【調査レポート】AIが検出したZ世代のコミュニケーション特性
2024/5/16
トーク中の「えー・えっと」が他世代の47.8%しか出ない”慎重さ”が顕著なZ世代、一方でZ世代に対する上司は、1分に1回の割合でCLOSED質問の「詰問調」になっている
本調査では、ビジネス上のコミュニケーションとして”Z世代のトーク”が他世代と比較してどのような傾向があるのか、またZ世代に対する”上司”のコミュニケーションが他の世代に対するものとどう異なるのかを比較している。
■調査結果の抜粋
Z世代への1on1では、上司は他のどの世代相手よりも「CLOSED質問」の数を増やしてしまうことがわかった(Z世代27.3回に対して、Y世代19.1回となり、43%増)。Z世代の1on1の時間が平均26.5分であることを考えると、この数値は約1分に1回は、CLOSED質問をしていることを示している。一般的に、1on1では詰問調に聞こえるCLOSED質問ではなくOPEN質問を使うことで、部下の考えを引き出すことが求められることを考えると、Z世代向けの1on1がいかにうまくいっていないかを示していると言える。
同じ機会・時間で設定されても、世代が若いほど1on1中の発言量が減ることが明確にわかる。上司の前では若年層ほど「話しづらくなる」ことが明示される結果となった。
1on1全体の中での発言割合で見ても、全体の半分を下回るのはZ世代のみとなっており、平均的に1on1の傾聴スキルとしてうまくいっていない状況と言える。他の分析項目を見ても、Z世代に対する話し合いに苦労しているように見られるが、上司としてはいかに「話してもらうか」のための準備が必須であることが示されている。
Z世代の営業トークは、圧倒的にCLOSED質問で「確認する」ことができていないことがわかる。「買い手」にとって答えやすい質問や、クロージングに向けた具体的な質問ができておらず、曖昧・相手に委ねるOPEN質問に頼るヒアリングとなっている。
Z世代の営業トークは、フィラーの数がその他世代の半数になっている。これは、そもそも発言量が少ない・発言のスピードが遅いということが影響しているものの、一般的には「慣れていない・低成績者」ほどフィラーが多く出現することを加味しても、Z世代のトークでの出現率が低いことを示している。Z世代は発言量・スピードが落ちるだけでなく慎重に言葉を選ぶことで、不必要な語句の出現も抑えられていることがわかる。
■調査結果サマリー
◯ 調査対象 :「対象者の年齢」がわかっている7社・計435トーク
<内訳>
不動産系企業 3社(大手2社・地方1社)
金融系企業 3社(大手2社・地方1社)
教育系企業 1社(大手1社)
(検定利用時の発注条件として「第4条3項」を了承された企業)
<シーン>
対象者と上司との1on1・・・n=155
(平均年齢:対象者40.4歳・上司48.3歳)
Z世代:n=8、Y世代:n=31、X世代以前:n=116
対象者自身のセールストーク(ロールプレイング+実商談)・・・n=280
Z世代・新人研修対象者:n=144、Z世代以外:n=136
◯ 調査期間 :2022年8月16日~2023年12月11日までに録音されたデータ
◯ 調査方法 :CogStructureを使った「COG-VIEW」分析
◯ 調査機関 :コグニティ株式会社
◯ ダウンロード :https://cognitee.com/surveydl