三菱地所、DXで生活者が暮らしやすさを実感できる新しいまちづくりを目指す「三菱地所デジタルビジョン」を策定

三菱地所株式会社は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)により生活者が暮らしやすさを実感できる新しいまちづくりを目指す「三菱地所デジタルビジョン」を策定したと発表した。

まちでの体験を蓄積・最適化、より便利で豊かなUX(ユーザー体験)の提供を通じて一人ひとりのQOL向上に繋がる安心安全・快適なまちづくり、住まいづくりを目指すとともに、デジタル接点のオープン化によるライフスタイル・企業行動の革新を実現する。人と人、企業と企業がオンライン・オフラインで集い・出会い・交流する環境づくりを通して新しい発見と刺激がある舞台へとまちを進化させるとのことだ。

■三菱地所デジタルビジョンが目指すもの

(1)オン・オフラインを自由に行き来する体験の提供を通じ、真に社会や個人の課題に寄り添う
(2)事業横断的なデータや好意的に提供される個人のデータの分析・活用により、体験がアップデートされ続ける
(3)まちの関係者とオープンにつながるエコシステムを構築、多様なプレイヤー参加と協創を促進

本ビジョンの実現に向けた環境整備の一環として、2020年10月に共通認証ID「Machi Pass」を開発。利用者は、まちで展開される複数のオンラインサービスや、来場予約・リアルな空間への入退室などオン・オフラインの体験を一つのIDで利用できる他、希望に応じて、施設やサービスの利用履歴や位置情報などのデータに基づいた、より一人ひとりに最適化された体験の提供を受けることもできる。

すでに、丸の内エリアで働くオフィスワーカー向けウェブサービス「update! MARUNOUCHI for workers」や、丸の内エリア内の対象店舗でのポイントサービス「丸の内ポイントアプリ」、最新物流テックのショールーム「TRC LODGE」などが、「Machi Pass」を利用中だという。三菱地所グループでは、「Machi Pass」連携サービスを順次拡大しており、体験がデータとなって蓄積・最適化され、よりよい体験となって還流する豊かなUXの提供を通じて、一人ひとりのQOL向上を目指す。

なお、共通認証ID「Machi Pass」は、三菱地所グループ内での利用に止まらず、外部連携も可能だ。「Machi Pass」のグループ内外との連携により、あらゆるまちの関係者とオン/オフラインでオープンにつながるエコシステム「Mitsubishi Estate Local Open Network」(MELON)を構築し、多様なプレイヤーとの協創を促進するとともに、シームレスなUXを実現することで、まちと人の関係を深化させるとのことだ。

■三菱地所デジタルビジョンの概念図

出典元:プレスリリース

■ビジョン策定の背景

三菱地所グループは、東京・丸の内をはじめ、横浜・みなとみらい、仙台市・泉パークタウンなどにおいて、超長期目線に立った面開発およびエリアマネジメントを手掛け、さまざまな関係者と連携しながら、価値創造を図ってきた。また、オフィス、住宅、商業、ホテル、空港、物流施設、データセンターなどのリアルアセットおよび多様な事業ポートフォリオにおいて、顧客との物理的接点を豊富に保持するなど、広範な社会資本を積み上げているという。
出典元:プレスリリース
一方、個人のライフスタイルや価値観は多様化、意思決定プロセスや消費行動がデジタル中心に移行するなど、近年、劇的な社会変化を迎えている。コロナ禍はそうした社会変化を加速させ、個人はよりオンライン・オフラインを自覚的に使い分けるようになっている。これまでの不動産業やまちづくりは、物理的接点を前提にビジネスモデルを構築し、顧客にサービスを提供してきたが、こうした社会変化は、これまでのように物理的な接点が当然のごとく顧客接点となるわけではないことを意味するという。これからのまちづくりにおいては、多様な一人ひとりに「まちと関わる意味」を明示できなければ、十分な価値を提供できないと考え、リアルとデジタルを融合させたUXデザインへの取り組みを開始したとのことだ。

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