箇所の全てをオーバーレイなどの舗装修繕工事で対応することが困難となっている。ポットホールが開いたら補修するといった事後対策に頼らざるを得ないのが実情だ。

加えて、道路舗装の管理の入り口である点検に対する費用も大きな負担となっている。現在では、多種多様な点検手法があるが、以前より点検に使用されてきた路面性状測定車は、安定した精度を有しており、多くの道路管理者から信頼を得てきた。しかし、点検費用が高いという問題があり、路面性状測定車による安価な点検への期待の声が多くあったという。

■サービス概要

上記課題の解決を目的に、これまで人手で行ってきた現地踏査業務、路面状況計測業務、路面画像評価業務を、AIやIoTの技術を活用し大幅に効率化することで、路面性状測定車を活用しながら安価に点検ができる新たなサービスを開発し、従来の点検費用に対して60%のコスト削減(従来の40%の点検費用:ニチレキ株式会社比)を実現した。また、新たな評価方法を開発し、道路管理者の維持修繕方針や予算に応じて、複数の評価方法から最適なものを選択できるサービスとしたとのことだ。

■取組内容

新たなサービスの提供にあたり、以下の内容に取組み、精度の高い路面性状測定車による点検コスト低減とサービスメニュー拡充を実現した。また、安心してサービスを利用されるために、ネットワークのセキュリティ対策にも取組んでいるという。

(1)現地踏査業務の効率化(電子地図の活用)
これまでの路面性状調査では、路面性状測定車による路面状況の計測前に、道路管理者から貸与された路線図などの資料を基に現場に赴き、調査対象路線を確認していた。実際に車両で走行して路線延長や起点・終点などの位置を確認し、路面にペイントでマーキングすることで、計測や解析時の位置確認の目印としていた。今回、これまで現場で実施していた確認作業を、現地に赴かなくとも事業所内の電子地図上で実施できるシステムを新たに開発し、大幅に業務を効率化し人件費の削減を実現した。

(2)路面状況計測業務の効率化(GNSSの活用)
上記で開発した電子地図をクラウドサーバ上にアップロードすることで、路面性状測定車(smartロメンキャッチャーLYJr.)からインターネット経由で調査対象路線が確認できるようになった。また、新たにGNSSレシーバーを搭載し、NTTドコモが提供する「docomo IoT高精度GNSS位置情報サービス」と組み合わせることで、誤差数センチメートルの高精度な位置情報が取得できるようになった。この位置情報をクラウドサーバ上の電子地図とリアルタイムにリンクさせることで、事業所からの遠隔計測サポートによる"ワンマン計測"を可能にした。これまで、調査対象路線の計測は、ドライバーに加えてナビゲーターも同乗していたが、1名による業務が可能となり、大幅に業務を効率化し人件費の削減を実現した。
出典元:プレスリリース
(3)新たな評価方法の開発とメニュー化
オーバーレイなどの修繕には「ひび割れ率」の評価、部分的な補修には「局部損傷」の評価といった、道路管理者の維持修繕方針に基づいて評価方法を選択できる仕組みを考案した。新たな評価方法である「局部損傷」の評価は、50cm×50cmメッシュ内のひび割れの交点(結節点)の個数を数え、ランク分けする。ランクの高い(結節点の多い)箇所は、路盤の健全性が失われ、ポットホールなど重篤な損傷に進行することが懸念される状態であると判断できる。これらの評価方法を活用し、3つのステップで実現性の高い維持修繕計画の策定を支援する。

STEP1:AIによる診断区分Ⅰ~Ⅲ)の3ランク評価
STEP2:試験法便覧に基づいた「ひび割れ率」評価
STEP3:AIによる「局部損傷」解析による評価

STEP1では、AIにより、舗装点検要領に対応した診断区分Ⅰ~Ⅲの3ランクで評価する。これにより、管理する道路舗装全体の路面状況の把握ができる。STEP2では、修繕が必要となる区間(例えば、診断区分Ⅲ(修繕段階))に対して、再計測なしで従来の試験法便覧に基づいた解析による「ひび割れ率」を算出することにより、修繕の優先順位付けが可能となる。STEP3では、予算などの都合で修繕を先延ばしする区間に対して、「局部損傷」の評価を行うことにより、局部的に損傷の進行が早く緊急の措置が必要と予想される箇所を計画的に小規模補修することが可能となる。従前の維持修繕計画では、修繕が必要とされる区間に対する費用と実際の予算規模の乖離が大きく、実現性に乏しいものとなっていた。3つのSTEPの評価により、修繕と計画的な小規模補修を組み合わせることで、実現性の高い維持修繕計画の策定を支援する。
出典元:プレスリリース
(4)路面画像評価業務の効率化(AIの活用)
「ひび割れ率」の評価については、路面性状測定車で取得した路面画像のひび割れを人力で確認していたため、熟練の解析者でさえ、1時間当たり1km程度の評価にとどまっていた。検出したひび割れの面積から「ひび割れ率」を算出するAIを活用することで、1時間あたり約7kmの評価が可能となった。

また今回、「局部損傷」に特化した新たなAIを開発した。このAIは、NTTコムウェアの画像認識AI 「Deeptector」を利用し、ひび割れの交点(結節点)を検出し損傷をランク分けする技術であり、「局部損傷」評価に最適化されたものとなっている。「局部損傷」の評価作業は、人手による解析ではあまりに煩雑であり、このAIの活用により初めて実用化が可能となったという。
出典元:プレスリリース
(5)閉域網・データセンターを活用したセキュリティの向上
路面性状測定車で撮影した路面画像は、NTT東日本の閉域ネットワークサービスであるフレッツVPNプライオを経由し、同じくNTT東日本が提供するデータセンター上で稼働するNTTコムウェアのAI解析システムに転送し解析する。これにより、地方公共団体様の路面画像をセキュアな環境で取り扱うことが可能となる。また、これまで人力による目視で解析してきた業務を、データセンター上のシステムを活用することで、少子高齢化による人手不足という社会課題の解決や、ウィズコロナ時代の人的接触を可能な限り回避する新たな業務運営にも積極的に取り組むとのことだ。
出典元:プレスリリース

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