オンキヨー・富山大、オンライン診療やホームドクター制度に向けての「デジタル聴診器」の研究開発を締結

オンキヨー株式会社は、音響機器ビジネスにおいて、長年培ってきた音に関する技術やノウハウを異業種に展開し、新しいビジネスを創造することを目指して、協業を進めている。このような成長戦略に基づき、国立大学法人 富山大学との間で、オンライン診療、ホームドクター制度に向けてのデジタル聴診器の研究開発の締結すると発表した。

■背景

最近では新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、病院に行くタイミングが取り沙汰されており、「不要な来院」や「遅すぎる来院」を減らすことが益々必要となっている。例えば、新型コロナウイルス感染症ではPCR検査結果が陽性となった場合、自宅もしくはホテルでの待機の場合でも、急激な症状悪化に備えて、医師との迅速な連携が必要となる。また、同じようにコレステロールや中性脂肪等で心臓リスクのある人の心音を、また妊婦が成長の変化の速い胎児の音を測定するなど、身体各所の“音”を聞いて体調を判断する“家庭医学のツール” として活用できるこのような機器が、今求められているという。

同社は、音響機器ビジネスにおいて、長年培ってきた音に関する技術やノウハウを異業種に展開し、新しいビジネスを創造することを目指して、研究開発を進めているが、長年オーディオのハードウェア開発で培ってきた要素技術である微細な振動も検知可能な技術やAIを用いた音声認識解析技術を使用することで、2021年には200~250億円市場規模となるヘルスケア分野における貢献を検討していたという。そのような中、同社は、2020年7月29日付「富山大学、キュアコード株式会社とのメタボリック症候群および糖尿病の予防・進行抑制効果アプリにおける共同研究契約締結完了のお知らせ」にて公表しているとおり、富山大学との産学連携を強化し、ヘルスケア分野における共同研究を実施しており、今回のプロジェクト実施することに至ったとのことだ。

■共同研究の目的及び概要

本共同研究においては、オンライン診療の需要に備え、“心臓”、“肺”、“胎児”の 3 つの“音”をターゲットとしたデジタル聴診器の開発を目指す。本来、聴診器による身体状態を判断するのは非常に専門的な知識と経験が必要となるが、同社が長年培ってきた「音」に対する技術と、富山大学医学部における専門的な知見により、これらの音に対して、本共同研究によって開発をしたデジタル聴診器を使用することで、自身の肺音の定時測定によるデータ送信を行うことができ、微妙な変化でも医師にアラート通知することで素早い対応が可能となるという。また、今後の遠隔治療を見据えて、自身もしくは家族の心音、肺音、胎児音をデジタル聴診器で収集し、ネットワーク経由にて個々のデータベースに音データを保存。その際に過去の音データと比較して、各音の変化量をグラフに可視化することにより、病気との関連性の確認及び検証の研究を実施するとのことだ。
出典元:プレスリリース

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