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弁護士への調査、「民事裁判IT化に反対は1割弱」という結果に

2020年2月より、東京地裁などの一部の裁判所は「Web会議等のITツールを利用した争点整理」の新しい運用を開始している。また、政府の未来投資戦略2018に基づいて、有識者が議論を重ねてきた「民事裁判手続等IT化研究会」の報告書に対して、日本弁護士連合会(以下、日弁連)は6月、意見書を公表している。弁護士ドットコムではこれらの流れを受けて、民事裁判手続のIT化が与える影響について、弁護士を対象に以下の調査を行った。

■IT化に「反対」は1割弱

民事裁判手続きのIT化の賛否を聞いたところ、「賛成」と回答した弁護士が58.2%、「懸念はあるが、おおむね賛成」は30.2と9割近くが前向きな結果となった。一方、「反対」と回答した弁護士は2.7%、「良い点はあるが、基本的に反対」は4.4%に留まり、IT化に対する期待感が大きいことがわかる。6月には日弁連も意見書で、「裁判所へのアクセスを拡充し、審理を充実させ、適正かつ迅速な紛争解決を図るための手段として、裁判手続等のIT化が重要な課題の一つである」との見解に立ち、「IT化を推進すべき」との見解を示している。
出典元:プレスリリース

■業務のコスト削減にメリットを感じる弁護士が、8割を超える

民事裁判手続きIT化のメリットについて複数選択可能な方式で聞いたところ、「遠方の裁判所への出頭労力が削減される」が90.1%、「紙媒体の書面や証拠の準備、持参や郵送の費用・時間・労力が削減される」が83.0%という回答が得られた。 日弁連の意見書でも、「オンライン申立ての導入は、迅速かつ効率的な争点整理への貢献、参照・検索・再利用・交換等の容易さによる、利用者や裁判所内部における業務効率化、障がい者の訴訟記録利用の容易化、運搬・管理コストの低減などに有効なので、その意義は大きい。申立ての手段が増え、時間や場所の制約が少ない中で申立てが可能になり、さらに、書面の印刷、提出、保管等のコストを削減する点で、利用者に大きなメリットがある」と、コスト削減に期待を寄せている。次いで、「裁判の各種手続きが迅速化される」(45.1%)が続く。一方、「本人訴訟の際の市民の司法アクセスが改善される」との回答は4.4%にとどまり、2割司法と呼ばれる市民の司法アクセス問題と解消と、裁判のIT化を結び付けて考える弁護士は少数派という結果となった。
出典元:プレスリリース
「民事裁判手続IT化調査」概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:弁護士 182名
調査期間:2020年7月17日〜31日

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