マイクロDX

酒蔵見学とECショップの関係とは?創業250年の今代司酒造がユーザ調査で見つけた方向性

海外のデザイン賞でも高い評価を受けているこの日本酒「錦鯉」を手がけるのが、今年で250周年を迎える新潟の酒蔵・今代司酒造(いまよつかさしゅぞう)です。
鯉がデザインされた華やかな日本酒を、雑誌やインターネットなどで見たことがある方もいるのではないでしょうか?

海外のデザイン賞でも高い評価を受けているこの日本酒「錦鯉」を手がけるのが、今年で250周年を迎える新潟の酒蔵・今代司酒造(いまよつかさしゅぞう)です。

今代司酒造は、錦鯉以外にもさまざまな新しい取り組みに挑戦し、2017年の売り上げは昨年対比150%を見込んでいるなど急成長を遂げているそう。今回はそんな今代司酒造の営業部部長の佐藤嘉久さんに、その急成長の中でどのようにWebを活用してきたのか?のお話を伺います。
※内容はインタビュー時点のものです。

創業250年。新潟市で日本酒をつくり続けてきた「今代司酒造」

今代司酒造が、大切にしているコンセプトは“むすぶ”。これには「今と古」「地方と都市」「人と人」という3つの異なる存在を、お酒を通してむすぶという意味があるそうです。このコンセプトには、今代司酒造が積み重ねてきた歴史が込められています。

日本酒の原料である米づくりが盛んな新潟。実は今代司が創業された1767年頃の江戸後期から明治初期の新潟は、北前船が頻繁に寄港していたため、人口は江戸よりも多かったそうです。その中で今代司も、日本酒の製造ではなく酒の卸し業や旅館業、飲食業を中心にして商売を行っていました。

時代が変わって、明治時代中期。今代司酒造は、今につながる酒造りを始めます。今代司酒造のある一帯は、阿賀野川のきれいな伏流水や、商品や原料の運搬に便利な地であるなどの条件が重なり、酒蔵以外にも、味噌蔵・醤油蔵などの発酵食の街として栄えていき、今代司酒造もその中で味を磨いていきました。

そして創業から約250年が経ち、今代司酒造の注目を一層高めたのが「錦鯉」です。日本の「グッドデザイン賞」をはじめ、世界中で20を超えるデザイン賞を受賞。酒質の面でも世界最大級のコンペティションである「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」でシルバーメダルを獲得するなど、日本のみならず海外からも高い評価を受けており、今代司酒造を象徴するような日本酒になっています。

東京のウェディングプランナーから、新潟の酒蔵の営業部長へ転身

今代司酒造で営業部長を務める佐藤さんは、もともと新潟県のご出身。高校卒業後は横浜の大学へ進学し、東京でウェディングプランナーとして就職します。そんな佐藤さんが、今代司酒造へ転職するきっかけは、米農家だった父親の姿だったと言います。

佐藤さん:転機になったのは、2011年に実家に帰った時のことでした。それまで農業に魅力を感じることはほとんどなかったのですが、そこで父が農業を本当に一生懸命やる姿に改めて気が付いたんです。でも、情報発信は上手ではない。そういう父のような人はたくさんいて、何か自分にできるんじゃないかと気がついたんです。

そして、これから情報発信をサポートするならばWebだ、と考えた佐藤さん。大好きだったウェディングの仕事を辞めて、東京のIT企業に転職。そこで自社メディアの運営や、Webディレクター、ECサイト運営のサポートなどを経験し、Webを使ったプロモーションの方法などを習得していきます。

その転職からちょうど4年ほどが経ったときに、実家の米農家をサポートすることを決意。東京のIT企業を辞め、新潟に戻ります。しかしせっかくやるならば米農家のことだけではなく、そのお米を使った他の事業にも関わりたいと考えたそう。そこで出会ったのが、今代司酒造でした。

佐藤さん: 日本酒は“お米自体の出来の良さ”が商品の品質にダイレクトにつながるんです。お米を使った商品は米菓などいろいろありますが、日本酒はまさに農家の仕事が、そのまま商品の出来不出来に影響が出るようなもの。それで、日本酒に興味を持ちました。その中で、今代司酒造はやっていることも先進的で非常に面白かったですし、情報発信にも力を入れ、ちょうどその少し前にはブランドデザインのリニューアルも行われていました。きっと裁量権が大きくて面白いんじゃないかと感じました。

そこから、現在は佐藤さんも入れて社員15名の今代司酒造へ営業部長としてかかわり始めます。

今代司酒造は、どういう方向性でWebを使っていくべきなのか?

今代司酒造は、酒蔵としては有名であったものの、ECサイトはまだまだ活用しきれていないと佐藤さんは感じていました。商品を購入できるECサイトをあったものの、そこで売り上げの創出にもっと貢献していくにはどうすればいいのかと考えていた時に出会ったのが、ソウルドアウトでした。

佐藤さん:例えば、当時から酒蔵見学には、多くの若い人も来てくださっていました。ところがWebサイトはスマホ対応もできておらず、まだまだ見学に来てくださる方にとっても、使いやすい状況にはなっていなかったのが現状です。そういう課題も含めて、そもそもどういう方向性でWebに取り組んでいくべきか?という指針を模索していた時に、出会ったのがソウルドアウトさんでした。

ユーザーインタビューの結果、オンラインショップユーザーの半分は酒蔵見学経験者と分かる

ソウルドアウトで担当をしたのは上席執行役員の長谷川智史と、SMB推進本部長であり、過去に新潟の営業所の立ち上げを行った葛谷篤志でした。2人は佐藤さんへのヒアリングを重ね、オンラインショップユーザーへのアンケートの実施を提案します。

例えば、ただ商品を買うためだけならば、他にも大手のショッピングモールなどといった購入方法があります。それでも今代司酒造のサイト見に来て、いつも商品を買ってくれる方はどういう方だったのか?を詳しくデータで取ろうと考えたのです。

早速、それを実行した佐藤さん。その結果は佐藤さんにとって衝撃的だったと話します。

佐藤さん:何よりも驚いたのは、商品を購入している人の約半分が、過去に酒蔵に来たことがあった方だったということです。ただこれは私の実感値に非常に近い結果でした。その結果を長谷川さんと相談し、まずはWebで目指すべき方向性は、酒蔵見学に来る人を増やす、と決めました。

というのも実は今代司酒造は、約90蔵という日本一の蔵元数を誇る新潟県内において、玄関口である新潟駅から最も近くにある酒蔵です。その結果、今でも毎日50名以上、年間で2万人以上が見学に来ており、日本のみならず海外からの観光客も含めて見学者数はどんどん増えているそうです。

そのためこのアンケートの結果とWebから酒蔵見学者を増やすという方向性は、佐藤さんにとってしっくりくるものでした。
佐藤さん:日本酒というのは嗜好品です。なのでマーケティング施策の中でも、「私たちの商品はもちろん、酒蔵自体が好きだ」と言ってくれるファンを大切にしていきたいと思っていました。今までいろいろな会社の方とお話してきましたが、ここまで腑に落ちる提案をいただいたのは初めてでした。

そのアンケートを踏まえ、佐藤さんは酒蔵見学に来る方に事前に登録をすると試飲できるお酒の種類が増えるという仕組みを設けました。そこで登録をいただいたファンの方には、見学に来ていただいた後にも、定期的にお酒のカタログなどを送るように。そこからオンラインショップの売り上げもどんどん伸びていったそうです。

他にも新規取引先の開拓や、積極的なイベント参加など、さまざまな取り組みを経て、今代司酒造の売り上げは、前年比200%を越える月も。さらに、前年の売り上げを約8ヶ月で達成するなど、大幅な成長を遂げました。

挑戦をつづける今代司酒造。日本酒の力でもっと新潟を盛り上げていきたい

今代司酒造は、他にもさまざまな新しい取り組みを行っています。2017年4月にはカルチュア・コンビニエンス・クラブの銀座蔦屋書店とコラボで「アートと楽しむ純米酒」という日本酒を開発、銀座の大型商業施設「GINZA SIX」での試飲・販売イベントも開催されました。

今後は、さらに代表が世界各地の港で採れる牡蠣を見て構想を思いついた牡蠣に合う純米酒「IMA for Pairing with OYSTERS」という、まったく新しいコンセプトの日本酒など、さらにさまざまなシーンで楽しめる日本酒をつくっていく予定だそうです。

最後に佐藤さんに、今後にかける想いを伺いました。

佐藤さん:お酒って面白いんです。お酒を語ることは地域を語ることにつながりますし、日本酒の原料のお米って本当に地域によって違うんです。僕たち今代司酒造だけではなく、もっと多くの酒蔵の方にWebや新しい取り組みを試していきたいと思ってもらえればうれしいですね。そういう各蔵の発信の積み重ねで、他の地域も含めて日本酒業界がどんどん元気になり、最終的にはお米やお酒の面白さを次の世代に繋げていければと考えて思います。

今代司酒造株式会社 http://imayotsukasa.co.jp/
今代司酒造オンラインショップ http://www.imayotsukasa.com/index.html

新潟駅から歩いていける酒蔵

日本一の蔵元数を誇る新潟県内において、玄関口である新潟駅から最も近くに蔵を構えております。

酒蔵を閉ざすのではなく、オープンにすることで、少しでも多くの方々がよりいっそう地酒に親しめる環境をご提供することに使命を感じ、日々皆さまをお迎えしております。

今代司酒造・酒蔵見学 http://imayotsukasa.co.jp/brewery/

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