シャープ、KDDIら、介護人材不足の解消を目指し「対話AI搭載型ロボット」を活用した介護サービスの実証を実施へ

シャープ株式会社は、KDDI株式会社、株式会社日本総合研究所(以下、日本総研)、株式会社やさしい手と、2023年11月17日から2023年12月18日まで、シャープのコミュニケーションロボット「RoBoHoN」に対話AIシステム「MICSUS」を搭載した対話AI搭載型ロボットを活用した介護サービスの実証を実施すると発表した。

団塊世代が全員75歳以上の後期高齢者となる2025年以降、介護需要がさらに増加することで、介護業界の人手不足が深刻化する「介護の2025年問題」が社会課題となっているという。介護業界では2025年度に約32万人、2040年度には約69万人の人手が不足すると見込まれているとのことだ。本実証では、自宅や、やさしい手のサービス付き高齢者向け住宅で暮らす高齢者の居室に、本ロボットを設置する。対話AIを活用した本ロボットにより、ケアマネジャーの業務である高齢者の健康状態確認のほか、雑談を通じた日常の関心情報の収集が可能だ。ケアマネジャーと家族へ専用サイトで対話内容と対話要約を共有することで、ケアマネジャーの面談業務の負荷軽減に加え、離れた場所で暮らしている家族とのコミュニケーションを活性化し、健康維持への貢献を目指す。
出典元:プレスリリース

■背景・課題

「介護の2025年問題」に向けて、質の高い公共サービスを維持するため、政府も介護DXを推進している。加えて、一人暮らしの高齢者の増加による高齢者の社会からの孤立や、コミュニケーションの不足による健康状態悪化のリスクが課題となっているという。高齢者のケア・介護領域におけるきめ細やかな対応の需要が増加するなかで、介護業務を効率化しつつ質を高める具体策が求められているとのことだ。KDDIは2022年6月28日から2023年1月28日まで、「MICSUS」を搭載したぬいぐるみ型の専用端末による実証実験を実施し、高齢者の健康状態や生活状況の変化の情報を収集するための面談とその記録業務に要する時間を約7割削減することに成功した。一方で、端末に対する関心度の低下、雑談内容の充実度、会話内容を家族へ共有できないことなどが課題だったという。

本実証では、「RoBoHoN」に「MICSUS」を搭載することで、「MICSUS」による言語コミュニケーションだけでなく、「RoBoHoN」による身ぶり手ぶりなどの非言語コミュニケーションを組み合わせて効果を検証する。高齢者の日常生活に溶け込む身近な存在になることで、ロボットへの関心維持および高齢者のコミュニケーション不足解消を図る。また、従来の「MICSUS」に「雑談機能」「対話履歴と対話要約の共有機能」「注意すべき回答があった際の警告機能」を追加した。介護業務に必要な情報だけでなく、雑談を通じた高齢者の日常の関心など、情報収集量の増加を図る。健康状態や日常の関心などを家族へ共有することで、離れた場所で暮らしている家族と高齢者とのコミュニケーションを活性化する。健康に関する注意すべき回答があった際は、専用サイトで警告画面が出るため、不測の事態があった際の迅速な対応が可能とのことだ。
出典元:プレスリリース

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