リコー、東工大発ベンチャーと共創でAIツールを活用した「マネジメントのデジタル化」手法を開発

株式会社リコーは、東工大発ベンチャー KBE株式会社と共同で、KBE社の手掛けるAIツール「researcHR」、およびリコー社内の本番データを元にした「マネジメントのデジタル化」の手法を開発し、検証を開始したと発表した。

■背景

リコーとKBEは、スタートアップ企業や社内外の起業家の成長を支援して事業共創を目指すリコーのプログラムである「TRIBUS 2020」をきっかけに取り組みを開始し、KBEが手掛けるAIツール「researcHR」のトライアル運用をリコー社内3部署で行った。両社はTRIBUSのプログラム終了後も規模を拡大してトライアルを継続し、得られたデータ元に実証やresearcHRの機能改善を共同で進めてきた。
出典元:プレスリリース
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■メンバーのコンディションを把握する「独自スコア」を開発

今回、両社はリコー社内の本番データを用いた実証を経て得た結果を元に、メンバーのコンディション状況を正確に把握するための「独自のスコア」を開発した。researcHRを通じて発信した文章・回答を収集・分析し、発信量や頻度、内容を数値化することでメンバーのコンディションを可視化する。このスコアを活用することで、メンバーには自己成長の機会となる自動フィードバック、マネージャー向けにはメンバー把握のための自動検知を実施することができる。業務で日常的に使うツールに投稿する文章の分析から算出しているため、客観性が高く具体的な打ち手がわかりやすいのが特徴とのことだ。
出典元:プレスリリース
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■「働き方改革」から一歩具体化し「マネジメントのデジタル化」へ

リコー デジタル戦略部 カスタマーサクセス推進センター DX価値創造室では、researcHRおよび今回開発したスコアを活用し、「マネジメントのデジタル化」に向けて2021年10月より以下の社内実践を開始している。

①情報共有・進捗確認
アナログ:朝礼やミーティングで問いかけ
デジタル:チャットからの発信を起点に、定例会議を削減

②コンディション把握
アナログ:1on1で把握
デジタル:データから自動検知し、声掛けするきっかけを仕組み化

③情報探索
アナログ:人伝て/記憶をたどる
デジタル:データから検索

④評価/フィードバック
アナログ:マネジメントの記憶に依存
デジタル:データを元にフィードバック
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リモートワークが定着しつつある中で、デジタルをコミュニケーションの起点に置くことで、非効率な会議を削減し、「ここぞ」という場面に絞って対話によるアナログコミュニケーションに打ち込める環境を実現する。「マネージャー主導による会議や1on1での対面コミュニケーションが中心。会議も進捗確認が中心になりがちで、カレンダーが会議ばかりで埋まっている」、「1on1で対話して確認するまでメンバーの状況が分からない」、「期末評価や担当者探しの際には、マネージャーの記憶に頼るしか無いが、リモートでそれも失われつつある」といった、メンバー・マネージャー双方の働き方に関する課題の解決を目指すとのことだ。

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