オラクルの14カ国9,000人への調査で、67%が「財務管理において自分以上にロボット・AIを信頼する」と回答

オラクル・コーポレーションと、個人金融のエキスパートであるファーヌーシュ・トラビ(Farnoosh Torabi)氏が実施した新たな調査によると、2020年は、人々とお金の関係を変え、自身の財務管理において自分以上にロボット・AIを信頼する傾向が明らかになった。

日本を含む14カ国(米国、英国、ドイツ、オランダ、フランス、中国、インド、オーストラリア、ブラジル、日本、UAE、シンガポール、メキシコ、サウジアラビア)、9,000人以上の一般消費者と企業・団体の管理職以上を対象とした調査で、コロナ禍によって世界中の人々のあいだに経済的な不安、悲観的な考え、恐怖感が増え、財務管理においては、信頼する人や事柄が変化し、さらに企業の財務部門と個人金融アドバイザーの役割や注力分野が見直されていることが判明したという。

■コロナ禍で生み出された経済的な不安、悲観的な考えや、恐怖

世界的なパンデミックは、家庭と職場における人々とお金の関係においてマイナスに影響した。
• パンデミック以前と比較して、企業・団体の管理職の間では、財務の不安とストレスは186%(日本は122%)、悲観的な考えは116%(日本は120%)増加した。一般消費者では、財務状況に対する不安とストレスは100%、(日本は71%)また、悲観的な考えは70%(日本は27%)それぞれ増加した。
• 企業・団体の管理職の90%は、組織に対するコロナの影響を憂慮しており、共通の懸念は、低速な経済回復または景気後退(51%)、予算縮減(38%)、倒産(27%)だった。
• 一般消費者の間では、87%が経済面での不安を体験している。これには、失業(39%)、貯蓄の減少(38%)、抜け出せない借金状態(26%)などが含まれる。
• これらの懸念によって、一般消費者の41%が、個人の経済状態が不安で眠れないと回答している。

■財務を管理するための最善の方法としてロボット・AIに期待

コロナ禍によって生じた金融不安により、財務管理において何を信頼して、誰に支援を求めるのか、ということが変化した。財務の複雑さから切り抜ける方法として、人間以上にテクノロジーを信頼する一般消費者と企業・団体の管理職が増加している。
• 一般消費者と企業・団体の管理職の67%は、財務管理において人間以上にロボット・AIを信頼している。日本は91%となっている。
• 企業・団体の管理職の73%は、財務管理で自分以上にロボット・AIを信頼し、77%は、自社の財務部門以上にロボット・AIを信頼している。
• 企業・団体の管理職の89%は、ロボット・AIが業務を改善できると考えている。これには、不正の検出(34%)、請求書の作成(25%)、コスト・利益の分析(23%)などが含まれる。
• 一般消費者の53%は、財務管理で自分以上にロボット・AIを信頼し、63%は、個人金融アドバイザー以上にロボット・AIを信頼している。
• 一般消費者の66%は、財務管理にロボット・AIが役立つと考えている。これには、不正検出の支援(33%)、支出削減の支援(22%)、株式への投資(15%)などが含まれる。

■以前の状態に戻ることはない財務部門と金融アドバイザーの役割

テクノロジーの影響と役割の変化に対して、企業の財務担当者と個人金融アドバイザーはその変化を受け入れ、新たなスキルを身に着ける必要がある。
• 企業・団体の管理職の56%は、今後5年以内にロボット・AIが財務担当者の役割を担うと考えている。日本は55%となっている。
• 企業・団体の管理職の85%は、財務業務の支援をロボット・AIから受けたいと考えている。これには、財務承認(43%)、予算編成と予測(39%)、レポート(38%)、コンプライアンスとリスクの管理(38%)が含まれる。
• 企業・団体の管理職が企業の財務担当者に注力してほしいことは、顧客とのコミュニケーション(40%)、値引き交渉(37%)、トランザクションの承認(31%)などだ。
• 一般消費者の42%は、今後5年以内にロボット・AIが個人金融アドバイザーの役割を担うと考えている。
• 一般消費者の76%は、ロボット・AIに自身の財務管理の支援を求めたいと考えている。これには、手間の簡略化(33%)、不要支出の削減(31%)、期限内支払いの増加(25%)などが含まれる。
• 一般消費者は、重要な購入を判断する状況において、個人金融アドバイザーにガイダンスの提供を求めている。これには、住宅の購入(45%)、車の購入(41%)、退職後の計画(38%)が含まれる。

■人々とお金の関係の変化 - 財務管理にAIを活用する時代の到来

2020年は、一般消費者のお金に関する考え方を変え、企業・団体が財務プロセス管理において、AIなどの新しいテクノロジーをさらに活用していく必要性が高まった。
• 一般消費者の60%は、物品やサービスの購入方法がコロナ禍によって変化したと回答している。日本は37%となっている。
• 一般消費者の72%は、2020年の出来事によって現金の扱い方に変化が生じたと回答している。これには、不安に感じる(26%)、恐怖を感じる(23%)、不衛生に感じる(19%)が含まれる。一般消費者の29%は、ビジネスを行う上で「現金のみ」は交渉を難航させると回答している。
• コロナ禍の対応として、企業・団体の管理職の69%はデジタル決済機能に投資した、64%は新しい顧客エンゲージメントの方法を創出した、またはビジネス・モデルを変更したと回答した。
• 企業・団体の51%がすでに、AIを活用して財務プロセスを管理しており、一般消費者の27%はAIを活用している。
• 企業・団体の管理職の87%は、財務プロセスを見直さない組織はリスクに直面すると回答している。これには、競合他社からの遅れ(44%)、従業員のストレス増加(36%)、不正確なレポート(36%)、従業員の生産性の低下(35%)が含まれる。

調査方法
調査結果は、2020年11月10日から12月8日にSavanta, Inc.が実施した調査によって収集されたもの。本調査では、9,001人のグローバル14カ国からの回答者(米国、英国、ドイツ、オランダ、フランス、中国、インド、オーストラリア、ブラジル、日本、アラブ首長国連邦、シンガポール、メキシコ、サウジアラビア)を対象に一般的な質問を行い、一般消費者や企業・団体の管理職のお金、財政、予算に対する態度や行動、金融業務や管理におけるAIやロボットの役割と期待を調査した。

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