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オーディオブックと運動のデュアルタスクに認知症予防トレーニングと同等の脳血流活性作用を発見

音声配信サービス「audiobook.jp」を運営する株式会社オトバンクは、関西福祉科学大学保健医療学部リハビリテーション学科重森健太教授、社会医療法人生長会ベルピアノ病院リハビリテーション室と、高齢者の認知症予防トレーニングに関する共同研究を実施したと発表した。
65歳以上の要支援高齢者を対象に行なった研究で、標準的な認知トレーニングとして行われる計算課題と運動のデュアルタスクと、オーディオブックと運動のデュアルタスクにおいて、同等の脳血流活性作用がみられたという。本件に関する研究は、日本早期認知症学会で発表されたほか、保健医療学雑誌での論文掲載、「第21回日本早期認知症学会」のシンポジウムでも取り上げられたとのことだ。

■ポイント

出典元:プレスリリース
・65歳以上の要支援高齢者を対象に、2種類の認知課題(オーディオブック、標準的な認知課題の計算)を用いて、運動中の前頭葉ワーキングメモリ領域の脳血流反応を検討した。

・運動のみ、オーディオブック×運動、計算課題×運動の3群の脳血流反応を比較した結果、オーディオブックと計算課題を活用したデュアルタスクは同等の脳血流反応が認められた。

・オーディオブックによるデュアルタスクの有効性が考えられ、認知症予防のトレーニングにおける新たなツールとしても期待できる。

■研究背景

・65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症に
認知症とは、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいう。日本国内では、2025年には65 歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると推測されているという。認知症は個人レベルの生活の質の低下や介護者の精神的および肉体的な負担のみならず、社会に与える影響も極めて大きいため、国の方針として「共生」と「予防」(認知症になるのを遅らせる、認知症になっても進行を緩やかにする)の施策が推進されている。

・デュアルタスクの標準認知課題
認知症予防の介入として、運動療法の有効性を示唆する報告は多数存在しており、近年では運動と認知課題を掛け合わせるデュアルタスクの要素を取り入れた介入を行うことで遂行機能が改善するという知見や、前頭葉における脳血流が活性化することが明らかになっているという。一方で、デュアルタスクにおいて、標準的な認知課題とされている計算やしりとりは、バリエーションに限りがあり、慣れてしまうことで前頭葉の活性化がみられなくなるなどの課題があったとのことだ。

今回、デュアルタスクの課題のバリエーションを増やすことを目的として、標準的な認知課題(計算)とオーディオブック、それぞれのデュアルタスク中の脳血流反応を比較し、オーディオブックの認知課題としての活用可能性に関する研究を実施したとのことだ。

■研究内容

脳は、加齢すると萎縮していく。特に、脳の前頭葉は加齢の影響を受けやすく、脳のトレーニングでは前頭葉(意欲をもつことや、計画を立てて行動することに影響する)の血流を活性化させることを目指している。

今回、関西福祉科学大学とベルピアノ病院との共同で研究を実施。ベルピアノ病院通所リハビリテーションを利用している65歳以上の要支援高齢者55名を対象とした。(男性22名、女性33名)

運動のみ、及び2種類の認知課題(オーディオブック、標準的な認知課題の計算)を用いて、運動中の前頭葉ワーキングメモリ領域の脳血流反応を検討。
運動負荷は、自転車エルゴメーターを使用し、30%と50%の運動強度設定を行った。認知課題は、2種類を実施。1つは、デュアルタスクとして標準的に活用される計算課題(シリアル7:繰り返し7を引かせる計算を行う)。もう1つは、オーディオブックを用いた。また、オーディオブックにおいては聴き流してしまうことの予防として、聴いた後に内容を想起させた。

実験は、①認知課題なし ②オーディオブック ③計算課題(シリアル7)の3条件に分けて実施。実験中は、視覚的な情報を遮断するためにアイマスクを装着した。
出典元:プレスリリース
運動のみ、オーディオブック×運動、計算課題×運動の3群の脳血流反応を比較した結果、オーディオブックと計算課題を活用したデュアルタスクに同等の脳血流反応が認められた。これにより、「オーディオブック」でも標準的な認知課題同等の効果があることが明らかになった。オーディオブックによるデュアルタスクの有効性が考えられ、認知症予防のトレーニングにおける新たなツールとしても期待できるとのことだ。

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