資生堂とNTT、化粧品の触り心地を遠隔・非接触で体験できる技術開発に向けた共同研究を開始 ~両社の強みを活かし一人ひとりの多様なニーズに応え、新たな体験の機会創出をめざす~

株式会社資生堂と日本電信電話株式会社は、資生堂の感性科学研究の知見とNTTの非接触情報提示技術を融合し、遠隔・非接触でも、化粧品の触り心地を視覚や聴覚を通して体験できる、革新的な技術の開発をめざし、共同研究を開始した。

これまでオンライン販売では、実際の商品やテスターに触れることなく化粧品の触り心地を伝える手段は限られており、動画や言語表現による情報提供が主流であった。本共同研究を通じてさらに体験価値を高め、将来的には遠隔・非接触でも触り心地を体験し、時間や場所、言語などの制約を超えて、いつでも世界中の一人ひとりの多様なニーズに応える新たな体験機会を創出する(図1)。
出典元:プレスリリース

■背景

インターネット上での商品やサービスの売買、すなわちオンライン販売の急速な普及に伴い、多くの生活者がEC(Electronic Commerce)を通じて化粧品を購入するようになった。デジタル上での購買・体験活動の多様化が一般化している現在に対して、オンライン販売などの購買環境では、繊細で多様な化粧品の触り心地の確認など、店頭と同様に化粧品に直接触れて試すことができない課題がある。
資生堂は、一人ひとりの美のニーズに寄り添い、いつでも・どこでも、ビューティーの力を享受できる機会を提供することで、人々が幸福を実感できるサステナブルな社会の実現を目指している。その実現のために、資生堂の強みである人の感覚や心理といった主観的なものを客観的・科学的なアプローチで解き明かす感性科学研究とDX(デジタルトランスフォーメーション)の融合にも多数取り組んでいる。一方、NTTは、人間が感じ取る感覚・知覚の内容を、リアルに、そして豊かに伝達・共有することを目指し、これを可能にする社会を目指した研究開発を行っている。近年では、素材の柔らかさを非接触でお客さまに伝える技術提案を行っている※1。両社のビジョンと新しい技術開発に必要な知見が合致したことから、この共同研究を開始するに至った。

■両社の役割と活用するコア技術(図2)

資生堂は感性科学研究において、肌触りや化粧品の感触に関する知覚メカニズムの知見※2,3や、心地よい感触を生み出す製剤化の知見※4を提供し、NTTは質感を伝達する非接触情報提示技術※5や質感の錯覚に関する知見※6を提供する。
出典元:プレスリリース

■今後の展開

本共同研究は、人間が化粧品基剤に触れた時の触り心地を視覚や聴覚など複数の感覚の視点で探り、最終的には、化粧品基剤の触り心地をさまざまな感覚で再現する感覚インターフェースを実現する。この感覚インターフェースを活用することで、オンライン販売などで実際の商品やテスターに直接触れることが難しい状況でも、生活者が触り心地を体験できる新しい機会を創出する。これにより、一人ひとりの多様なニーズやライフスタイルに合った化粧品の選択や購入が可能になる世界を目指す。

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