Today's PICK UP

武田薬品、デジタル変革の加速に向けアクセンチュア・AWSと提携

武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)とアクセンチュアおよびAmazon.com, Inc.の関連会社である Amazon Web Services, Inc.(以下、AWS)は、武田薬品のデジタル変革を加速するため、5年間の戦略的提携契約を締結したと発表した。
本提携契約により、武田薬品はバリューチェーン全体を通じて収集された知見を活用し、より迅速かつ俊敏な対応によって、患者のみならず、医療従事者、従業員およびパートナー企業へのさらなる貢献が可能になるという。3社による長期的な提携を通じ、武田薬品はIT基盤の刷新やデータサービスの加速、イノベーション創出に向けた社内組織の変革や、従業員に新たなスキルの習得や働き方を許容する体制が整い、クラウド活用を前提とした事業変革を推進するとのことだ。

武田薬品の代表取締役社長CEOであるクリストフ・ウェバー(Christophe Weber)氏は、「3社の力を結集することにより、当社は、人々の健康、テクノロジー、ビジネスの成長の融合を目指して果敢に行動します。私のビジョンは、今後10年以内に、当社の従業員全員が人工知能をより良い判断の手助けとなるように活用し、革新的な治療薬や体験をこれまで以上に迅速に患者さんや医師、医療費を支払う人たちに提供できるようになることです。アクセンチュアおよびAWSとの提携により、当社がこれまで単独で進めてきたことをさらに前進させ、このビジョンを実現します」と述べている。

武田薬品は、クラウド活用を前提とした「クラウドファースト」のアプローチを採用することで、不要なシステム構築作業を排除し、より高い拡張性と信頼性を担保した安全なITアーキテクチャの構築が可能になる。また、アプリケーションの80%をクラウドに移行することで、差別化をもたらさないテクノロジーや自社データセンターの削減を進め、支出の抑制を図る。
出典元:プレスリリース
AWSのCEOであるアンディ・ジャシー(Andy Jassy)氏は「業界最大の包括的クラウドサービスを活用することで、武田薬品のような革新的な企業は、コストの削減や新たな知見・発見を得るまでの時間の短縮、患者さんのケアを向上させることができます。幅広く深いAWSのサービスにより、武田薬品は、安全かつ規制に確実に準拠して医薬品の創薬、開発、および製造を迅速かつ効率的に行うことができます。入手しやすい、生命を救う有望な新薬をお届けするために革新を進める武田薬品との協業を楽しみにしています」と述べている。

武田薬品はデータサービスおよびその活用力の強化を通じ、ライフサイエンス分野におけるエコシステムや外部パートナーとの連携を拡大する。例えば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する臨床研究を拡大するため、本提携では、COVID R&D Alliance向けの安全なデータ共有および臨床試験推進プラットフォームをクラウド上に5日足らずで構築。クラウドを活用しなかった場合、このプラットフォームの立ち上げには最大3カ月が必要となるという。

加えて、希少かつ複雑な疾患に罹患する多くの患者のために極めて重要で生命を救う、あるいは生命を維持する治療薬を開発する武田薬品のPlasma-Derived Therapies Business Unitでは、デジタルでつながった最先端の血漿収集センターの設立に向けて取り組んでおり、ドナーの体験と血漿採取プロセスの最適化に取り組んでいる。武田薬品では、2024年までに血漿の採取能力と製造能力を65%以上向上させる計画であり、患者にとって欠かせない医薬品の供給力の増強に向けて取り組むとともに、患者への新たな治療を加速させる。

アクセンチュアの最高経営責任者(CEO)であるジュリー・スウィート(Julie Sweet)氏は「武田薬品が80%ものアプリケーションをクラウドに移行し、クラウドファースト企業に向けた大胆な取り組みを行うことは、患者さんへの新たな治療法が加速され、従業員の皆さんの働き方に新たな選択肢を広げ、雇用を生み出し、さらにデジタル時代に即したスキルの向上につながるなど、関係するすべての方々に、継続的な利益をもたらす好例となります。武田薬品およびAWSと提携して、この壮大な取り組みをスピードと規模感をもって実現できることを誇りに思っています」 と述べている。

武田薬品は、今後3年間でデータおよびデジタル領域の専門人材を新たに数百人採用する計画だ。かつてない人材層へのアプローチを行うほか、数千人にのぼる従業員のスキル向上を図り、データのさらなる活用力とデジタル化を推進するとのことだ。

人気記事

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国EV市場を席巻する、三大新興メーカーを徹底分析。脅威の中国EVメーカー最新事情・後編【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに迫ります。前編では「EV先進国」の名を欲しいままにしているその理由を、国の政策や技術の面から探ってきました。後編となる今回は、自動車産業に参入してきた新興メーカー3社を紹介するとともに、日本の立ち位置の考察、中国が抱える課題を話題に進めていきます。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

超高齢化社会・日本のAgeTechスタートアップ。「認知症による資産凍結対策」に挑む、ファミトラ。

超高齢化社会・日本のAgeTechスタートアップ。「認知症による資産凍結対策」に挑む、ファミトラ。

超高齢化社会を迎えている日本で、高齢化に関する課題をデジタル技術で解決するAgeTech(エイジテック)を手がけるスタートアップが増えつつある。そんななか、200兆円ともいわれる認知症患者の資産が凍結されてしまうかもしれない問題を、家族信託のDXで解決しようとしているのが、ファミトラである。 判断能力があるうちに財産の管理や運用を信頼できる第三者に託すことで資産凍結リスクを回避する家族信託を、AgeTechへと落とし込んだ三橋社長に、起業背景や今後の展開などについてお話を伺いました。

『メタバースとWeb3』著者・國光 宏尚氏が語る、Web3時代に勝つ企業の条件

『メタバースとWeb3』著者・國光 宏尚氏が語る、Web3時代に勝つ企業の条件

「ブロックチェーン技術(※1)を中核とした非中央集権的なインターネット」として定義されるWeb3(3.0)。2021年以降、急速に注目を集めるようになったフレーズですが、全貌を理解している人は多くない、曖昧な概念であることも事実です。今回お話を伺ったのは、3月に上梓した『メタバースとWeb3』がベストセラーになり今やWeb3のエバンジェリストとして知られる、株式会社Thirdverse、株式会社フィナンシェ代表取締役CEO/Founderの國光 宏尚氏。「Web3時代に勝ち残る企業」をテーマに、 デジタルホールディングスのグループCIO(最高投資責任者)を務める石原 靖士氏がお話を伺いました。 ※1 ブロックチェーン 取引履歴(ブロック)を暗号技術によって1本の鎖のようにつないで記録することによって、データの破壊や改ざんを極めて難しくしたデジタルテクノロジーのこと。

メタバース覇権を握る、最有力候補!? フォートナイトを運営する「Epic Games」 〜海外ユニコーンウォッチ #6〜

メタバース覇権を握る、最有力候補!? フォートナイトを運営する「Epic Games」 〜海外ユニコーンウォッチ #6〜

「ユニコーン企業」――企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてはFacebookやTwitterも、そう称されていた。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は人気オンラインゲーム「フォートナイト」を運営する「Epic Games(エピック ゲームズ)」を紹介する。

自動車大国・日本がついに中国EV車を輸入。脅威の中国EVメーカー最新事情・前編 【中国デジタル企業最前線】

自動車大国・日本がついに中国EV車を輸入。脅威の中国EVメーカー最新事情・前編 【中国デジタル企業最前線】

中国企業の最新動向から、DXのヒントを探っていく本連載。今回は、ガソリン車に代わるモビリティとして期待が高まるEV(Electric Vehicle=電気自動車)と、その核とも言える自動運転技術で世界をリードする中国の強さに、前後編の2回にわたって迫ります。前編は、自動車大国・日本さえも脅かす存在になるほど進んでいる中国EV市場の実情をお届けします。

DXが遅れる不動産業界に光明。三菱地所リアルエステートサービス、居住用不動産売却マッチングサービス誕生の舞台裏

DXが遅れる不動産業界に光明。三菱地所リアルエステートサービス、居住用不動産売却マッチングサービス誕生の舞台裏

一生のうちに滅多にない、居住用不動産売却。売却の際には多くの方が一括査定サービスを利用されますが、以前から「高い提示額の会社に任せても、結局なかなか売れない」「仲介担当者は運任せ」という不満の声がありました。そんななか、私たちがかかりつけ医や美容師を自由に選べるのと同じように、充実した情報のもとで、大切な“財産”である住まいを託す仲介担当者を、売却検討者が直接選べるサービスが登場。それが、三菱地所リアルエステートサービス株式会社が提供する「タクシエ(TAQSIE)」です。 今回は、タクシエの事業を担当する、TAQSIE事業室長 磯貝 徹氏、参事 落合 晃氏と、プラットフォーム構築を最短1日で可能にするSaaS「Pocone(ポコン)」の提供により開発支援を手がけた、株式会社オプトインキュベート 代表取締役CEO 齋藤 正輝氏、取締役CTO 山岸 大輔氏に、構想からPoC実施、そしてサービス提供までの舞台裏をうかがいました。

【Netflix徹底解剖】Netflix4.0、世界最先端のDX戦略を追う

【Netflix徹底解剖】Netflix4.0、世界最先端のDX戦略を追う

全世界での有料会員数が2億人を突破。飛ぶ鳥を落とす勢いで快進撃を続ける企業、Netflix。現在の利用者の中には、彼らの事業が店舗を持たないDVDオンライン郵送サービスからスタートしたことを知らない人もいるかもしれません。1997年、小さなスタートアップ企業として創業したNetflixはその後、DVDレンタルのサブスクリプション、動画ストリーミング配信のサブスクリプション、そして動画オリジナルコンテンツの配信と、デジタルを基盤に着実にビジネスを変革し、今や皆さんご存知の通り、デジタルコンテンツプラットフォームの王者へと成長を遂げています。今回の「世界最先端のデジタルシフト戦略」vol.4では、そのビジネストランスフォーメーションの変遷を立教大学ビジネススクール 田中道昭教授に徹底解剖していただきます。小さなスタートアップ企業であったNetflixがいかに王者となれたのか。その変革の奥にある秘訣とは。DXに取り組む日本企業も見習うべき一貫した姿勢に迫ります。

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

Clubhouseをはじめ、新勢力が次々と参入し、拡大を見せる音声コンテンツ市場。その中で、民放開始から70年の歴史に「大変革」を巻き起こしているのが“ラジオ”です。放送エリアの壁を取り払う、リアルタイムでなくても番組を聴けるようにするといった機能で、ラジオをデジタル時代に即したサービスに生まれ変わらせたのは、PCやスマートフォンなどで番組を配信する『radiko(ラジコ)』。今回は、株式会社radiko 代表取締役社長の青木 貴博氏に、現在までのデジタルシフトの歩みと将来の展望について、お話を伺いました。

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

「8割以上の精度で、赤ちゃんが泣く理由が判明」CES2021イノベーションアワード受賞。注目の日本発ベビーテック企業とは

テクノロジーの力で子育てを変えていく。そんなミッションを掲げ、泣き声診断アプリや赤ちゃん向けスマートベッドライトなど、画期的なプロダクトを世に送り出してきたファーストアセント社。「CES2021 Innovation Awards」を受賞するなど、世界的に注目を集めるベビーテック企業である同社の強さの秘密とは。服部 伴之代表にお話を伺いました。

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

Googleやビル・ゲイツも出資する“代替肉”スタートアップ「インポッシブル・フーズ」〜海外ユニコーンウォッチ#2〜

「ユニコーン企業」ーー企業価値の評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場企業を、伝説の一角獣になぞらえてそう呼ぶ。該当する企業は、ユニコーンほどに珍しいという意味だ。かつてのfacebookやTwitter、現在ではUberがその代表と言われている。この連載では、そんな海外のユニコーン企業の動向をお届けする。今回は欧米を中心に注目されている「代替肉」を扱う「インポッシブル・フーズ」を紹介する。

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

世界のMaaS先進事例7選。鉄道・バス・タクシーなど交通手段を統合したサブスクモデルも!

国内でMaaS(Mobility as a Service)実証が活発化している。新たな交通社会を見据え、既存の交通サービスの在り方を見直す変革の時期を迎えているのだ。 交通社会は今後どのように変わっていくのか。MaaSの基礎知識について解説した上で、海外のMaaSに関する事例を参照し、その変化の方向性を探っていこう。

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookも注目の「メタバース」とは何か? スマホ向けメタバース「REALITY」のDJ RIO氏に聞く

Facebookが社名を変更し、中核事業に据えるほど力を入れる「メタバース」。2021年8月にはグリー株式会社が、今後2~3年で100億円規模の事業投資を行い、グローバルで数億ユーザーを目指すと発表しましたが、その中核を担うのが、グリー株式会社の子会社であり、これまでバーチャルライブ配信アプリを手がけてきたREALITY株式会社です。今回は、そんな同社の代表を務めるDJ RIO氏にインタビュー。そもそもメタバースとは何なのか。なぜこんなにも注目が集まっているのか。メタバースは、世界のあり方をどのように変えるのか。メタバース初心者のビジネスパーソンには必読のインタビューです。

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

デジタル戦略で生まれ変わるカインズ。ホームセンターからIT小売企業への変遷の軌跡【前編】

生産労働人口の減少を受け、日本企業はいよいよ生き残りをかけたデジタル化に取り組まなければいけないと言われるフェーズに入ってきました。とはいえ、それができている企業とそうでない企業との差が激しくなっているのも現状です。 そんななか、ホームセンター大手カインズでは、40年かけて積み重ねてきたホームセンターとしてのあり方を見直し、IT小売企業として生まれ変わろうとしています。カインズでデジタル戦略本部長を務め、戦略の指揮をとる池照 直樹氏に、同社のデジタル戦略についてお話を伺いました。 前編は、カインズがどのようにしてデジタル化を実現させていったのか、具体的な取り組みを交えてお届けします。

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

コロナ禍でラジオが復権!? 民放ラジオ業界70年の歴史を塗り替えたradiko(ラジコ)の「共存共栄型 DX」とは

Clubhouseをはじめ、新勢力が次々と参入し、拡大を見せる音声コンテンツ市場。その中で、民放開始から70年の歴史に「大変革」を巻き起こしているのが“ラジオ”です。放送エリアの壁を取り払う、リアルタイムでなくても番組を聴けるようにするといった機能で、ラジオをデジタル時代に即したサービスに生まれ変わらせたのは、PCやスマートフォンなどで番組を配信する『radiko(ラジコ)』。今回は、株式会社radiko 代表取締役社長の青木 貴博氏に、現在までのデジタルシフトの歩みと将来の展望について、お話を伺いました。