Shopifyとは
Shopifyは、現在世界でもっとも利用されている(全世界175カ国・100万店舗以上)世界最大のECプラットフォームです。企業がオンライン上に簡単にショップを開業できるソフトウェアを提供しています。グローバルでの流通総額はなんと10兆円を超えています。
これまではECサイトをオープンさせる場合、自社でサーバを用意しパッケージを導入する必要がありました。Spotifyは、サブスクリプション型のサービスモデルでECサイトを開設できる手軽さが人気の理由です。
日本国内版は2017年にリリース
Shopifyは今年の1月には日経新聞にも取り上げられたり、国内でもコミュニティが徐々に増え話題になりつつあります。はじめはサイト内の多くが英語表記のみでの使いにくさも若干ありましたが、2020年現在はショップ開設まで日本語で問題なく行えるようになりました。後ほど説明する、"拡張機能"のアプリについても日本語のものが増えてきているようです。早速Shopifyにどのような特徴や機能があるのかご紹介します。
Shopifyの特徴
Shopifyの特徴は通常の在庫がある"モノ"の商品の他に、コンテンツ商品(ダウンロードをして購入するものなど)、ドロップシッピングの製品販売なども行っています。アカウントを作成すれば14日間の無料期間の後、管理画面で設定を行うだけでECサイトを作成することができます。デザインのテンプレートが用意されているので、ECサイトを初めて立ち上げる方でもおしゃれでクオリティの高いサイトを構築可能です。初期費用は不要、ベーシックプランでは月額約3,200円からスタートできる月額課金制です。サーバやネットワークの管理といった負担もありません。
楽天市場との販売チャネル提携がスタート
2020年4月より楽天とShopifyは販売チャネル連携を開始しました。これによってShopifyを利用している事業者は、販売チャネルとして楽天市場を使用できるようになり、楽天市場にて在庫管理・商品登録および受注管理などの店舗運営業務をShopifyの管理画面上からできるようになります。この連携により、Shopifyマーチャントが「楽天市場」上で新たなお客様と出会う機会が増え、売上向上につながることでしょう。
BaseからShopifyへのデータ移行も簡単に
さらに最近のトレンドとして、初期費用や月額費用が無料のBASEから、Shopifyに乗り換える事業者も徐々に増え始めています。無料ですぐにスタートできるBASEで店舗をオープンした事業者が、さらなる売上拡大を狙って機能が豊富でカスタマイズの自由度も高いShopifyへと移行するというケースです。移行する事業者が増えてきた理由には「BASEショップ情報移行アプリ」が出てきたことも要因の一つとしてあります。最短で約1時間で作業が完了する場合もあります。意向を検討されている方はぜひ調べてみてください。
利用プランについて
Shopifyの料金プランは主にベーシック、スタンダード、プレミアムの3つのプランがあります。さらに安価なShopify Liteや、エンタープライズ向けであるShopify Plusというプランもあります。しかし通常のECサイトを運営するのに必要な機能は、ベーシックプランでほぼそろっています。それ以上のプランは大規模なECサイトの開発や事業拡大、卸売りショップの構築などで利用されることが多いです。企業用としても、個人でスタートするとしてもベーシックプランでほぼ問題ありません。さっそく、ベーシックプランの基本的な機能をご説明していきます。
ベーシックプランの基本機能
Shopifyのベーシックプランの基本機能は全部で10個ほどあります。在庫管理や流入データなどのストア分析はもちろん、越境ECにも対応させることができます。またShopifyはFacebook、Instagram、Amazonなどとチャネル連携しており、各チャネルでも商品を販売することができます。サイトのデザインを数多くのテーマから選択することが可能です。デザインの知識がない方でもハイクオリティなオンラインストアをつくることができます。ベーシックプランの場合には、アカウントを2つまで登録できます。社内のECサイト担当者が主に利用していくイメージです。また、集客レポートやマーケティングレポートなども閲覧できます。レポートを分析することによってマーケティングの戦略を練ることも可能です。
Shopifyを検討中の方のために
ベーシックプランはECサイトを初めてスタートさせる方が、費用を抑えてサイト運営するときにおすすめのプランです。Shopifyはプランによって月額利用料や取引手数料も変わってきます。そのため適したプランを選択することで得られる利益は大きくなります。運営したいECサイトの規模や、実装したい内容によってプラン変更も検討してみください。次にShopifyを使用してECプラットフォーム導入を検討されている方のために、他社のサービスとの比較や評判はどんなものなのか、デメリットはどんなことがあるかなどを少しだけ詳細に見ていきましょう。
Shopifyを利用することのメリット
なんといっても最大の魅力はコストパフォーマンスが圧倒的に良いことです。月額約3,200円でスタートすることができ、初期費用もかからないのがポイントです。商品数や画像ファイルなどの容量が無制限なのも大きな魅力です。また、ECサイトの運用・構築がシンプルな操作で可能であることも魅力で、システムやサイト構築、デザインに詳しくない方でもすぐにサイトが作成ができることも人気の秘密です。また、マーケティングツールの導入が拡張機能(アプリ)どで連携されるのでコストを抑え、しかもスピーディにマーケティングに関する情報を手に入れることができ、試験的にPDCAサイクルを回すことができます。
Shopifyのデメリット
導入を検討するにあたり、デメリットも把握しておきましょう。日本国内版がリリースされ、現在はショップの作成から運用までは問題なく日本語で対応できます。しかし、追加で拡張機能などを使用したい場合は英語で解説されているものがあるため注意が必要です。またショップのデザインもテンプレートで選ぶことができますが、文字の大きさや色を変えるなどの調整をしたい場合はHTML等の専門知識が必要となります。また、サポートに問い合わせる場合も日本語での対応はメールのみとなります。
Shopify plusについて
カスタマイズが必要な大規模開発や、複数店舗展開を行いたい場合、または海外向けのサイトを構築したい企業や、BtoB向けの卸売専用サイトを構築したい、完全オリジナルのデザインでECサイトを構築したい、ブランドの世界観を忠実に再現したい場合はShopify Plusがおすすめです。料金はベーシックプランとは異なり企業規模での大きな金額となりますが、アプリの開発・導入支援や、オリジナルの画像加工、イラスト作成などベーシックプランにはない追加機能があります。大規模で複雑な開発が必要なECサイトも、Shopify Plusであれば実現可能です。
Shopify plusの料金体系
ShopifyPlusの月額料金は約21万8000円~となります。ベーシックプランに比べると月額料金は高額になりますが、販売取引手数料(外部決済サービスを使用して代金を受け取る際に発生する料金)・消費者がクレジットカードで決済を行う場合の手数料(VISAやMastercardなどの主要クレジットカードを決済方法とした場合に発生する手数料)が他のプランと比較すると安価になっています。また、Shopify plusの契約は12カ月から可能です。
Shopify plusの追加機能
Shopify plusを契約すると、追加で使用できる機能があります。まずご紹介したいのはチェックアウトページ(買い物かご)のカスタマイズです。画面のレイアウト変更はもちろんのこと、該当国への配送ができない商品についてはカゴから削除されるように設定することもできます。また後払い決済の選択やや日時指定などが選択できるようになります。拡張機能であるShopify Scripts Editorを追加すると、2点購入で10%オフ、などの割引も適用可能です。
Shopifyの登録方法と使い方について
プランなどの詳細を把握したら、まずは登録してみましょう。Shopifyのホームページより"無料体験登録"を選択しスタートできます。この時はまだクレジットカードの登録は不要で、メールアドレス、パスワード、ストア名、ストアURL、ストア住所を入力すれば大体1~2分あれば登録が完了します。アカウント作成が完了すると、管理画面へアクセスできるようになります。販売したい商品が決まっている場合は管理画面の左サイドバーの「商品管理」ページへ移動し、商品を登録することが可能です。無料体験期間は2週間ありますので、この期間に詳細設定やサイトのデザインを決定していくのも良いでしょう。
Shopifyの決済手数料について
Shopifyは構築に必要な初期費用不要であることに加えて、Shopifyペイメントという独自の決済サービスがあります。Shopify Paymentを有効化にした場合、取引手数料が無料となります (PayPalやAmazon Payの決済でも無料)。購入時の決済手数料の割合が他サイトのサービスと比べて圧倒的に低く、コストパフォーマンスが非常に高いです。日本のクレジットカードやAmex等の海外のクレジットカードで決裁した場合は手数料が3.40%~3.90%かかります。(ベーシックプランの場合)。
入金サイクルについて
売上金の入金サイクルについてご説明します。Shopify Paymentを利用している場合、毎週日曜日までの売上が翌週金曜日に振り込まれます。これは最短の場合で、最長の場合は月曜日の売上が翌週の金曜日に支払われるというサイクルです。これは国内でもメジャーな他のECサイトに比べると非常に早いサイクルです。入金が早いほどキャッシュフローを円滑に回せるため、ECサイトを初めて使用する事業者にとっても、非常に使いやすく便利です。ただ、注意が必要なのはShopify Payment以外の決済サービスを使用している場合は月末締め・翌月払いのものもあるようですので、使用した決済サービスであらかじめ確認をしておきましょう。
Shopifyパートナーとは?
Shopify Partner(パートナー)とは、企業や個人がShopifyと契約することでサイトの構築を専門に行ってくれるパートナーシップのことをいいます。ECサイトを開設したいけれど、知識のあるスタッフが社内にいない場合、Shopifyパートナーへ依頼することができます。売りたい商材と大まかな希望を伝えれば、ショップ開店までの構築をすべて行ってくれます。テーマ・アプリの開発も行ってくれるところもありますので、Shopify公認パートナーとして登録している企業などを調べてみましょう。
Shopifyテーマとは
Shopifyでいうテーマとは、ECサイトのデザインを簡単に変更できるテンプレートのことです。HTMLやCSSの知識がなくても、デザインをカスタマイズすることが可能です。エディタを使って、管理画面からテーマをカスタマイズできます。テーマの中に希望する変更の設定が含まれていない場合は、テーマコードを編集することもできます。さらにオリジナルのものを作りこみたい場合は先ほどの章でご紹介したShopifyパートナー等に相談するのもおすすめです。
充実した拡張機能(アプリ)もある
プランに含まれている基本機能のみでももちろんサイトを解説することができますが、さらに便利な機能を追加できる拡張機能(アプリ)を追加することで、さらに運用を便利に・多様化することができます。アプリの内容は「外部ツールとの連携」や「配送手配」「SNSマーケティング」など無料・有料のものが2000種類以上用意されています。ベーシックプランを使用していて、Shopify plusにするまでの規模は必要ないけれど、ハイそうなマーケティングの情報を詳細に分析したい、などの機能を追加したい場合はアプリで探してみるのも良いかもしれません。こちらも日本語のアプリが増えているので安心です。
他のECサイトとの比較
ここまではShopifyのみの特徴を見てきました。ECサイトプラットフォーム導入を検討している企業や個人事業主の方の中には、他サイトとの違いを知りたいという方も多いでしょう。料金やデザイン・基本機能などについて、国内外のECサイト構築サービスと比較を行いましたので、ご紹介していきます。
Baseとの比較
無料のネットショップが30秒で開設できると人気のBASE。Shopifyとの共通点はデザインテンプレートがあることと、初心者でも簡単にショップが作れることです。HTMLによりカスタマイズも可能です。こちらも拡張機能(アプリ)で配送日設定、独自ドメイン、カテゴリー管理など多彩な機能を追加できます。デザインテンプレートは無料と有料のものがありますが、数でいうとShopifyのほうがかなり多くなります。BASEは初期費用・月額費用ともに無料ですが、1回の注文の総合計(送料含む)に対してサービス利用料が3%発生します。クレジットカード決済手数料はShopifyが3.25%〜、BASEは3% +40円と大きな差はありません。
STORESとの比較
STORESは最短2分でネットショップの開設ができるインスタントECサービスです。毎月1万件以上のショップが開設されています。Shopifyとの共通点は、デザインテンプレート、HTMLでカスタマイズが可能な部分です。異なる部分は、Shopifyはテンプレートが自由にカスタマイズできるのに対し、STORESではテンプレートの編集部分が限られていることです。販売手数料はともに無料です。STORESは初期費用・月額費用ともに無料プランがありますが、クレジットカード決済手数料が5%と少し高めに設定されています。有料プランを利用すれば3.6%に抑えることができますので、STORESで売り上げを拡大していきたい場合にはこちらがおすすめです。
Shopifyの導入事例は
ここまででShopifyの様々な特徴やメリット、他社サービスとの比較をしていきました。それではここからは実際にShopifyを導入した事例を見ていきましょう。
Shopifyの導入事例①
2013年にスタートしたパティスリー『DEL'IMMO(デリーモ)』のオンラインショップの事例です。商品ページでは、スタイリッシュなスイーツの写真が数点並び、原材料や商品のサイズ情報がスマートフォンでもPCでも見やすいよう設計されています。ユーザーが使いやすいシンプルなつくり、かつブランドのオリジナリティも訴求した良い例と言えるでしょう。食品系のオンラインショップをご検討の方は参考にしてみてください。
Shopifyの導入事例②
「名 / NA」はアニメ・漫画・映画・ゲーム等を取り扱ったライセンス商品を販売しているECサイトです。Shopifyの公式サイトによると、運営会社は「海外顧客への販売を考えて、Shopifyの導入を検討していたとのこと。このサイトを制作した「フラッグシップ合同会社」には「越境ECサイト運営に関するノウハウまでサポート」してもらったとのことです。SNSは、twitter・Facebook・Instagramと連携。支払い方法はPaypal、クレジットカード、Amazon Pay、Apple Payなどにも対応しています。