さらに活躍の場が広がる「オンライン学習」を考察!
2020/5/8
また研修の一部や社員教育用に、「現場でできる教育」とし、オンライン学習(e-ラーニング)システムを導入する企業が多くなりました。今回はこのオンライン学習について紹介します。
オンライン学習とは?
教材についても、アニメーションや動画を活用したものなど、視覚的に楽しく学べるコンテンツが登場しています
オンライン学習のメリット
(受講側)
1. 時間や場所の制約がなく学習できます。
2. 個人のペースで学習できます。
3. 楽しみながら学習できます。
4. 進捗状況や結果をすぐに確認できます。
ネット環境があれば形態も自由に選択でき、時間・場所・進捗状況など、個人のペースで学習できます。目で見て耳で聞いてと感覚を使うことで、単調性がなくなるでしょう。現在の学習状況や結果をすぐに確認できるので、次のステップを考えやすくなります。
(提供側)
1. 学習者側と同一の時間・場所を共有することが不要です。
2. 同じコンテンツを繰り返すことが不要です。
3. 学習側の成績を自動管理できます。
4. コンテンツのアップデートの対応が容易に行えます。
提供側にかかる時間や労力の負担を、大きく軽減します。
オンライン学習の考えられるデメリット
<モチベーションの継続>
制約がなく、個人のペースで進められるので、学習側の集中力の維持が難しくなることがあるでしょう。基本ひとりで行うため、講師や学習者同士の交流がないのも要因になります。
(対策)学習者がゲーム感覚で学習できるゲーミーフィクションの活用やSNSを組み入れるなど、やる気を出させる工夫をしましょう。
<実技指導には不向き>
実技を必要とする学習では、内容が伝わりにくくなります。
(対策)ライブ感が持てるよう、マイク・Webカメラなどを使用すると、遠隔フォローが行えます。
<インターネット環境の確保>
インターネット環境、インフラ整備が不十分であると、学習プログラムを受講できないという大きな問題があります。
(対策)タブレットやスマートフォンのようなモバイル機器にも対応するプラットフォームを作成しましょう。
<コンテンツ制作>
学習プログラムの動画やテストなど、コンテンツの制作に時間と手間がかかります。
(対策)サンプルをダウンロードできるサービスを利用したり、コンテンツ作成専門の会社に委託したりすることも解決策の1つです。
オンライン学習のトレンド
アクティブラーニング:これまでの知識学習から体験学習が求められています。
モバイル端末対応型
現在はスマートフォンやタブレットの性能・環境も日々進化し、さまざまな環境で便利に使用されています。以前は、ネットと言えばほとんどパソコンが基本となっていましたが、時間や場所の制約なく学習できるメリットから、モバイル対応での学習手法の需要が高まっています。コンテンツを用意する際にも、モバイル端末対応は必須条件となっています。
ゲーミフィケーション型
「ゲーミフィケーション」とは、本来のゲーム以外のコンテンツに、ゲーム性のあるデザインや要素を盛り込むことです。ゲーム感覚で楽しく学習が進められて、集中力を維持・やる気を高める効果が期待できます。
企業で求められるオンライン学習とは?
社会人・企業人として守らなければならないコンプライアンスのような受講必須のコンテンツこそ、オンライン学習で行うという傾向があるようです。好きなタイミングで効率よく社員教育が行えるツールとして、需要が高まっています。
社内教育の必要性
これまでの社員研修は、講義型の集合で行われるものでした。これではグローバル化やテクノロジー化が進む社会では、対応が難しくなってきています。
それは社員に必要とされる情報量が多くなったことにあります。個人情報管理・情報セキュリティ・コンプライアンスなど、情報化社会における管理能力も必要とされている中、スピーディーに研修を行えるシステムが求められています。
また社員の人材像の把握にも役立ちます。現場業務にはOJT研修が主流でしたが、これでは社員の知識確認の検証が難しくなります。この時代に求められるスキルアップを自ら行う体制が必要になります。
オンライン学習は、情報伝達や知識・スキルの検証管理も一括で行えるので、業務の効率化を図ることができます。
企業でのオンライン学習導入のポイント
コンテンツ
・長々とダラダラ続くコンテンツは、学習者のモチベーションを下げてしまう可能性があります。飽きさせないよう、コンテンツは短く、内容を凝縮しましょう。
・内容を映像化やアニメーション化することで、実技効果も伴い無機質なコンテンツの解決策になります。
運用
・インタフェース機能で操作が簡単なものであれば、継続的な利用が可能になるでしょう。
・統括的に情報管理をすることで、さまざまなデータを抽出し、役立てることができます。
OJTと連携
・OJTとオンライン学習との連携が、教育効果をアップさせます。
例)新入社員研修と中堅社員教育のすみ分け、新人研修のレベル確認と集合研修でのコラボなど、臨機応変に活用できます。
事例から見るオンライン学習による人材育成
企業でのさまざまな導入のきっかけを紹介します。導入検討の参考にしてみてください。
【サービス業:放送局】
(導入のきっかけ)
少人数で多くの業務に取り組んでいるため、非常に忙しく、集合研修で一堂に集まることが難しいという事情があります。また、番組の放送時間によって社員の出勤時間が異なることも、集合研修の実施を難しくしています。 そうした中で、会社として覚えて欲しい知識をどのように身につけてもらうかが大きな課題でした。その解決策として導入
【製造業:電気機器メーカー】
(導入のきっかけ)
基本的には自己啓発に有効と考えていますが、必修コースを設定して階層別研修と連動させることも行っています。今年度からは階層別研修の中で、特定の層のレベルアップにも導入されました。弊社のように日本全国や海外に拠点がある場合、教育の機会を平等に設け、学習レベルのバラつきをなくすことができるeラーニングは、重要な学習手法の一つです
教育の現場でのオンライン学習とは?
ICT教育とオンライン学習
文部省でも推進されている「ICT教育」は、インターネットを活用し、パソコンやタブレット端末などを利用する教育手法の1つです。
その目的は、理解しやすい体験授業を可能にすることと、将来求められるスキルへの対応です。ICT教育は、膨大な情報を活用する能力、自分で工夫して創造する能力を養うための教育です。時代のニーズに沿った質の高い教育が実現したものと言えるでしょう。
オンライン学習は、ICT教育を引き継いだ学習プログラムになっています。
オンライン学習に必要なネット環境
オンライン学習で必須になるインターネット環境ですが、タブレットやスマートフォンに対応しているプログラムを用意することで解決できます。
また、現在はWi-Fiも充実しているので、自宅でインフラ環境を整えるという策もあります。
教育現場でのオンライン学習おすすめ教材
学習教材選びのポイントは、年齢や学力、学習目的に合ったものを選ぶことです。
【すららネット】:クラウド型学習教材
インターネットを介し、ゲーム感覚で学習できます。学校での予習や復習、自身の学力に合った受験対策にも使えます。
【リブリー】
デジタル化した教科書や問題集などを、スマートフォンやタブレット端末を使って利用します。
【ワンダーラボ】
STEAM教育分野でも使える教材を提供しています。迷路やパズルゲームなどの知育アプリで思考力を養う知育教材アプリです。
場所や時間選ばす学習できる「オンライン学習」
企業での人材教育や教育の場で効率的に学習できるツールとして、オンライン学習は今後ますます重用されていくでしょう。社会のインフラ環境も優れた対応が実現しています。自分の進捗に合わせ、時間や場所の制約を気にすることなくスキルや知識を身に付けることができます。
オンライン学習は、IT社会の発展とともに、今後さらにニーズに合わせ進化し続けるでしょう。企業でも家庭でも、導入を検討してみてはいかがでしょうか。