パナソニックと国際医療福祉大学、「デジタル・ケアマネジメント」の効果検証に関する共同研究を開始

パナソニック株式会社は、学校法人国際医療福祉大学と、IoTデータを活用したケアマネジメントの効果検証に関する共同研究を2021年10月より開始すると発表した。

国際医療福祉大学の大学院先進的ケア・ネットワーク開発研究分野では、介護やケアマネジメントの研究に長期にわたり取り組みを行っている。また、パナソニックは、2019年度よりIoTを活用して要介護高齢者の在宅介護を支える「デジタル・ケアマネジメント」の実証を行っており、2021年度は東京都品川区における「令和3年度事業『IoTを活用したケアマネジメント向上支援事業』」を受託し、現在13件の実証を始めている。

今回の共同研究では、エビデンスベースによる高齢者の在宅介護の実現を目指し、国際医療福祉大学大学院の知見とパナソニックが保有するデジタル技術を融合し、品川区の実証事例を評価対象に、品川区介護支援専門員連絡協議会と連携しながら、ケアマネジメントの質向上への寄与について効果検証を行う。

現在、日本の介護保険制度においては、科学的介護情報システム(LIFE)の本格運用が始まり、エビデンスに基づいた自立支援・重度化防止の実現に向けて、介護サービスのPDCA(計画・実施・評価・改善)サイクルにおける情報収集・蓄積・分析が進められているという。しかしながら、施設で生活する要介護高齢者については、職員の介護記録を基に24時間を網羅する情報収集が可能だが、在宅で生活する要介護高齢者については、介護サービス利用時の記録や本人家族からの聞き取り情報等、24時間の一部に限定され、生活全体を網羅した情報収集は難しいのが現状とのことだ。

これに対し、デジタル・ケアマネジメントでは、宅内に設置したIoT機器を通じて、住み慣れた自宅での生活行動について、24時間365日にわたり、介護職員の負担なく情報収集が可能だ。さらに、そのデータを蓄積・分析しケアマネジャーに提供することで、根拠に基づいたケアマネジメントの実践をサポートしている。

国際医療福祉大学およびパナソニックは、本研究の成果をIoT・ICT・AI等のデジタル技術を用いた新しい在宅介護の知見として整理し、ケアマネジメントの質の向上に役立てるとともに、高齢者の生活機能および生活の質の向上に貢献するとのことだ。
出典元:プレスリリース

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