浸水被害を疑似体験できる「AR浸水シミュレータ」が公開

株式会社ウェザーニューズは、集中豪雨等による洪水など、いざという時への防災活動へ役立てられるため、au向け「ウェザーニュース」アプリをバージョンアップし、浸水被害を疑似体験できる「AR浸水シミュレータ」を公開したと発表した。

■西日本豪雨、4割以上が「自分は大丈夫」と避難せず…水害への危機意識に課題

近年、各地で大規模な豪雨が相次ぎ、河川の氾濫や家屋の浸水といった水害が後を絶たない。7月、熊本では線状降水帯による豪雨で球磨川の氾濫が発生し、多くの被害が出た。気象庁によると、全国の1時間降水量80mm以上の年間発生回数は年々増加しており、激甚化する気象災害、水害への備えが必須となってきている。

一方で、ウェザーニューズが2018年に行った調査では、西日本豪雨の際、「避難すべき状況」と認識していたにも関わらず避難しなかった人は全体の84%にものぼり、その中の4割以上が、避難しなかった理由として「自分の周辺は大丈夫だと思った」と回答した。水害は地震災害と比べて危険が迫っていることを感じにくく、“じぶんごと”として捉えるのが難しい災害だという。そこで、普段見慣れた自宅や勤務先など、目の前の景色で浸水被害を疑似体験し、防災意識を高めるアプリとして、「AR浸水シミュレータ」を開発したとのことだ。

■もしここが浸水したら…?AR技術で浸水被害を疑似体験

今回、提供を開始した「AR浸水シミュレーター」は、今いる場所が浸水したらどうなるかを、スマホで疑似体験できるアプリ。拡張現実(AR)技術を活用し、目の前が浸水した様子を視覚的にわかりやすく表現することで、浸水被害をリアルに体験することができる。本アプリでは、スマホのカメラ機能を使用し、自分の目の前の景色が浸水した状況を映し出す。浸水の深さは画面上で10cm単位で設定可能で、浸水が50cmになった場合や1mになった場合、今見ている景色がどのように変化するのかをスマホの画面に可視化する。アプリ上では水流や水の色も指定することが可能で、浸水の状況をよりリアルに体験することができる。

<現在地の浸水リスクをシミュレーション可能>
また、ユーザーの位置情報から、想定しうる最大規模の降雨で河川が氾濫した際の浸水リスクをシミュレーションすることができる。この現在地シミュレーションでは、ユーザーの位置情報と国土交通省が発表している洪水浸水想定区域データとを照らし合わせ、想定しうる最大規模の降雨により河川が氾濫した場合、現在地で想定されている浸水深を画面上に表示する。例えば、銀座駅周辺では50cm、浅草駅周辺では1mの浸水が想定されており、これらの想定を、実際の景色に重ねて見ることができる。場所や時間を問わず、スマホで簡単に浸水リスクを把握することができるため、事前の水害対策や水害への防災意識の向上に役立てることができる。
出典元:プレスリリース
出典元:プレスリリース
<事前の浸水対策・防災意識の向上へ>
本アプリでは、自宅や勤務先に水が入ってきた場合、実際に何がどの程度まで浸水するのか、視覚的にわかりやすく捉えることができるため、いざという時の安全確保や避難計画の検討、家財道具や商品の移動など事前の浸水対策として活用できる。また、見慣れた景色や目の前の景色に浸水の様子を重ね合わせることで、誰でも危機感を感じやすく、水害をより“じぶんごと”として捉え、防災意識の向上に役立てられる。

・自宅や勤務先の浸水対策に
実際に何がどの程度まで浸水してしまうのかを確認。家財道具や商品などの移動の参考に

・事前の安全確保や避難計画に
実際に浸水してしまった際の安全な避難方法や避難場所の検討に

・防災意識の向上に
もしここが浸水してしまったら…?浸水の危険を視覚的に捉えることで、防災について考えるきっかけや、いざという時の迅速な判断を後押し

なお、本アプリはAndroid専用アプリで、起動にはGoogleのAR Core対応端末およびauMarket版「ウェザーニュース」アプリと「AR浸水シミュレータ」アプリの両方が必要。「AR浸水シミュレータ」アプリは「ウェザーニュース」アプリのメニューからインストールが可能だ(auスマートパス会員が対象)。今後iOSや他キャリアにも広く展開していく予定だという。

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