近年、コンタクトセンターにおけるコミュニケーターの労働人口は減少しており、それに伴い採用難、人材の高齢化が進んでいるという。コミュニケーターには顧客と会話をしながら、PC入力操作をするような高度なオペレーションスキルが必要となるが、企業はそのような人材を確保することが難しくなっている。
日本で多くのコンタクトセンターにシステムを導入しているNECは、顧客が抱えるこの問題を解決するために、世界17ヵ国150社以上のコンタクトセンターに通話分類・自動要約システムを導入するユニフォアのコア技術であるU-Assistを活用したコンタクトセンター業務の自動化に関する実証実験を実施することとしたとのことだ。
U-Assistは、通話内容全体をベースに分類・要約するのではなく、通話内容を分類するキーワードと、通話データの活用方法に応じた要約項目をあらかじめ設定し、ディープラーニング(深層学習)、機械学習を活用した言語理解モデルを用いることでリアルタイムの自動分類精度を高めることが可能だ。従来のシステムでは、音声データのテキスト化、分類、要約の各プロセスが別システムとなっていたが、U-Assistは音声データを投入するだけですべての処理を一元的に行うことが可能であり、維持・運用がしやすいこと、CRMや業務アプリケーションとリアルタイムに連携し、コミュニケーターの入力作業を自動化、簡素化することが可能である点が特長だ。
本来、U-Assistはユニフォアの独自音声認識エンジンを利用するが、今回の実証実験はNECの音声認識エンジンをU-Assistに組み込み、U-Assistの機能が利用できることを確認する。その上で実証実験用にユニフォアが日本国内に構築したクラウド環境において、U-Assistで通話分類と自動要約化を行い、要約精度の向上を図る。精度80%を目標とし、分類・自動要約化の結果は、U-Assistから出力される内容と通話データを照合して精度を検証する。
・実証実験のイメージ
(従来のU-Assist)