新潟県佐渡市に自然と共生しながら経済の発展を実現する社会システムを検討するためリビングラボ「佐渡島自然共生ラボ」が開設

新潟県佐渡市、国立大学法人新潟大学、株式会社NTTデータは、地域住民と共に、自然と共生しながら経済の発展を実現する社会システムを検討するため、佐渡市にリビングラボ「佐渡島自然共生ラボ」を開設すると発表した。

佐渡島自然共生ラボでは、産学官民連携で地域の課題解決に寄与する複数のプロジェクトを進める取り組みを通じて、自然と共生した産業の発展や暮らしの実現および、地域循環共生の考え方を取り入れ、社会、経済、環境の統合的な向上を図り、市民とともに佐渡の将来の姿を描き、実現していくことを目指す。今後、2030年までの自然共生と経済発展を好循環させる社会システムやサービスの創出に向けた取り組みを進める。具体的な活動として、佐渡島の自然資源の見える化、産業の垣根を超え農林水産業が一体となった新規加工品製作などのプロジェクトを実施し、実践や学びの場の創出にも取り組むとのことだ。

■背景

佐渡市、新潟大学、NTTデータは2022年6月から8月にかけて、地域住民と共に全5回の対話型ワークショップ「自然共生の未来を探求する連続ワークショップ」を実施した。ワークショップでは、農業、林業、漁業をはじめ、飲食店経営者など多様な産業に携わる地域住民や島内外企業や地域創発や環境保全に関わる有識者(地球環境戦略研究機関(IGES)など)との対話を重ね、佐渡島の現状や課題からミッシングリンクを発見し、10年後のあるべき姿とその課題解決案を議論した。その結果、正式に「佐渡島自然共生ラボ」の開設が決定したことから、2022年11月19日にリビングラボ開設記念シンポジウムを開催する。

■リビングラボ「佐渡島自然共生ラボ」について

「佐渡の森里海のポテンシャルを生かした産業が発展し、豊かさが実感できる島を実現する」をテーマに、ワークショップで整理した課題の解決やありたい姿の実現を目指す産学官民連携の場として創設。具体的には、リビングラボ「佐渡島自然共生ラボ」には大きく3つの機能を持たせる予定だ。

1.コミュニティの形成
島内外・産学官民の垣根を越えた情報交換ができる場としてコミュニティを形成する

2.プロジェクト実践
・ネイチャーポジティブな佐渡島の未来へとつながる産学官民連携の多彩なプロジェクトを展開する
・学びとイノベーションの場、第一次産業における他地域での成功事例や事業創発を学ぶ
・佐渡島のポテンシャルを正しく把握することを目的に、島内の資源の可視化と評価を行う
・地域課題の解決と全体の好循環な社会システムにむけた対話を通じて、それを実現に導く

3.政策とのアライアンス・全体マネジメント
佐渡市が実施している政策とのアライアンスと1~3がバランスよく機能するように全体のマネジメントを行う
出典元:プレスリリース
・参加者と役割分担
佐渡市:フィールドの提供、市民への共働促進、佐渡市政策とのアライアンスおよびマネジメント
新潟大学:島内外のステイクホルダーのコミュニティ形成・運営およびインタレスト分析
NTTデータ:リビングラボの運営、地域に不足する人材面でのサポート、新たなユースケースの発掘、地域課題に対してのソリューションの検証
地域住民・企業・研究機関:リビングラボへの参加

・実行中のプロジェクト
佐渡島の自然資源をデジタルで見える化するプロジェクト:佐渡の自然資源に対して、生産効率のような単純な指標ではなく、デジタルを活用して防災・生物多様性・資源の価値・伝統など、地域全体を捉え好循環させるための視点で評価できるような判断基準を作る。

農林水産業が一体となった新規加工品制作プロジェクト:農林水産の資源を掛け合わせるだけではなく、それぞれの産業に携わる人材やそのノウハウを掛け合わせることで新たな加工品を生みだすことおよび、デジタルを活用したマーケティングによる島外への販路拡大を目指す。

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