矢野経済研究所、IoT関連市場への新規参入動向調査を実施

株式会社矢野経済研究所は、IT関連事業者のIoT関連マーケット(IoT関連ベンダー、AI/解析関連ベンダー、スマートデバイスベンダー、その他等)への新規参入実態を調査し、参入時期や販売・営業先ターゲットの業種などを明らかにしたと発表した。

調査対象456社の販売・営業先ターゲットの業種について
出典元:プレスリリース

■市場概況

本調査では、国内においてインターネット元年である1995年度以降に設立、かつ資本金15億円未満のIT関連事業者を対象として、各種開示情報などからIoT関連マーケットへの新規参入状況を調査し、456社のIoT関連ビジネスへの参入を確認したとのことだ。調査対象456社の販売・営業先ターゲットの業種を分類(※1社で複数業種をターゲットとするケースもあり、合計1,674件)し、それぞれの業種ごとの出現率を算出した。出現率を見ると、「マーケティング/サービス」(出現率35.7%)が163件でトップとなり、「小売/流通」(同35.3%)、「製造」(同34.9%)までが3割を越え、参入が多い分野だった。一方で、「農業・畜産」(同5.9%)、「教育・トレーニング」(同14.5%)、「自動車」(同16.7%)などが出現率の低い分野だった。なお、「IT(情報通信)」(出現率26.3%)、「教育・トレーニング」(同14.5%)、「その他(汎用含む)」(同44.1%)の3業種を汎用用途として合算すると合計387件となり、IoT関連ビジネスへは業種を問わない汎用ツールの活用としての参入も多いことがわかる。

■将来展望

本調査でIoT関連ビジネスへの参入を確認出来た456社の参入領域/展開事業領域を見ると、IoT関連ベンダーとしての事業展開を行うケースが249社と最多で、過半数を超える54.6%がこれに該当した。以下、複数領域へ参入しているケースも含まれるが、AI/解析関連ベンダー(145社/出現率31.8%)、スマートデバイスベンダー(92社/同20.2%)と続いた。その他では、自社活用系が208社(同45.6%)と多く、異業種参入系は38社(同8.3%)だった。自社活用系は、自社業務の効率化/省人化などを目的としたIoT/AI活用や、自社製品・サービスへのIoT/AIテクノロジーの適用を行っているケースで、開発したシステム・ソリューションを外販するケースもある。また、異業種参入系は独自開発したAIシステムを外販するケースが多いとのことだ。

調査要綱
調査期間:2022年5月~10月
調査対象:1995年度以降に設立、かつ資本金15億円未満のIT関連事業者
調査方法:同社専門研究員による各種開示情報収集など文献調査、ならびに一部電話調査併用

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