フードトラックが医療機関で営業をスタート 「モビリティ×食」で医療現場をサポートへ

株式会社Mellow (以下、メロウ)は、各地で相次ぐコロナウイルス感染者数増加に逼迫する医療現場の食のサポートを目的に、医療機関での「SHOP STOP」を本格展開、フードトラックによるランチや夜食を提供する。すでに3カ所の医療機関で営業をスタートしており、ワクチンができるまで予断を許さない状況が続き疲弊する医療現場と、緊急事態宣言が開けてからも相次ぐ自粛要請などで苦しむ飲食事業者、コロナとの闘いの長期化を余儀なくされる2つの業界を「モビリティ×食」の力で盛り立てるという。

■実施の背景

メロウは、災害、緊急時の社会貢献プロジェクト「フードトラック駆けつけ隊」を組織している。5月から活動を開始した医療従事者支援「フード&シェルタープロジェクト」では、コロナウイルス感染者の受け入れを行う病院をはじめとする医療機関へ駆けつけ、10,000食を超えるフードトラックの食事無償提供を行い、予定食数に達したことを1つの区切りとし、8月7日(金)に活動を終えたとのことだ。

活動のなかで同社は、いつもギリギリの緊張感の中にいる医療従事者たちが、束の間気を緩める瞬間に数多く立ち会うことができたという。「いつコロナに感染してもおかしくない状況のなか、いつもとは違うあたたかくおいしいご飯が食べられて幸せでした」「 フードトラックの方に頑張ってくださいと声をかけていただけて、また頑張ろう!と思えました。」「気分転換にもなりました」「病院の中が明るくなった」「看護師がこんなに笑顔になっているのを初めてみました」といった多くの笑顔や感謝の言葉があったとのことだ。

一方で、駆けつけ隊の活動を通じて医療現場の食事環境について気づいたことがあるという。「食堂がコロナ禍で閉まっている、席数減で利用しにくい」「いつも少ない選択肢だったので、メニューを選べることがすごく楽しい」「45分という短い休み時間に制服を着替えて外に食べに行く余裕がない」「忙しいので食べそびれる、簡単なパンで済ます」など、食事を省略・簡易化しがちといった「勤務中の食事を二の次にしてしまう」現状だとのこと。同社はこうした声を直接聞き、日夜未知のウイルスや人々の命に向き合う医療現場こそ、もっと食事を楽しみにしてほしい、コロナ対応の長期化で過酷な状況に晒され続け、モチベーションの維持が難しくなっている医療従事者の食事環境を彩る手伝いができないかと考えたという。
出典元:プレスリリース

■医療×飲食、双方にメリットのある取り組みを目指して

一方、繰り返される自粛要請に飲食業界は疲弊、7月10日に帝国データバンクが発表した「飲食店の倒産動向調査」(2020年上半期)によると、2020年上半期における飲食店事業者の倒産は398件発生となり、上半期として過去最多のペースで推移、このままのペースで倒産が発生すると、2020年の年間倒産件数は796件前後となり、過去最多を更新する可能性があるという。

3密を回避して営業できることから、コロナ渦をきっかけに住宅街などへ活動の幅を広げたフードトラック事業者にとっても、オフィス街の売上減少、出店場所の封鎖や新規営業場所のオープン延期、イベントの中止、店舗の売上減少など、例外なくこの未曾有の危機のなか苦境に立たされているとのことだ。フードトラック事業者からも、駆けつけ隊の活動を通じて「医療従事者への感謝を料理で届けたい」「この時期に食事提供の機会があるのはありがたい」といった言葉が寄せられ、3ヶ月強の活動回数は61回、累計活動台数は116台となった。そして、病院関係者からは感謝の言葉がある一方で、「飲食店さんも大変なんだから、有料でいいから今後も来て欲しい」といった言葉をあったという。

同社はそのような両者を結びつけ、双方のメリットを生むことができないかと今回の「病院キャラバン by SHOP STOP」プロジェクトを立ち上げたとのことだ。このプロジェクトは、フードトラック駆けつけ隊による無償提供ではなく、飲食環境を向上させたい医療機関と、活動の場を求めるフードトラックを結びつける旨を志向し、通常の営業形態として活動する。これにより、フードトラックは「オフィス街」、「住宅街」に次いで「病院」という新たな舞台にも活躍の場を拡げる。

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