東京大学・ソフトバンク・ヤフー、「Beyond AI 研究推進機構」を本格始動 10年間で10件の事業化と3件の新学術分野創造を目指す

国立大学法人東京大学、ソフトバンク株式会社、ソフトバンクグループ株式会社およびヤフー株式会社(以下、Yahoo! JAPAN)は、世界最高レベルのAI(人工知能)研究機関として『Beyond AI 研究推進機構』(旧:(仮称)『Beyond AI 研究所』)を設立し、2020年7月30日に共同研究を開始したと発表した。

『Beyond AI 研究推進機構』は、共同研究開始に当たり、AI自体の進化や他分野との融合など、最先端AIを追究する中長期の研究テーマ10件および研究リーダー10人を決定した。また、研究成果を基に10年間で10件の事業化と3件の新学術分野の創造を目指すなど具体的な数値目標を設定するとともに、ソフトバンクが組成する50人規模の事業化推進チームとの連携により、初期段階から事業化を見据えた研究活動を行うという。

本研究推進機構は、東京大学の学内および海外の有力大学の研究者による最先端のAI研究を行う中長期研究と、研究成果を基に事業化を目指すハイサイクル研究の二つの方向性で研究を行い、事業によって得たリターン(事業化益)をさらなる研究活動や次世代AI人材育成のための教育活動に充てることでエコシステムの構築を目指すことを特長としている。ソフトバンク、ソフトバンクグループおよびYahoo! JAPANから10年間で最大200億円を拠出し、日本が世界をリードするための研究・事業活動を大胆に推進することで、AIを超える学術分野の開拓を目指す。

なお、今年度中にハイサイクル研究拠点を設置し研究を開始することを予定しており、中長期研究によって生まれた成果や知財を生かし、医療・ヘルスケアやスマートシティー、MaaSなどの分野において、CIP制度を活用した迅速な事業化に取り組む。着実にリターンを創出する拠点としての役割を担うことで、エコシステム構築を加速し、AIが社会や人々の幸せに貢献することを目指す。

■『Beyond AI 研究推進機構』の特長

(1)世界最高レベルの研究チームおよび迅速な事業化を実現する組織体制
初期体制として、東京大学が誇る各学術領域のトップクラスの研究リーダー10人が参加。さらに、国際組織の創設や世界有数の研究機関で数多くの教育指導を手がけた著名な研究者で構成するアドバイザリーボードを設置し、『Beyond AI 研究推進機構』に対するハイレベルな提言や、優秀な海外研究者の招聘を可能にするという。国内外の研究者にとって魅力的な組織とすることで優秀な人材の採用を可能にし、研究レベルの高度化を目指す。また、研究成果を基にした迅速な事業化を実現するため、ソフトバンクは50人規模の事業化推進チームを組成。初期段階から、データ分析やAI開発、戦略策定などの観点で中長期研究をサポートし、事業化を見据えた研究を効率的に推進する。

(2)AIに特化した最先端の中長期研究テーマを設定
AIで共通利用される基盤技術に着目し、下記四つの領域で既存のAIを超える研究を推進する。
・データ領域(AI自体の進化)
データクレンジングや教師データ作成などのコスト問題の解決に向けて、限られた教師データによるモデル構築など機械学習システム自体の変革を目指す
・インテリジェンス領域(脳科学とAIの融合)
特定課題のみに対応する従来のAIから、人間の脳のように複合的・想像的活動を実現するAIを目指す
・デバイス領域(物理とAIの融合)
集積回路の物理的限界を突破し、微細化・高速化・省エネルギー化のブレイクスルーを図る
・サービス領域(AIと社会)
AIなどのデジタル技術がもたらす倫理や差別などの社会課題を横断的に研究

■『Beyond AI 研究推進機構』が目指すエコシステム

出典元:プレスリリース
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■中長期の研究テーマおよび研究者一覧

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