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コスメやアパレルブランドで人気のビジネスモデルD2Cとは。

近年、流通業者を介さずに自社で管理するECサイトで直接商品を販売する「D2C」というビジネスモデルを利用する企業や個人事業主が増えてきている。D2Cの特徴やメリット・デメリット、基本的な知識から、国内外の成功事例までをご紹介します。

D2Cとは

D2Cとは、「Direct to Consumer」の略です。具体的には、メーカーやブランドが、自社で企画・生産した商品を、広告代理店や小売店などの流通業者を介することなく、自社ECサイトや直営店舗で直接消費者とコミュニケーションをとりながら販売するビジネスモデルを指します。ら企画、生産した商品を広告代理店や小売店を挟まず、消費者とダイレクトに取引する販売方法を指します。アパレルブランドや美容品・化粧品ブランドの多くがここ数年で多く採用している形態で注目を集めています。

D2C企業の特徴① ECメインの販売チャネル

D2Cの特徴をひとつずつ説明していきます。特徴の一つ目は、ECサイト(電子商取引を行う全てのウェブサイトのこと)をメインの販売チャネルとしていることです。実店舗がある場合も、顧客とのコミュニケーションに特化した「展示場」とするのが基本で、販売は行わない場合もあります。D2C型のECサイトは「商品体験」を重要視するようになった消費者のニーズに応えているものが多くあります。ブランドが誕生するまでのストーリー、商品へのこだわり、生産者の想いなど、従来では注目されていなかった商品価値が購入の決め手となってきているのです。

D2C企業の特徴② 少量の商品数

特徴の2つ目は、商品の種類をごく少数に絞っている点です。在庫が余り過ぎるリスクを削減するために、目玉であるアイコンアイテムをしっかりと設定することで強いブランド力の構築を目指しています。アイコンアイテムとはバーバリーならトレンチコートといたそのブランドを代表する商品のことです。 D2Cの代表格ブランドのひとつである"Bonobos"は、男性にもデニム以外の選択肢が欲しいという思いからチノパン等のみの取扱いでスタート。サイト公開後、半年で約450万円を売り上げました。EC限定のアパレルブランドは数多くありますが、あえて少ない商品で勝負する事例は多くありません。

D2C企業の特徴③ SNSは顧客との対話の場

3つ目の特徴は、SNSを顧客との対話の場として重視している点です。従来のアパレルブランドが行ってきたように、DMやメールなどで新商品やキャンペーン情報などを一方的にPRする方法ではなく、SNSを使って情報を発信していきます。SNSに新情報を投稿することでコメントやメッセージなどの反応があるので、その内容を積極的にスピーディに商品開発やマーケティング施策に反映させているのです。例えば、新商品が入荷して1日もたたずに在庫切れになってしまったとします。コメントやメッセージで再入荷希望の声などの反応をみることで、再入荷数などを判断することもできます。

D2Cビジネスのメリットとは

ビジョンや思想を伝えられる

「自社でつくって売る」というビジネスモデルであるD2Cは、流通業者を仲介せずに企画から販売を行うことができます。そのため会社のビジョンやブランド思想などを他社の介入なく、直接消費者に伝えることができます。ECサイトにおけるマーケティングを通して「どんな想いで商品を作っているのか、商品を通してどんなこと実現したいのかなどのブランディングを実直にアピールすることができるのです。

顧客との関係構築

企画・製造に加え販売も自社で行うことができるため、顧客との関係構築の機会を増やしやすいことがメリットとしてあげられます。販売する時だけでなく、ブランドについて知ってもらう段階から、発送から到着までのやり取り、返品の際のオペレーションなど一連の流れの中で顧客との関係は総合的に構築されていきます。他のECサイトに販売を委託してしまうと、顧客は他社と関係を築くことになってしまいます。Amazonで商品を購入した際に、商品が到着するまでに問題が起きたり、到着した商品の状態によっては、購入した商品と同時にAmazonのことも好き(嫌い)になってしまうという例が分かりやすいでしょう。そのため、Amazonを経由しての販売を拒否するブランドが増加しているといわれています。

顧客データの収集

D2Cでは、他の販売チャネルと比較するとより多くの情報を収集できること、それを自社で管理するのが簡単であることも魅力のひとつです。市場ニーズや商品の売れ行きの傾向、消費者が決済を完了するまでの動きの分析など、仲介業者を通した場合には見えてこない情報を集めることができます。収集したデータや分析の結果を既存商品の改良、新商品の開発に反映させることで、顧客のリピート率や新規顧客の獲得、ブランドの信頼性の向上に繋げていくことができます。

利益を出しやすい

D2Cのビジネスモデルは、企業と消費者がインターネット上で直接取引をすることによって、従来の販売方式で発生していた小売店や仲介業者に支払う手数料・マージンが不要になります。また、家賃など実店舗がある場合のような経費がかかることもないため、他のビジネスモデルと比較すると利益を上げやすいという利点があります。店舗運営のためのコスト(支出)を極力少なくした上で効果的に利益を上げられれば、品質の高い商品を消費者の購入しやすい価格で販売することができるようになります。

24時間の販売が可能

これまでもご説明してきたように、D2Cは企業と消費者がインターネット上だけで取引できるビジネスモデルです。店舗の休日や開店・閉店時間を気にせずに商品を販売することができる点も、D2Cを導入する大きなメリットと言えます。消費者もまた、自分が買い物をしたいときに24時間いつでも商品を購入することができるので売り上げが出やすいのです。また取引がオンラインで完結する分、商品の好みやサイトの滞在時間といった顧客データの収集がしやすいという利点もあります。

D2Cビジネスのデメリット

初期費用がかかる

実店舗不要で運営ができるD2Cのビジネスモデルですが、消費者が商品購入をするためには、商品を売りたい企業がECサイトを作る必要があります。ECサイトを設計し実際に構築するためにはある程度のコストが発生することは把握しておきましょう。ECサイトのテンプレートなどが用意されているShopifyなどのサービスもありますが、デザインにこだわる場合は追加の費用なども発生します。サイトの立ち上げ以外にも「顧客に商品をどうやって発送するか」「在庫管理はどのように行うか」などの方法も、事前に決めておく必要があるでしょう。

ユーザーに認知させる手間がかかる

D2CのためにECサイトを作ったとしても、消費者が販売したい商品やブランド、サイト自体を認知していなければ売り上げを出すことは難しいでしょう。効果的に商品を販売したい場合は、ユーザーに商品やブランド、企業のことを認知させる宣伝や広報活動を行う必要があります。また、サイトそのものを検索結果に表示させるため、宣伝と並行してサイト設計の見直しやSEO対策などが必要な場合もあるでしょう。認知度向上のための施策の一つとして、キャンペーンの実施があります。アメリカではホリデーや季節イベントを利用したキャンペーンを行うことで消費者を引きつける最高のタイミングとなります。

自社でD2Cビジネスを導入する方法

D2Cのビジネスモデルを導入するために、自社のECサイトは必ず必要です。企業が何もない状態からECサイトを設計する場合、WebデザイナーやエンジニアのようなECサイトの設計開発が得意な専門家が必要となります。世界170ヶ国以上で使用される「Shopify」などのように、ECサイトを手軽に作れるサービスやアプリケーションが普及しています。このようなサービスを利用すれば、エンジニアのような技術や、専門知識があまりなくてもECサイト自体を作ることができます。さらに、ECサイトを通じて消費者と直接的な取引ができるようになれば、D2Cビジネスの導入は成功といえるでしょう。

D2Cと通販の違いとは

ではD2Cと通販の違いとは何でしょうか。従来の一般的な通販ブランドとD2Cブランドの大きな違いは、D2Cはブランドサイトの立ち上げから顧客への情報発信、広報やマーケティング、購入までのすべてのプロセスがデジタルで完結している点です。スマートフォンの登場前までは雑誌、テレビなどから情報を得ていましたが、今はSNSやweb上で情報収集を完結することが一般化されました。D2Cブランドは創業者の強い思いから製品を作っている企業も多く、製品の品質はもちろん、どのように広告を展開し販売していくかなど、デジタルマーケティングにも創業者が大きく関わっている点も大きな違いのひとつです。

D2Cビジネスの特徴とは

ここからはD2Cというビジネスモデル全体に共通する特徴を複数個ご紹介いたします。

D2Cビジネスの特徴① 直接コミュニケーション

D2Cビジネスモデルの特徴として、ECサイトにて自社から消費者へ直接販売できること・直接コミュニケーションがとれることが上げられます。従来のBtoCなどの一般的な販売形態においては、小売店経由で商品を販売していたため、メーカーはどのような人がどれほどの頻度で商品を購入しているのかを把握しにくいことが多かったのです。D2Cのビジネスモデルの場合は、自社で販売チャネルをもっていることから顧客情報を蓄積でき、顧客に合わせたサービスを考えて改良・新規提案をすることができます。

D2Cビジネスの特徴② LTV(顧客生涯価値)

顧客と直接コミュニケーションがとれることとあわせて、D2Cでよく取り上げられるのがLTVです。ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)と訳されるこの概念は、消費者がある企業との関係を持っている際に使った(またはこれから使うと考えられる)金額の合計を意味します。販売・購入を機に関係が切れるのではなく、関係を生み出し深めていくことでLTVを積み上げていくのがD2Cの特徴だといってよいでしょう。例えば、洗顔せっけんのような単品のリピート販売を目的として運営しているサイトでは、商品を繰り返し購入することで売上に貢献してくれる消費者の存在が欠かせません。この場合、LTVが高いユーザーがこの企業において優良顧客ということができます。

D2Cビジネスの特徴③ 低価格で提供できる

D2Cは比較的安価で商品を提供することができます。これまでは商品が小売店で販売されるまでに仲介業者が入るためマージンなどが上乗せされ、高い値段で提供されていました。大手ECサイトやショッピングサイトに出品する場合も、価格競争が激しくより低価格なものが好まれるため商品原価と固定手数料以外にも物流や人件費などを見直しコスト削減を図る必要がありました。しかし、D2Cの場合は直接顧客に商品を販売するため手数料や物流・人件費などのコストは発生せず、高品質の商品をより安く提供できるのです。

D2Cビジネスの特徴④ 商品はライフスタイル

これまでの販売形態では商品自体の”機能”を価値として消費者に提供していきました。その一方で、D2Cブランドは商品の機能に加え、商品の世界観や歴史、それらに合わせたライフスタイルを提供できるという特徴があります。例えば、家具を販売する企業などでは、高品質の家具を販売するだけではなく質の良い家具を通して、今までの生活よりもさらに上質なライフスタイルを提供しているところもあります。企業が提案するライフスタイルに共感する消費者が、商品を購入してくれる時代なのかもしれません。

D2Cビジネスの特徴⑤ 顧客の捉え方

従来のブランドでは、顧客を商品やサービスを提供する人と位置づけ、売り手と買い手に明確な区別を設けていました。D2Cブランドは売り手と買い手を明確には区別せず、顧客とブランドが共に成長していける仲間(コミュニティ)として捉えています。消費者からの意見やフィードバックをもとに商品を改良し、より良い商品開発を行うことを目的としています。

D2Cビジネスの特徴⑥ ターゲットはミレニアル世代

ミレニアル世代は1980~1990年後半までに生まれた世代の人たちを指します。幼少のころからデジタルが身近にある状態で日々を過ごしているため、新しい消費価値観を持っている世代と言われています。ミレニアム世代の消費の特徴は、慎重かつ倹約である一方、インターネットやスマートフォンを使いこなしながら、web上で消費することに抵抗がありません。リサイクルやダイバーシティ、エコなどに対する感度も高く、エシカルなブランドを好む傾向もあります。そのためD2Cブランドはミレニアル世代以下をターゲットとしているブランドが多くあります。

D2Cビジネスの特徴⑦ コンテンツマーケティング

すべての企業ではありませんが、D2C企業の多くが「内容が高品質で、満たされたコンテンツ」を定期的に発信しています。これは消費者にとって有益な情報を渡すことで見込み顧客とのコミュニケーションを取ることができ、その上で商品の購入・成約を促すためです。最終的には"ファン"としてブランドや商品と深くかかわってもらうためのコンテンツマーケティングの概念に非常に近いものがあります。D2Cにおける情報提供のコンテンツは、コンテンツマーケティングと同様、メルマガやオウンドメディア(自社やブランド自身で持っているメディア)がオーソドックスなものです。音声(ポッドキャスト)や動画(YouTubeなど)を利用しているブランドもあります。

D2Cの成功事例をご紹介

D2Cの成功事例① 17kg

ここからは、D2Cビジネスモデルの成功事例をご紹介していきます。アパレルブランドの「17kg(イチナナキログラム)」は、若い女性を中心に人気を集める韓国レディースファッションの通販ショップです。若い女性たちが"欲しい"と思うようなプロモーションでファンを集め、急成長してきました。人気のインフルエンサーやモデルを起用して17kgをよく着るユーザーとしてアピールするなど、Instagram(SNS)を起点に展開しています。投稿したファッションアイテム画像へのユーザーコメント数(投票)で実際にどの新作を販売するか決めたり、「可愛いと思ったらコメント欄で教えて」というようなインタラクティブな運用がファンとのコミュニケーション活性化を促しています。

D2Cの成功事例②  オールユアーズ

中国では10〜20代の女性たちから「完美日記(Perfect Daily)」と呼ばれるコスメブランドが絶大的な人気を誇っています。中国で多くの人に利用されているInstagramのようなSNS「小紅書(RED)」では、200万人近くのフォロワーがいるブラントです。販売をスタートして数年でロレアルや資生堂といった世界的に有名なコスメブランドと肩を並べるようになりました。ECも連動された小紅書(RED)のアカウントでは、ユーザーは芸能人やインフルエンサーの投稿からすぐ商品を購入することができます。同ブランドが短時間に認知拡大できた背景には、小紅書(RED)を中心としたSNS上で芸能人やインフルエンサーによるマーケティング戦略が大きく影響しているといえます。
アパレルショップ「ALL YOURS」の運営と、オリジナルウェアブランド「DEEPERʼ S WEAR」の企画・開発・販売を行う企業です。日常生活で感じる「着る」ことに対するストレスを解消するファッションスタイルを提案しています。特徴はファンコミュニティが確立されている点で、ファンの数=企業の価値と捉えてコミュニティを形成しています。ブランドに共感してくれている人、商品を購入した人を「共犯者」と呼び、ワークショップやイベント、商品開発に参加してもらうなどの企画も実施し、顧客と一緒にブランドを作り上げています。通常のアパレルメーカーよりも価格が安いのも人気の理由です。

D2Cの成功事例③ 完美日記(Perfect Daily)

SNSマーケティングと併用してD2Cを成功させよう

D2Cの概要から、メリット・デメリット、ビジネスの特徴や流れ、国内外の成功事例を紹介してきました。今後もますますD2Cビジネスモデルを利用して企業は増えていくと予想されます。D2Cビジネスを成功させるためには、効果的なSNS活用が非常に重要となってきます。SNSマーケティングでは、インフルエンサーを活用したマーケティング方法の効果が高いと言われています。消費者と直接コミュニケーションをとりながら発展させていくことができるD2Cビジネスモデル導入の検討や、インフルエンサーの選定や活用方法が知りたい場合は一度専門のマーケティング会社に相談するのもおすすめです。

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