チェック・ポイント、生成AIの活用に関する独自調査結果を公開

回答者の89%が課題とするサイバーセキュリティのスキルギャップ解消に生成AIが重要な役割

■生成AIとサイバーセキュリティに関する調査結果

AIは、今最も世界的に注目度の高い話題と言えるでしょう。AIをサイバーセキュリティと組み合わせ、さらにその可能性(および課題)とを合わせると、結果は驚異的なものとなる。多くのセキュリティ専門家にとって、高度なサイバー攻撃にさらされているサイバー防御がインテリジェンスを取り入れることによって改善されることは、当然の帰結だ。しかし残念ながらサイバー犯罪者もまたこのAIの流行に乗り、デジタル化された攻撃を武器にしている。

■セキュリティの有効性を大きく損なうスキルギャップ

自社のセキュリティに自信があると答えた回答者は70%以上に上ったが、その楽観的な見方とは裏腹に、89%は有能な人材の雇用が困難であることを認めている。サイバーセキュリティにおけるスキルギャップは、AIを利用したサイバー犯罪に対し、組織が適切な防御をいかに効果的に構築するかという点に深刻な打撃を与えている。

[1] 2024年、チェック・ポイントがVanson Bourneに委託した調査

図1:Vanson Bourneによる調査結果

図1:Vanson Bourneによる調査結果

出典元:プレスリリース

■ITおよびセキュリティの専門家のうち、実に89%が大幅なスキルギャップを報告。 革新的ソリューションの喫緊の必要性を裏付ける

調査対象となった専門家は、スキルギャップによって、組織が効率的にセキュリティを運用する能力が著しく阻害されている、と述べている。影響を受けた企業の実に89%が自社のセキュリティ業務にスキルギャップの「影響があった」と回答し、そのうち40%は「強い影響があった」と回答している。

■生成AIの登場

いかなる組織も、その規模の大小にかかわらず、大規模なサイバー攻撃の潜在的な影響を無視することはできない。結果として、調査対象となった組織は、インシデント対応、マルウェア対策、データ損失対策などのサイバーセキュリティの強化のために、AIを活用したツールを導入している、と回答している。AIは明らかに、デジタル環境の保護を強化する役割を担っている。
図2:Vanson Bourneによる調査

図2:Vanson Bourneによる調査

出典元:プレスリリース
組織のうち97~99%がAIを活用したツールを利用。包括的なセキュリティ戦略のために生成AIへと大きくシフトしている

■生成AIのメリットと導入

組織も、戦略的な目的で生成AIを採用している。回答者の多数が、高度な脅威に対するサイバーセキュリティ強化のために、1年以上前から生成AIを活用していると回答した。インシデント対応率の向上が、その効果の一例として挙げられている。

世界中のあらゆる地域の回答者が、生成AIがユーザーの行動および異常について、より深い理解を提供してくれると回答している。しかし、他の地域に比べヨーロッパ地域の回答者は、AIが脅威の防止と検知の強化、セキュリティ運用とリソース配分の合理化、チームの人手による作業の削減といった効率性の向上につながるかどうかについて、肯定的な回答の度合いが低いことが示されている。一方APAC地域では、世界3地域の中で最も高い割合となる50%近くの専門家が、生成AIによってセキュリティ運用とリソース配分が合理化されたと回答した。
図 3:Vanson Bourneによる調査

図 3:Vanson Bourneによる調査

出典元:プレスリリース

■スキルギャップにおけるパラドックスと生成AI

ギャップの解消が求められる中、生成AIはスキルギャップに対処するための味方となり得る。サイバーセキュリティの熟練度に対する要求が高い業界においては特に、生成AIは既存の能力を増強し、その効率を高めるための方法を提供する。
生成AIは、サイバーセキュリティのスキルギャップを埋めるのに役立っており、影響を受けた組織の98%が業務効率への影響を認識

■業界別のインサイト

生成AIの持つ影響は業界ごとに異なっており、その恩恵が特に顕著に認められるのは医療保健分野と金融業界だ。これらの業界では、人手による作業の大幅な削減と、インシデント対応の効率向上という生成AIの可能性が認識されている。

本調査の「生成AIとAI/MLディープラーニングについて考慮した場合、以下の記述にどの程度同意、または不同意ですか?」という質問に対し、回答者の大多数は、AIツールは業務効率の改善、インシデント対応率の向上、組織内のスキルギャップの解消に役立つという点で同意している。

その他の結果は、以下の通りだ。
・生成AIは、セキュリティチームの人手による作業を大幅に削減した/できる:ヘルスケア業界(32%減)
・AI/MLディープラーニングは、インシデント対応の効率を大幅に向上させた/させることができる:エネルギー、石油/ガス、公益事業(36%増)
・生成AIは、脅威の捕捉率を大幅に向上させた/させることができる:金融/銀行/投資業界(35%増)
・AL/MLディープラーニングは、組織におけるサイバーセキュリティのスキルギャップを大幅な解消に役立っている/役立ち得る(サイバーセキュリティ業務におけるスキルギャップを経験したことが「ある」とした回答者への質問):金融/銀行/投資業界(28%が改善)
図4:Vanson Bourneによる調査

図4:Vanson Bourneによる調査

出典元:プレスリリース

■投資と実装: 今後の展望

サイバーセキュリティへの生成AIの統合に関するコミットメントは強く、組織の90%はAI/MLと生成AIツールへの投資を優先することを計画している。これに伴い、生成AIツールに向けた予算配分の増加も見込まれる。
革新的なサイバーセキュリティソリューションへの戦略的シフト。
組織の90%は生成AIツールへの投資の優先度を高めている

■結論:生成AIの変革を乗り越える

楽観的な見通しとともに、懸念と課題は依然として存在している。多くの組織は、データ規制の確実な遵守など数々の課題を認識する一方で、AIモデルを更新し最新に保つことの重要性を強調している。

生成AIが統合されたセキュリティ環境を実現する行程で、セキュリティリーダーには成果および課題の両方がもたらされると見られる。しかし明らかなのは、サイバーセキュリティプロバイダーがより高度なインテリジェンスを取り入れることにより、生成AIが組織の変革に役立つという点だ。戦略的な先見性のもとで生成AIを受容することで、より安全でレジリエントなデジタルの未来を切り開くことが可能になる。

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