双日、アフリカなどで農業DXを推進するDegasに出資

~さくらインターネットのGPUクラウドサービスを利用し、AIによる衛星画像の活用を共同研究~

双日株式会社は、アフリカをはじめとする途上国で農業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するDegas(デガス)株式会社に出資した。

また、両社は、Degasが開発した衛星画像の分析に特化した生成AI基盤モデル(以下「地理空間基盤モデル」)をタイ王国のアグリ(農業)プラットフォーム事業に活用するための共同研究を行うことに合意し、業務提携契約(以下「本契約」)を締結した。今後、さくらインターネット株式会社(以下「さくらインターネット」)が提供するGPUクラウドサービスを利用し、衛星画像の分析による気候予測や災害予測、農業に関するデータを掛け合わせることによる穀物収穫量予測などへの活用を目指す。

本契約は、さくらインターネットとの業務提携に基づくビジネスモデル開発の第1号案件である。
Degasは、ガーナ共和国で、小規模農家向けに肥料などの農業資材を提供し、生産物の一部で現物返済される農家ファイナンス事業を展開している。これまでに65,000軒以上(2024年8月時点)の農家を支援し、アフリカ最大規模の農家ネットワークを構築している。2023年から開発に着手した地理空間基盤モデルは、森林や農地などの分析対象の衛星画像を生成AIに事前学習させることで、新しいデータを読み込ませた際に、学習内容を基に表地や土壌などを解析、予想する。農業や林業における基盤モデルの開発は、農地ごとの土壌成分値や作物収穫量など多くの教師データを必要とし、コストがかかることが課題だった。Degasの基盤モデルは最新の生成AIを活用し、従来の1割程度のデータ量で高精度の分析を可能としたことで、費用対効果の改善が見込まれ、気候や災害、穀物収穫量の予測などへの普及が期待されている。

双日は、2024年3月に締結したさくらインターネットとの業務提携契約に基づき、さくらインターネットのGPUクラウドサービスをDegasに提供する。双日がタイで手掛けるキャッサバ農家向けのアグリプラットフォーム事業にて、Degasの地理空間基盤モデルを活用し、農業分野におけるアプリケーションを開発することで、収量予測サービスや病害検知サービスとして活用予定である。

双日は、中期経営計画2026で「Digital in All」を掲げ、全事業へのデジタル活用を前提としたデジタル戦略を策定し、DX施策を推進している。今後も、AIを活用したビジネスモデルやユースケース開発に取り組み、さらなるデジタル活用と企業価値向上に努めていく。

カテゴリ

Special Features

連載特集
See More