日本IBMとDAC、通信・メディア業界のDX推進を目指し協業

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(以下、DAC)と、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、通信・メディア業界のDXを推進するため、基幹業務管理向けソリューション「Arc XP」の国内展開において協業を開始することを2021年8月12日に合意したと発表した。

「Arc XP」は企業のデジタル資産を一元管理することを目的に、米国ワシントン・ポスト社(以下、WP社)が開発したDX推進のSaaS型プラットフォーム。DACは日本市場におけるWP社の独占パートナーとして導入を推進しており、今回の協業により、両社は、「Arc XP」を導入する主にメディア業界の企業に対して、コンサルティングからシステム開発、既存システムとの連携や既存アセットの移行、ワークフローの整備、チェンジマネジメント、運用サポートまで、スムーズかつワンストップで提供する。

■「Arc XP」導入のイメージ

出典元:プレスリリース

■背景

少子高齢化や若者の既存メディア離れなど、激しい環境変化に晒されている日本の通信・メディア業界において、「デジタルシフト」は喫緊の課題だ。また、ヒト・モノ・カネに次ぐ第4の経営資源とも言われる「情報」の発信、その流通基盤の確立は、どの企業においても、マルチチャンネルで顧客層を獲得していくための新たな収益機会の創出として重視されている。近年、企業のDXが急速に進む中で、特に日々多くの情報を扱う新聞・テレビ・出版などのメディア業界には、既存システムとの連携などを含め、最適かつ効率的に基盤を整備し、「インフラのデジタル化」および「働き方(ワークフロー)のデジタル化」の実現が求められているとのことだ。

■「Arc XP」概要

WP社が基幹業務管理向けソリューションとして開発したDX推進のSaaS型プラットフォームで、世界24カ国1,500サイト以上で導入されている。当初WP紙のために開発され、2013年アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏によるWP社の買収で開発は加速し、他社への提供も進められた。その結果、数々のメディアの購読者数拡大や動画等のデジタル広告を活用したマネタイズを実現し、デジタルファースト改革による収益改善に大きく貢献した。その実績は既に世界中で認知され、現在は、米国のテレビ局、新聞社や雑誌出版社はもとより、欧州その他のWebサイトやアプリへの導入が進んでいるという。

「Arc XP」の特徴は、時間や場所を問わず、記事の作成から、写真や映像などのコンテンツ管理、校正や校閲を含む作業スケジュール管理まで、媒体社が必要とする業務の一括管理をクラウド上で行うことができる点だ。媒体社は本ソリューションを導入することにより、紙面とデジタルの連携を高度化し、リアルタイムでのジャーナリズムを実現するとともに、広告やサブスクリプションなどユーザーに合わせたフレキシブルな収益モデルの構築が可能となる。さらに、記者や編集者などの作業効率の改善やタスク管理の迅速性・正確性の向上を促進し、新しい働き方を提供するなど、企業のDX化に向けた多彩な機能を搭載している。近年、一般企業のDX推進ソリューションとしてのニーズも高まってきたため、業種や業態に関係なく、あらゆる企業のデジタル資産を一元管理するプラットフォームとしての活用も始まっているとのことだ。

■協業の価値

「Arc XP」の導入に際して、日本IBMは、通信・メディア業界に多数の実績を持つコンサルタントの知見や、豊富なシステム構築のノウハウや技術力を活かした支援を行う。具体的には、特にメディア業界に対して、既存システムとの連携や既存アセットの移行、ワークフローの整備、チェンジマネジメント、運用サポートなどを行う予定だという。DACと日本IBMは、今回の協業により、インテグレーションパートナーとして「Arc XP」が提供する価値を両社で共有し、デジタルコンテンツ作成・配信の高速化、および既存業務プロセスの改革により、通信・メディア業界の事業成長と業務改善をはじめとするデジタル変革を顧客とともに推進するとのことだ。

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