プラットフォーマー研究

100年変わらない日本のモノづくり産業をDXで変革。町工場を支えるスタートアップ、キャディ

長らく日本の経済成長を支え、いまも日本のGDPの2割を占める製造業。120兆円をも占める部品調達の現場では、100年以上も目立ったイノベーションが起きていないという現実がありました。紙中心のやり取り、適正価格・適正発注に疑問符のつく調達の現場、相互依存にある受発注の関係。変わることなく続いてきた部品調達の製造現場にいま、DXによる変革の風が吹いています。

その中心にいるのは、「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、2017年に創業したキャディ株式会社。今回は、同社社長室長である芳賀 亮太氏に製造業が抱える課題とキャディが起こした変革、今後の展開、そして目指す未来について語っていただきました。

ざっくりまとめ

- キャディは、「特注加工品の受発注プラットフォーム事業」「ソリューションプロバイダー事業」の二つを展開。

- 若い経営者の共感を呼び起こしながら、これまで事業を展開してきた。

- コロナ禍、業界不況に陥ったパートナー企業の技術を、キャディの仲立ちで需要の高まる業界に活用。

- アジアでの製品調達に向けた準備、着々と。日本のモノづくりを世界につなぐ足掛かりに。

- 2030年に1兆円のプラットフォームを目指す。

製造業が抱える「負」をテクノロジーで解決したい

――まずは、ビジネスモデルについてお聞かせください。

キャディは、製造業における「特注加工品の受発注プラットフォーム事業」を展開しています。特注加工品とは、特殊な加工を必要とする小ロットの製品を指すのですが、我々はこうしたオーダーに対し、板金から切削、表面処理といった一切の加工を行い、お客さまに納品しています。流れとしては、お客さまからお預かりした、ときに数千にも及ぶ図面を当社のシステムで読み込み、我々が持つアルゴリズムをもとに原価計算し、これをベースにお見積もりを提出して受注します。製造に関しては、我々が“パートナー企業”とお呼びする、全国の加工会社のなかから最適なサプライヤーに分散発注し、最終的にお客さまに納品します。

プラットフォームビジネスと聞くと、売り手と買い手をつないでマッチングするだけと思われがちですが、我々はパートナー企業がお客さまの求めるものを適切に納品できるよう、QCD(クオリティ:Quality、コスト:Cost、デリバリー:Delivery)を管理しています。納期を含め、責任を持ってマネージしていますので、お客さまからするとファブレスメーカー(自社工場を持たず、製造業の活動を行う企業やビジネスモデルを指す)のように見えるかもしれません。ちなみに、お客さまは当社から製品を買い、パートナー企業は当社に製品を売る、という構図です。

なお、直近では、当社が受発注プラットフォーム事業を行うにあたって開発し、知見・ノウハウを積み重ねてきたソリューションを、事業者さまに提供することも始めています。バリューチェーンの起点である「設計」からテクノロジーを入れるのみならず、お客さまの業務の全プロセスに我々のテクノロジーを組み込んでいただくイメージです。製造業のDXに寄与できることから「ソリューションプロバイダー事業」と呼んでいます。将来的には、お客さまが設計する段階から、製造コストや調達先、品質を担保できる世界を目指しています。ワンクリックすれば、すべてのプロセスを経て完成品が届くところまで担いたいと思っています。

――御社が製造業の分野で起業した理由をお聞かせいただけますか?

代表の加藤は、学生時代から起業家を目指しており、大学卒業後は外資系コンサルティング会社に就職しました。そこでは製造業の“少量多品種”といわれる、現在の当社が扱う領域の調達改革プロジェクトに携わっていました。加藤は、この領域にある多くの負を目の当たりにしてきたと言います。たとえば、調達です。日本にはたくさんの加工会社があり、得意分野もそれぞれ異なります。さらに、少量多品種の世界は膨大な図面であふれかえっており、発注側の担当者がすべてを適正にさばくことに限界があります。

一方、加工会社側は、少量多品種になるほど発注先と従属関係になりがちです。売上の50%以上を特定企業に依存しているケースも珍しくありません。そうなると「とある業種にはすごく強いものの、他業種はさっぱり分からない」ということが起こり、取引先も固定化してしまいます。さらには「いままで付き合いがあるから」と不得手なものを発注されるケースもあり、お互いにとって生産性の悪い事態も生まれているんですね。加藤はこうした課題を解消できるビジネスを立ち上げることに意義があるのではないかと考え、共同創業者となる小橋(CTO)とともにビジネスアイデアを膨らませていきました。小橋は、加藤の学生時代からの知り合いであり、スタンフォード大学・大学院にて電気工学を学んだ専門家です。ロッキード・マーティンやアップルで開発者として働いていた経験から、モノづくりにもテクノロジーにも明るい人材です。この二人によって、キャディは生み出されました。

町工場とともに成長し、モノづくりを盛り上げていく

――パートナー企業にはいわゆる町工場が多く、職人気質の方もいらっしゃるのでは。デジタルへの抵抗感などはいかがですか?

多少はおありだと思います。ただし、テクノロジーを扱うのは、現状、当社内であり、パートナー企業とのやり取りの多くは人が介入しています。

パートナー企業にお願いしているのは、専用ポータルサイト上での、製品の仕様や金額、納期といった基本情報の管理です。普段パソコンに触れない方でも操作しやすいようUI/UXにも工夫を凝らしています。ここには該当図面や工程管理シートもご用意していますが、その使い勝手を知った方は一様に「これは便利だね」とおっしゃいます。というのも、図面や管理表といった資料は、これまで紙で管理されていたり、メールに添付されたままだったり、フォルダに格納していても探すのに時間がかかったりされていたようで。一方、ポータルサイトではクリックするだけで呼び出すことができます。一度触っていただければ、その使いやすさに気づいていただけるケースは非常に多いですね。

また、パートナー企業のなかには、先代から継いだり自分で起業したという30~40代の経営者が多くいらっしゃいます。「キャディと一緒に伸びていきたい」「モノづくりを盛り上げたい」と、我々のビジョンに共感してくださる方ばかりで、テクノロジーに対する関心も強くお持ちです。

――それは心強いですね。

当社社員の多くが製造業以外のバックグラウンドを持つことに対しても「何か付加価値を生んでくれるんじゃないか」と期待してくださっており、お互いに刺激を受けながら、ここまで事業を進めてきました。

特定一社だけの技術を他業種でも活用。パートナー企業のポテンシャルを広げる

――コロナ禍のもとで2年が経ちました。製造業への影響をどのようにみていますか?

人が移動しなくなったことで、特に航空産業はご苦労されているように思います。機体メーカーはもちろん、そこから発注を受ける日本企業も需要が落ち、厳しい経営を迫られています。実際、売上が半減したという話をパートナー企業からも伺っています。別の視点では、サプライチェーンの分断が起きています。コロナ禍でものが運べないという事態ですね。製造業界は一社一社が強固にひも付いた関係にあるので、A社とB社の取引が分断するとB社の代わりがいなくて、そこで調達がストップしてしまいます。これも柔軟性がないという旧来の課題が起こした結果といえるでしょう。

一方、好調なのは食品用機械です。誰もが自宅で飲み食いし、買いものに行く回数も減ったため、冷凍食品の売上が伸びていますが、ここもたどれば、それをつくる機械の需要が高まっています。このようにエンドユーザーの行動によって濃淡が出ていると感じます。

――ちなみに、コロナ禍で需要の足りない技術を、供給の間に合わない業界に活用する動きはあったのでしょうか?

板金技術を医療機械や空気清浄機の製造で活かされた事例がありました。航空業界の切削技術も然りです。コロナ直後は、これまでの供給体制では需要に追いつけず、異業種が力になる動きがみられました。

――キャディでは、この間を取り持つこともされているのですか?

そうですね。コロナ禍以前からですが、業界を横断して需給の波をならす役割をキャディは担っています。我々はこれを「リバランスする(再分配)」と言っています。

パートナー企業が口々におっしゃるのは「技術力はあるものの、特定の業界とのみお付き合いしてきたので、営業力を磨かずに来てしまった」というものです。発注側でみても、加工会社が持つ強みと畑違いの案件を依頼することが最適とは思えません。これをキャディがリバランスして解消することは、業界にとって意味があることと考えます。

――パートナー企業にとっては「実はこういう分野も得意だったんだ」といった気づきが生まれることもありそうですね。

それもありますね。「前から関心はあったけれど、実際やってみてできることが分かった」というのはもちろん、職人さんの技術レベルの向上もみられます。いろいろな業界の案件を手掛けることは品質アップにつながるんですよね。他業界を知ることで比較ができますし、強みにも課題にも気づけます。こうした好循環につながる取り組みは業界にとっても大きなメリットです。

――キャディが提供するサービスについて、お客さまやパートナー企業からは、どのような声が聞こえていますか?

発注側にとって、深刻な問題の一つが「キャパシティあふれ」です。これは、受注側の能力を超える依頼をした結果、加工会社が製品をつくり切れず、販売の機会損失につながる、というものです。発注側は決まった加工会社とばかりお付き合いしているので、その会社では余る部分を別の加工会社に、というフレキシブルな対応が取れません。その点、キャディはパートナー企業の強みやQCDのデータのもと、分散発注をかけることができます。いつもキャパシティあふれに悩まれていたお客さまから「キャディさんがいてくれたから、納期までに調達できた」「最適な加工会社さんに出会えた。コストダウンにもつながってうれしい」というのは、よくいただくお言葉です。

一方、パートナー企業ですが、我々が業界をまたいだ案件をお持ちすると、やはり喜んでいただけますね。一社依存のため、その取引先の景気に売上が左右されることを課題にする加工会社が多いなか、売上の増加のみならず、売上の分散につながっていますから、経営が安定することに何よりご満足いただいています。

モノづくりのポテンシャルを日本から海外へ

――海外展開については、どのような構想をお持ちでしょうか?

日本の製造業はグローバル化しているものの、調達の最適化はこれからです。キャディは日本国内同様、この部分のお手伝いをしたいと思っています。我々がこれまでのお取引を通じ、お客さまのご事情に精通していることも優位性になると考えています。これを実現できれば、今度は海外のパートナー企業を介し、海外のお客さまへと拡大することにもつながります。

――すでに視野に入れている国はありますか?

まずはアジアです。文化的に親和性があり、プロセスを重視しながら高いクオリティを発揮してくれる国を想定しています。すでに現地での展開に向けた準備も本格化しています。

その後は、米国、そして欧州へと規模の拡大を考えています。日本以上に成長性の高い市場が海外には多くありますから、日本のパートナー企業の強みを売り込み、海外の需要を獲得する動きも出てくると思っています。そのためにも国内のポテンシャルをしっかり引き出していきたいですね。海外調達は、日本のお客さまの調達を最適化することにつながります。これも一つの日本の「モノづくり産業のポテンシャルの解放」です。バリューチェーン全体を俯瞰しながら、ゆくゆくは世界市場を舞台に新たな挑戦をしていきたいです。

――いまのお話もまさにそうですが、日本の製造業の未来にどのような貢献をしていきたいとお考えでしょうか?

キャディは、一社一社の強みを適正に評価し、各社がその強みをいかんなく発揮できることが、最適なバリューチェーンの構築につながることを信じ、「2030年に1兆円のプラットフォームをつくる」という『ビジョン2030』を掲げ、進む最中にあります。引き続き、テクノロジーを通じ、お客さま、そしてパートナー企業の双方に貢献するサポートを行っていきます。

お客さまからは「調達だけでなく、製造プロセス全体の改革も一緒に」という声も年々高まっています。しかし、こうした大きなことは、当社だけでは実現できません。いろいろな会社とタッグを組みながら、業界をよくする一助をこれからも担っていきたいです。

――テクノロジーに長けたキャディの人材をパートナー企業に派遣することも考えられそうですね。

まさに当社がやりたいことの一つです。日本は高度経済成長期にたくさんの方の努力のもと、モノづくり産業の礎を築いてきましたが、それから40年が経ったいま、モノづくり人材の多くはITの分野に流れています。しかし、製造業にもこの10年で新たな変化がみられています。「製造業っていいよね、面白いよね、熱いよね」と思う人の存在が業界を強くします。製造業のバリューチェーン全体を見渡す我々のような立場から、リソースの提供や仕組み化の提案をどんどん進めていきたいですね。
芳賀 亮太
キャディ株式会社 社長室長

東京大学大学院の工学系研究科航空宇宙工学専攻を卒業後、三菱商事にて自動車事業の海外展開に従事し、Harvard Business School にてMBAを取得。外資系投資ファンドのカーライルでヴァイス・プレジデントを務め、2021年よりキャディ入社。現在は社長室長として経営管理と資金調達を担当。自社の経営の健全性や収益性を確保し、顧客・パートナーのサクセスに繋げるための分析・施策実行を行う。対投資家へはエクイティ・ストーリーを構築し事業拡大に向けた出資を募る。

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