レノボ、都市環境を改善し優しさの上に成り立つ未来都市の普遍的ビジョンとして「Kind City」プロジェクトを発表

レノボ・ジャパン合同会社(以下、レノボ)は、都市環境を改善し、優しさの上に成り立つ未来都市の普遍的ビジョンとして、「Kind City」プロジェクトを発表した。

本プロジェクトでは、クラウドソーシングの手法を用いて世界中の人々から「優しさの上に成り立つ未来都市」のあるべき姿についての提言・意見を募集している。共感的でインクルシーブなコミュニティとはどういう姿であるべきか、何を優先するかなど、広く意見を募る。レノボのマイクロサイト「KindCity.com」から、「The future of the Kind City will…(Kind Cityの未来とは・・・)」の提言に記入するだけで参加できる(日本語可)。集まった意見はAIによって10の理念に整理され、後日世界各国で提言されるとのことだ。

本プロジェクトは、レノボの理念である「Smarter Technology for All」(あらゆる人にテクノロジーの恩恵を届ける)の考えのもと、社会の中で多様な他者を理解する共感を呼び起こし、インクルーシブ(包摂的)なコミュニティ作りを強く推し進め、人々の孤立感が高まる社会で優しさを取り戻すことを目指しているという。

レノボのKind Cityはクラウドソーシングによる大規模な公開調査で、世界各国の人々の意見を集めることで、「優しさの上に成り立つ未来都市」のあるべき姿を共創する。本プロジェクトのためにレノボが事前におこなった国際調査で得られたインサイトや、都市居住者と世界の優秀な専門家によるインタラクティブなポッドキャストも提供し、より共感できる未来を目指すとのことだ。

■「Kind Council」の創設

出典元:プレスリリース
レノボは今回、Kind Cityプロジェクトの舵取り役として、世界的な思想家や各分野の専門家を集めた「Kind Council」を創設する。カウンシルには、英国系アメリカ人のファッションデザイナーで慈善家のタン・フランス氏、発明家としてTIME誌の2020年「キッド・オブ・ザ・イヤー」に選出されたギタンジャリ・ラオ氏、ブラジル人ラッパーのエミシーダ氏、英国人ロボット科学者のピーター・スコット=モーガン博士、ドイツ人の未来学者のウーナ・ストラザーン氏、日本人で教育起業家の平原依文氏などが名を連ねている。

各カウンシルメンバーは、対話型のポッドキャストを活用し、インクルージョン、信頼、持続可能性、夢、機会など、Kind Cityの実現に必要な事項について語っている。このポッドキャストでは、世間ではあまり知られていなくても、未来を語る上で欠かせない説得力のある会話や驚くべきストーリーを紹介している。リスナーは、米国の多世代の生活から中国の気候変動、ブラジル貧困街のテックハブ、英国の夢の研究から日本の感謝経済まで、さまざまなトピックを楽しむことができる。洞察に富んだインタラクティブなポッドキャストを通じ、リスナーはディスカッションの一員となり、自らの関心トピックに合わせてパーソナライズされた音声プログラムを聞くことができる。

米国、ドイツ、日本、ブラジルなど、世界中から20以上のストーリー、ディスカッション、インタビューが収録された。ポッドキャストは、世界中のチャリティーパートナーのNGOによる都市生活者支援の活動をフィーチャーしている。レノボは今後数か月これらの団体と協力するという。レノボのエキスパートがテクノロジーソリューションを提供するワークショップの開催からデバイスや費用面での支援まで、最も効果のある活動を見つけるとのことだ。

■最新の大規模調査では、「優しさの格差」が明らかに

Kind Cityプロジェクトに先立って、レノボは都市居住者の生活や現在の都市での生活の質に対する視点を深く掘り下げた調査を実施。これは、ブラジル、ドイツ、日本、英国、米国の5か国の都市居住者5,000人以上を対象に実施した調査で、その調査結果から、コロナ禍の都市生活のあり方を見直す必要性が高まっていることが明らかになったという。また、調査結果から見えてくることは、従来の企業・政府は思いやりや優しさを優先しておらず、近隣住民や地域コミュニティレベルにその役割を委ねているという現状とのことだ。調査によって、大きな「優しさの格差」が世界中の各都市に存在していることが判明しているという。

全回答者の97%は、地域社会において優しさや異なる他者を理解することは重要と考えているものの、現在の都市が、生活・仕事をする上で優しい場所だと感じている割合は37%だった。また、回答者は自らの居住地の生活の質について、比較的肯定的な印象を持っている一方で、都市において相互共助の意識が高まることと、多くの具体的なメリット(精神的・肉体的な健康状態の向上、社会的包摂や郷土愛の感情、楽しみや柔軟性の向上など)の間に明確な関連性を見出しており、これまで以上に幸せなライフスタイルを実現できると考えているとのことだ。

上記の課題の解決については、以下の通り大きな改善の機会が存在する。
・多くの回答者(55%)は、都市での生活の質は、改善されていない、あるいは横ばいと考えている。世界中の都市では、大多数の人々が、一般的な生活・労働条件に関して、改善の余地があると答えている。
・都市居住者は、自分たちの代表である行政が、都市の意思決定に関して様々な人の目線に立った優しい政策を打ち出していないと危惧している。地域の政策立案者が、その都市の優しさや共感を強く考慮していると考える割合は、5分の1を下回る(17%)。
・大半の居住者(83%)は、都市において意見の異なる他者への理解を促し、優しい社会にするためには、テクノロジーが重要な解決策になると考えており、特にブラジルではこうした傾向が最も顕著に見られた(88%)。

優しさの格差は民間セクターにとって、より大きな優しさと共感の実現に向けた機会だという。より公平な未来に向けた取り組みは、ますます急務となっており、これを実現するために、テクノロジーの力が必要となるとのことだ。

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