マップボックス、気象データの調達、解析、変換が不要 リアルタイム気象データを地図上で視覚的に再現するMapbox Weather Serviceを開発

デジタル地図・位置情報プラットフォームのリーディングカンパニーであるマップボックス・ジャパン合同会社は、雨・風等のリアルタイムの気象データを配信する新サービス「Mapbox Weather Service」のベータ版を発表した。気象データは地図表示可能な形式で配信されるため、気象データ解析の専門知識がない方でも気軽に利用可能だ。本サービスは、天気予報、防災、マーケティング、レジャーなど幅広い分野で利用することができる。

気象庁の短時間降水予報データ(高解像度降水ナウキャスト)をMapbox Weather Serviceで配信した際のイメージ

気象庁の短時間降水予報データ(高解像度降水ナウキャスト)をMapbox Weather Serviceで配信した際のイメージ

出典元:プレスリリース
気象庁の風予報データ(メソ数値予報モデル風要素)をMapbox Weather Serviceで配信した際のイメージ

気象庁の風予報データ(メソ数値予報モデル風要素)をMapbox Weather Serviceで配信した際のイメージ

出典元:プレスリリース

■気象データの地図表現の現状

デジタル地図上に、雨雲や風向きといった気象情報を、リアルタイムあるいは数分後~数日後の予報として視覚的に再現できるツールには、雨雲レーダーの機能を持つサービスやモバイルアプリがある。こうした機能は通常、気象庁や民間の気象会社が生成した気象データを利用するが、そのデータはGRIB2と呼ばれる特殊な形式で構成されており、そのままでは地図表示できないため、専門知識を持った技術者による解析とデータ変換が必要になる。
また、気象データは絶え間なく更新されるため、GRIB2形式のデータの変換にも膨大な手間とランニングコストがかかりる。デジタル地図上にリアルタイムの気象情報を視覚的に再現するには、こうした知識・手間・コストの問題が大きな導入障壁となっていた。
マップボックスが開発したMWSは、このような導入障壁を取り払い、気象データを誰でも使いやすく見やすい形で提供することで、天気分野に限らない気象データの広範囲での活用に貢献する。

■解析、変換不要でリアルタイムの気象情報を表示

MWSでは、これまで地図上に表現するために解析とデータ変換が必要だった気象データを、直接Mapbox上で視覚的に表示することが可能になる。そのため、「気象データの調達」「気象データの解析」「気象データの変換」といった煩雑な手順を踏むことなく、自社のサービスやプラットフォーム上で、デジタル地図に即座にリアルタイムの気象情報を表示することができるようになる。MWSで表示することのできる気象データは、雨雲、雷、風向きのほか、波・海流・海面/地表温度、気圧等。また、指定の時刻・緯度経度の気象データAPIも提供予定だ。

■美しいビジュアルとスムーズな動作

MWSの大きな特徴として、Mapboxの柔軟なカスタマイズ性により可能となる、自由なカラーリングと美しく軽快なビジュアルエフェクトが挙げられる。これによって、色を自在に組み合わせたオリジナリティのあるデザインや、雨雲や低気圧の接近を臨場感をもったアニメーションで表現することが可能になる。Mapboxの優れたレンダリング技術により、複雑なアニメーションを表現しながらも、ズームイン・ズームアウト等の動作は非常にスムーズだ。さらに、Mapboxは大規模なアクセスを前提とした非常に堅牢なインフラを備えているため、アクセス集中が想定される災害発生時でも動作に支障が出ることはない。
出典元:プレスリリース

■Mapbox Weather Serviceで可能になること

MWSを導入すると、気象データ解析の専門知識やデータ変換の手間不要で、即座にデジタル地図上に気象情報を表示することができるようになる。これによって、例えば天気・気象分野に限らず、災害・防災ツール、ゴルフやサーフィン等の屋外レジャーを扱うサービスにおいて、その日の雨雲や風向き、波の高さといった気象情報をわかりやすいアニメーションで見せることができる。さらには、降水量と客数・売上予測を結び付けたり、気温の変化で特定商品の仕入れ量を調整するなど、複雑な解析を必要とせずに気象データをマーケティングに活用することもできる。

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