小規模農家向けロボットを活用した農業生産に関する実証実験が実施

株式会社ハタケホットケは、重労働と環境負荷を削減する小規模農家向けロボット「ミズニゴール」を活用し、長野県松川町、公益財団法人自然農法国際研究開発センターと農業生産に関する実証実験を行ったと発表した。

■農家の重労働を自動化するロボット「ミズニゴール」

「ミズニゴール」は、全国でも小規模農家が多く、後継者不足や耕作放棄地といった農業課題を抱える長野県で生まれた、農家の重労働と環境負荷を削減するロボットだ。水田をラジコン操作で走り回り、田んぼの水を濁らせることで、稲の栄養を奪う雑草の光合成を遮り除草作業を自動化する。
出典元:プレスリリース
2022年4月より、実証実験の参加及びレンタル提供の先行予約をCAMPFIREにて募集し、250%以上の目標支援額を達成、全国各地の農家から問い合わせが入るなど大きな反響があったという。その後、県内の農家へ提供を開始した。

■提携経緯

地方の人口減少が進む中、域外から人を呼び込むための自治体主導の動きが広がっている。一方、リモートワークや健康志向の普及により、「子どもを安心安全な環境で育てたい」という移住ニーズや、食への関心が広がっている。長野県松川町は、これまで給食に無農薬野菜を導入することで、Uターンや新たな流入者が少しずつ増えてきたという。
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さらに2022年3月には、人口流出に歯止めをかけるとともに、地域の居住環境の確保と地方創生を進めるための総合戦略と人口ビジョンを一体化した計画「松川町地域みらい共創プラン」を策定。その一環として環境保全型農業を推進、学校給食へ地域の有機栽培農産物の提供を始めている。

この松川町にて有機栽培を指導する自然農法センターは、数十年に渡って自然農法の研究開発や国内外への普及、及び有機農業支援を行ってきた機関だ。これまで全国の農業生産者に向けた技術指導や、手間を要する自然農法の省力化方法を研究している。今回、3者の自然農法の普及と健康促進に向けた目的が一致したことで、松川町におけるミズニゴールの実証実験を行ったとのことだ。
出典元:プレスリリース

■実証実験について

出典元:プレスリリース
今回の実証実験では、自然農法センターの協力のもと、松川町内の田んぼにてミズニゴールを活用した有機栽培の米作りを実施。抑草・除草作業のプロセスにおいて、物理的な除草量の増加や除草効率の向上など、ミズニゴールの機能面の他、作業負担の軽減などさらなる省人化方法を検討した。
出典元:プレスリリース
自然農法センターの研究では、有機栽培において、稲刈り後から田植えまでの期間に適切な管理を行うことが重要であり、田植え後の雑草発生や除草作業にも影響を与えることを指摘しているとのことだ。

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