デクセリアルズと三菱総合研究所、生成AIによる「技術開発領域可視化システム」構築を開始
2024/11/8
新規領域の製品・技術開発に有望な要素技術を迅速に探索
デクセリアルズではこれまで、膨大な量の技術文書や論文を担当者が読み込み、既存技術の異なる分野への応用に向けた探索や、新素材・デバイスの開発を慎重に進めてきた。しかし、1つの研究開発領域の中でも要素技術が複雑に絡み合っているため、その関係性を紐解き、有望な要素技術を見出すのには大きな障壁があった。たとえば、新規研究開発領域では、関連する知識や情報が不足するケースも多く、担当者は時間をかけて理解を深める必要がある。また、担当者によるばらつきや知見・ノウハウの共有にも課題を抱えていた。
この課題を解決するため、デクセリアルズとMRIは、2022年よりAI(人工知能)を活用したPoC(概念実証)を行ってきた。その結果、AIによって、求める事業領域の技術資料を選定、解析・図化し、素早く必要な材料を揃えることができるなど、いくつかの変革の可能性を見出した。この成果をもとに、技術領域の自動可視化システムを構築し、新規事業探索部門で業務効率化と知見・ノウハウの組織知化を進める。また、将来的には、研究開発の現場でも、生成AIの活用により、迅速に、かつ多様な分野での業務遂行を実現させることを目標とし、検証を加速する。
デクセリアルズでは、今後も生成AIの実業務での活用方法を検証し、新たな可能性を探求していく。また、社会課題の解決を支えるデジタル・テクノロジーの進化に不可欠な高付加価値製品、技術・ソリューションを提供することで、持続可能な社会の実現への貢献と、持続的成長、そして、さらなる企業価値向上に努めてまいる。
MRIでは、今回の取り組みを通じて得られた技術文書の読解・解析に関する知見を、自社の生成AIソリューション「ララサポ※」のラインアップ拡充やコンサルティングにて活用し、お客さまの新製品・新技術開発を支援する。
■PoCの成果(変革のポイント)
―大量の技術資料や論文を解析し長所/短所分析、要素技術を抽出(図中①)、要素技術の関係性などを可視化(図中②)
・有望な要素技術がいち早くわかる
―要素技術の特徴や課題、将来性などを多くの論文から自動的に分析・整理(図中③)
・知見・ノウハウを組織知化できる
―検討ステップを保管し、当該分野の再調査や別領域の探索にも同一プロセスを適用可能
―属人的な調査ノウハウを組織として蓄積・共有