救急医療サービス「Smart119」、脳卒中AI予測診断アルゴリズムを実装し本年度中に実用化へ
2021/10/19
千葉大学発医療スタートアップの株式会社Smart119は、脳卒中AI予測診断アルゴリズムの研究論文が、国際科学誌『Scientific Reports』へ掲載されたと発表した。
■開発研究の背景
・救急患者の容態から、救急隊の判断の精度を上げる
・専門医、及び設備を持つ医療機関においての急性期治療
上記2点につき迅速さと的確さを満たすためAI予測診断の開発に着手。AI予測診断の結果は、救急隊と医療機関で共有される。
■開発趣旨
救急患者の背景に個別に存在する条件(容態、疾患履歴、気象状況など)から、「くも膜下出血」「脳梗塞」「脳出血」「主幹動脈閉塞」など「脳卒中」の症状を判断する。
<データ形成>
・2018年8月より、千葉市内医療機関、千葉市消防局の協力からデータ収集
・データ数は、脳卒中の可能性がある救急患者約1500人
・データ内容は、救急患者の容態、年齢、性別、その時の気象状況からなる
<アルゴリズム算出手法と検証>
・XGブースト
・約1500人のデータから、機械学習用80%(約1200人)を利用して分類アルゴリズム・モデルを設計し、テスト用20%(約300人)で検証
・分類アルゴリズムをテスト用の約300人のデータで検証した結果、AUC値0.980を示した
■実用化に向けて
<AI予測診断機能手順>
①脳卒中の可能性がある場合は、「脳卒中診断ボタン」をタップ
②診断専用ページにて、救急患者の容態を選択肢に従って入力
③AI予測診断から病状を確定する
④専門医、設備が有する医療機関を自動選択し、受入要請を実施
<AI予測診断機能画面>