いまさら聞けないGAFAとは?世界から注目を集めている理由を解説
2020/11/9
日常生活に広く普及しているGAFAのサービスですが、中にはGAFAとは何を指すのか分からないという人もいます。ここでは、GAFAがどのような企業なのか、なぜ世界から注目を集めているのかを説明するとともに、GAFAを規制する動きも紹介します。
Contents
- そもそもGAFA(ガーファ)とは何のこと?
- 世界最大と言われている企業の頭文字を並べたもの
- Google(グーグル)
- Apple(アップル)
- Facebook(フェイスブック)
- Amazon(アマゾン)
- FANGやMANT、GAFMAといった呼称もある
- GAFAが世界中から注目を集めている理由とは?
- 世界最大級のプラットフォームを持っている
- 企業としての時価総額が圧倒的
- 社会で需要の高いインフラとなっている
- GAFAが批判されている3つの理由とは?
- ビッグデータを独占している
- 市場を独占している
- 利益に対する納税額が少ない
- GAFAは各国から警戒されている
- デジタル課税が検討されている
- GAFA解体を目指す動きも見られる
- データ保護規制を制定する国も
- 日本におけるGAFA規制の動きとは?
- 独占禁止法
- 官民データ活用推進基本法
- GAFAの動向や各国の対応を注視しよう
私たちの生活に広く普及しているGAFAですが、人によっては便利で快適な生活を送るうえでなくてはならないと感じている人もいるようです。しかし、GAFAを利用する際は注意点を知っておくことも大切。今回は、GAFAの概要や世界中で注目を集めている理由、日本や世界でのGAFA規制の動きについて、詳しく説明します。
そもそもGAFA(ガーファ)とは何のこと?
ここからは、GAFAとはどのようなことを言うのか、GAFAそれぞれの企業の概要について詳しく説明します。
世界最大と言われている企業の頭文字を並べたもの
スマートフォンやタブレットが普及するとともに、GAFAが提供しているサービスを利用するユーザーは世界中に増えているため、IT関連の仕事をしていない人であっても、GAFAの存在を身近に感じている人は多いです。しかし、GAFAがそれぞれどのような企業なのか、その実態を知っている人は意外と少ないもの。GAFAをすでに利用している人、これから利用している人、それぞれがGAFAについてよく理解したうえでGAFAが提供するサービスを利用することが大切です。
Google(グーグル)
グーグルは、オンライン広告である「Google広告」やオンラインストレージである「グーグルドライブ」、スマートフォンのOSである「Android」やグーグル独自が提供する「Google Pixel」などが有名です。また、無料で利用できるメールサービス「Gmail」も多くのユーザーが利用しており、個人的なメールのやり取りだけでなくビジネスでも使用されるなど、幅広い場面で活用されています。
インターネットユーザーの検索履歴など、ユーザーの情報や動向を解析することによって、ユーザーに適した広告を表示できることから、マーケティング手法として「Google 広告」を活用する企業も多いです。「Googleアナリティクス」を利用すれば、ウェブページの訪問者数やサイト内のリンクのクリック率といった、ユーザーの動向を独自で分析できるので、事業によっては日常的に利用するシステムとなっています。
Apple(アップル)
また、離れた場所からでもクラウド上でファイルにアクセスしたり、共同編集することもできるクラウドサービス「iCloud」や、アプリケーションのダウンロードサービス「App Store」も人気で、多くの人たちがインターネットを通して便利な生活を手に入れています。「iTunes Store」では、音楽や動画、読書やApple Podcastを楽しむこともできるので、よりエンターテイメント身近に感じられるようになりました。さらに、アップルは映画制作を行い独自のコンテンツの提供を始めるなど、幅広い分野で市場を拡大していることも注目されています。
Facebook(フェイスブック)
また、フェイスブックは2012年に写真投稿SNSである「Instagram」を買収したことも有名。多くの海外セレブや芸能人が利用していることもあり、日本でも急速にユーザー数が増えています。日本ではあまり知られていませんが、2012年にはMessengerアプリである「ワッツアップ」を10億ドルで買収しており、今後もさらなる成長を続けるだろうと言われています。
Amazon(アマゾン)
最近は、AIアシスタントである「Amazon Alexa(アマゾンアレクサ)」を日常生活に取り入れる人が増えています。家電の音声操作や音楽の再生、ラジオの視聴や本の読み上げなど幅広いコンテンツをスマートに楽しめることから、スマートホームの実現に大いに役立っています。
FANGやMANT、GAFMAといった呼称もある
FANGは「フェイスブック」、「アマゾン」、「ネットフリックス」、「Google」のことで、MANTは「マイクロソフト」、「アップル」、AIコンピューティングの「エヌビディア」、電気自動車の「テスラ」のこと。GAFMAはGAFAに「マイクロソフト」が含まれたものです。
GAFAやGAFMAは世界最大のプラットフォーマーとして使用されることが多い言葉ですが、FANGやMANTは、それぞれの企業が世界的な株高を牽引していることから、投資先として注目されているという特徴があります。
GAFAが世界中から注目を集めている理由とは?
●企業としての時価総額が圧倒的
●社会で需要の高いインフラとなっている
世界中から注目を集めているGAFAですが、これらの企業が注目を集めていることには、上記の3つの特徴があります。それぞれの企業がなぜ注目されているのかを知っておくことで、今後これらの企業がどのような動きをするのか、どのようなサービスを展開するのかを興味を持って見ることができるでしょう。ここからは、GAFAが世界中から注目されている理由について詳しく説明します。
世界最大級のプラットフォームを持っている
検索エンジンやSNS、ショッピングサイトなど、それぞれの企業が持つプラットフォームから入手した顧客情報は、独自に分析することで市場のニーズとして把握できるようになります。その結果、ユーザーのニーズにあわせて新たなサービスを展開できるようになるため、より効率的に収益を上げられるのです。
企業としての時価総額が圧倒的
2020年2月の時点で、GAFAの時価総額は約3.9兆ドル(約430兆円)で、これは東京証券取引所1部上場企業全体の約7割を占めることになり、この4社だけでいかに大きな時価総額になっているかがイメージできるでしょう。
世界各地でデジタル化が進んでいるため、今後GAFAはさらなる成長を続けると予想されています。
社会で需要の高いインフラとなっている
GAFAはアメリカの企業であるにも関わらず、世界中の人々の生活を支えるインフラとして機能しています。例えば商品やサービスの購入、コンテンツの消費やコミュニケーションなど、日常生活のあらゆる場面でGAFAのサービスが利用されているのです。
今後もこれらのサービスを活用して、便利で快適な生活を維持しようと考える人は増えるでしょう。
GAFAが批判されている3つの理由とは?
●市場を独占している
●利益に対する納税額が少ない
人々が便利で快適な生活を送れるようなサービスを提供しているGAFAですが、批判的な意見が出ているのも事実です。GAFAがなぜ批判されているのかを知っておけば、どのような点に注意してGAFAのサービスを利用すればよいかを考えられるようになるでしょう。ここからは、GAFAが批判されている理由について詳しく説明します。
ビッグデータを独占している
GAFAを利用するユーザーが増えるほど、利用状況や個人情報といったデータがサービスを提供する企業に蓄積されます。蓄積されるデータが多いほど、ユーザーのニーズや行動特性をより正確に把握できるようになり、新たなビジネス展開へつなげられるのです。
すでに世界中から集めた情報を独占していることもあり、ほかの企業ではかなわないほどの膨大なデータがGAFAに流れています。中には個人情報が不正流出した企業もあるため、国や企業だけでなくユーザーからも批判の声が高まっています。
市場を独占している
すでに多くの分野で最大のプラットフォームと化しているGAFA。あまりにも規模が大きくなりすぎたことから、ほかの企業が新規参入する余地がなくなっています。既存企業が淘汰されていく懸念もあることから、GAFAが市場を拡大することに批判が高まっています。
利益に対する納税額が少ない
GAFAは、毎年莫大な売上を出していることから、納税額も多いと思われがち。しかしGAFAは本社を税率の低い国に置くことで、納税額を抑えていることが指摘されています。企業ごとの税負担に格差が発生していることから、批判の声が高まっています。
GAFAは各国から警戒されている
デジタル課税が検討されている
これはヨーロッパ諸国で検討されている内容で、GAFAだけでなくほかの巨大IT企業に対しても、国内の売上の一定割合を税金として直接徴収するものです。デジタル課税の導入については、イギリスやフランス、スペインなどが前向きに検討しており、ほかの国においてもデジタル課税を導入しようと考えるところが増えています。
GAFA解体を目指す動きも見られる
以前アメリカの大統領候補として注目されていたエリザベス・ウォーレンは、GAFAの解体論を主張したことで世間の関心を高めていました。また、民主党のバーニー・サンダースは、アマゾンに対する「ストップベゾス法」を提案するといった動きを見せるなど、GAFAの勢いを抑えようという動きが、政府レベルで起こっています。
GAFA側にも、このような動きに対して個人情報の取り扱い方法を改定したりするなどの対応が見られましたが、対応が後手に回っているような印象を持つ人が多いようです。
データ保護規制を制定する国も
例えばEU(欧州連合)では、EU一般データ保護規則を制定して新しい個人情報保護の枠組みを設けています。これによって多量の個人情報がGAFAに流れることを抑制し、プライバシーをより厳密に管理できるようになると期待されています。
日本におけるGAFA規制の動きとは?
今後の規制の動きによっては私たちの生活に影響を与えることもありえるため、日本におけるGAFA規制の動きを知っておきましょう。
独占禁止法
独占禁止法は、もともと事業者間の取引を規律するものとして存在していました。この法律は、取引を行ううえで、商品やサービスの提供者と消費者が同等の立場でなければならないと定めています。
しかし、公正取引委員会は2019年に独占禁止法の解釈基準を示して、プラットフォーマーによる個人情報の取得や利用に独占禁止法が適用されると明言しました。これによって、消費者の個人情報がプラットフォーマーによって不当に取得・利用されることは、「優越的地位の濫用」が発生するため違法行為になるという認識になったのです。
官民データ活用推進基本法
官民データ活用推進基本法は、2016年12月に成立した法律で、行政機関に関する申請や手続きをオンライン化したり、幅広い分野で官民データを活用できる基盤を構築して、スムーズな社会を実現する目的があります。
この法律が成立したことによって、特定の企業や団体が個人情報を囲い込むことができなくなったため、GAFAのデータ独占に対抗できるようになると期待されています。
GAFAの動向や各国の対応を注視しよう
ここで説明した内容を参考にして、GAFAについて理解を深めたうえで、GAFAの動向や規制の動きを注視しておきましょう。