パーソナルスタイリングサービス「DROBE」は、AIとプロのスタイリストが共同して洋服を選び、自宅に届けるサービスだ。2019年9月のサービス開始以降、会員数は増加し、現在では15万人を突破。今回、日本郵政キャピタルとの連携により、日本郵政グループとのシナジーとして物流体制の強化を図りつつ、調達した資金を活用し、より多くの顧客がファッションを楽しめるようなサービス作りを目指すとのことだ。
ファッション業界はここ数年で大きく変化し、消費者にとってファッションアイテムを選ぶハードルは上がっているのが現状だという。市場は減少傾向であるものの商品の供給量は増え、商品があふれている状況となっている。さらに、SNSの台頭で情報があふれるようになったことで価値観は多様化し、トレンドを意識する傾向も従来より減少。DROBEが実施した調査によると、約7割の女性が「ファッションは好きであるが、自信はない」と回答しており、多くの女性がファッションアイテムの選定にハードルを感じるファッション迷子であることが明らかになっているとのことだ。
そのようなファッション迷子にとって、店舗スタッフと消費者の間に情報やリテラシーのギャップがある点や、自身の思ったことを率直に伝えづらいという点は、店舗での買い物のハードルとなっているという。その点において、スタッフの目を気にすることなくスマホやPCから気軽にアイテムを購入できるECサイトの登場は消費者に大きな影響を与え、利用者は急増した。一方で、ECサイトならではの課題も存在する。消費者は、自分の欲しいアイテムを言語化した上で検索軸に落とし込むことが難しく、返品にも制約がある点から、購入したが「イメージと違った」「サイズが合わなかった」などの声も多く、70%がECサイトでの買い物で失敗経験があるという結果が出ているとのことだ。
DROBEは顧客の年齢、好み、骨格などを70の質問でヒアリングし、そこからAIとスタイリストが15万着以上のアイテムの中から選定、自宅に送るサービスだ。DROBEは、「1to1」「シームレス」「セレンディピティ」という3つの要素を持ったサービスだ。これは、個人の嗜好に沿って最適化された、自宅で店舗同様に試せる、買物代行でない発見のある体験であり、店舗、EC双方の課題を解決する、第3の選択肢「パーソナルコマース」であると考えているとのことだ。