NTTデータとエクサウィザーズ、AIと医療情報プラットフォームを利用したデータ活用サービスの共同開発に合意

株式会社エクサウィザーズは、NTTデータと共同で、AIと医療情報プラットフォーム「千年カルテ」を利用した、医療リアルワールドデータの活用サービスを共同開発することで合意したと発表した。2022年内をめどに順次サービスを提供する。

エクサウィザーズはこれまで医療ヘルスケア分野において、複数の製薬企業とのDX推進やAI開発における協業や、医療機関、アカデミア、自治体などとAIや医療リアルワールドデータの活用に取り組んできた。一方でNTTデータは、2018年に施行された次世代医療基盤法に基づき、認定医療情報等取扱受託事業者として国から初の認定を得て「千年カルテ」事業に取り組み匿名加工医療情報を提供している。今回活用する「千年カルテ」は、電子カルテ、レセプト情報、DPCデータなどの医療情報を、施設、地域を超え国レベルで統合した医療情報プラットフォームであり、既に40以上の医療機関と協力し年間100万人の医療情報を収集している。将来的には300医療機関と協力して年間500万人の医療情報を収集することを目指しているという。

これら実際の患者の医療リアルワールドデータを活用することで、疾患の発生と患者の既往歴や検査結果との関係性や、医薬品の使用による安全性・有効性の分析が可能となり、製薬企業における新薬の研究開発や、医療機関における患者への個別化医療の提供に役立てられる可能性があるという。ただ、膨大な症例数や項目数を有するデータの解析に基づく患者一人ひとりへの最適な診断・治療選択を支援するサービスの実現や、電子カルテに含まれる治療効果に関する情報の抽出や評価など構造化や標準化がなされていない医療情報の利活用には、AI(機械学習・深層学習・自然言語処理)などの先端技術を取り入れていく必要があると考えられる。本協業を通じて、NTTデータが運営する「千年カルテ」に、エクサウィザーズのAI技術と医療領域の専門性を掛け合わせることで、日本の医療、産業、社会の課題の解決を目指すとのことだ。
出典元:プレスリリース
・主な適用領域
現在、両社で適用分野を検討中だが、以下のような活用が考えられる。
製薬業界において、革新的な医薬品の研究開発や育薬に貢献する疾患・治療実態や治療効果に関する分析
医療機関において、一人ひとりの患者個別に最適化した医療の提供に貢献する、疾患の早期発見や診断を支援する分析

・主な取り組み内容
千年カルテデータを活用した治療実態の理解、疾患の発症や重症化リスクの予測とその要因探索などに利用できるAIを活用した新規サービスの開発
製薬企業をはじめとした顧客に対し、連携した情報発信に取り組み、千年カルテデータ利活用において必要な機能やデータの扱い方を明確化
文章で入力されている診療記録の情報や今後拡充予定の診療画像情報など、データベース上での取り扱いや整理が難しい情報について、有効な利活用を行うためのAI技術の開発・検証
出典元:プレスリリース
・協業の役割分担
各種サービスの活用拡大のための顧客への提案、共同での営業活動や情報発信のほか、以下のように分担する。

エクサウィザーズ
新規サービスの共同開発におけるAIモデルやソフトウェアの開発
医療リアルワールドデータの整備における「AI×医療」の専門性の提供

NTTデータ
次世代医療基盤法に基づく匿名加工医療情報およびNTTデータが保有するAI技術情報の提供
医療のデータ整備に関する技術ノウハウの蓄積(データ構造化・標準化など)
サービス提供に伴う周辺業務およびシステム改修などの導入や運用の支援

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