東京海上日動火災保険とInsight Tech、保険金支払い業務のDXを実現する「事故対応支援AIモデル」の運用を開始

株式会社 Insight Techは、東京海上日動火災保険株式会社と、損害サービス拠点における保険金支払い業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する「事故対応支援AIモデル」の構築並びにシステム開発を完了し、実業務での運用を開始すると発表した。

損害サービス拠点での保険金支払い業務では、事案ごとに解決までの難しさを見極めたうえで、先手を打った対応が必要な事案、解決までの難易度が高い事案をいち早く特定する必要があるという。今回運用を開始した「事故対応支援AIモデル」は、過去の傾向や現場の知見を踏まえ、先手を打った対応が必要な事案や解決までの難易度が高い事案を早い段階で特定するものだ。このAIモデルの運用開始により、損害サービス拠点での保険金支払い業務の効率化、高付加価値化が可能となり、より質の高い顧客対応を通じた顧客満足度の向上につながると期待されるとのことだ。

東京海上日動火災保険の損害サービス拠点では、顧客から日々様々な自動車事故や故障に関する問い合わせを受け付けている。この事故対応では、何らかの理由で解決まで長引くような事案を早期に特定し先回りした対応をすることが重要だという。これまでは、現場で業務にあたる個人やチームの知見・ノウハウに基づき属人的に判断がされてきた。これにより、多くの事案は円滑に解決されているが、一部の事案では先回りの対応ができず、これがトラブルや解決の長期化に繋がり、顧客の満足度を低下させる一因となっていたという。この課題を解決するため、先手を打った対応が必要な事案、解決までの難易度が高い事案を早期に特定・予測する「事故対応支援AIモデル」を構築し、システム開発を経て、その運用を開始することとなったとのことだ。

今回、運用を開始した「事故対応支援AI」はInsight Techが保有する独自の文章解析技術と、東京海上日動火災保険が保有する業務知見・現場感覚の両方を反映した、ハイブリッドAIとなる。運用開始に先立ち、半年間にわたり試験運用が行われ、そこでのフィードバックも反映されている。
出典元:プレスリリース
特徴1:Insight Tech独自の文章解析技術を活用した高度なAIモデル
「事故対応支援AI」は解決までの難しさを評価する。その評価に際しては事故の様々な情報に着目する必要があるが、特に事故対応に関わるテキストデータ(やり取りの記録)に隠れたヒント・予兆を炙り出すことが重要だという。そこで、Insight Techが保有する独自の文章解析技術を活用し、解決までの難しさにつながるフレーズを特定し、これに基づいて先手を打った対応が必要な事案、解決までの難易度が高い事案を科学的に特定することに成功。例えば、事故対応記録の中にある「整合性」という単語だけでは解決の難しさを評価できない。「整合性-ガ-確認できた」、「整合性-ガ-ない」といったようにフレーズをデータとして扱うことができる独自の文章解析技術を活用することで、着目すべきフレーズが含まれる事案を見極めることが可能なAIが実現したとのことだ。

特徴2:現場担当者の業務知見・現場感覚の反映とフィードバック
AIモデルが導く答えが業務担当者から見て納得感がなければ活用に繋がらないという。そこで、「事故対応支援AI」の構築に際しては、損害サービス拠点の現場の担当者からなるプロジェクトチーム(PT)を組成。このPTとの協働では、①現場担当者の知見をAIに学習させるとともに、②AIモデルのプロトタイプを実際に現場で運用しフィードバックを得るというPDCAサイクルを半年間行った。この結果、高度な文章解析技術と業務知見・現場感覚とが融合したハイブリッドAIとして「事故対応支援AI」が完成したとのことだ。

損害サービス拠点における「事故対応支援AI」の運用により、事案1件1件の解決の難しさを早期に把握することが可能となり、事故対応業務が効率化される。これにより、より付加価値の高い顧客対応が可能となり、顧客に更なる安心を提供することが可能となる。このような先回りした質の高い顧客対応によって顧客満足度の向上につながると考えているとのことだ。
出典元:プレスリリース

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