「動画配信市場調査レポート2020」が発刊 2019年の動画配信市場規模は、前年比約126%と推定される
2020/4/27
一般財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAJ)は、『動画配信市場調査レポート2020』を発刊した。本レポートは動画配信市場の実態把握のためにDCAJが独自で調査した結果をまとめたもの。
また、今後の市場規模の予測では、市場規模が一定のキャズムを超えたことで定額制サービス(SVOD)が引き続き拡大することが見込まれることや、映像ソフトのセル・レンタル市場の落ち込みをカバーする形で、都度購入(EST)、都度課金サービス(TVOD)の拡大が期待されること、5Gによるサービスの普及といった環境変化が及ぼすライフスタイルの変化を踏まえ、2024年には3,440億円まで成長すると推定した。
■動画配信市場の市場規模推計(単位:億円)
今回の調査の結果、2019年の動画配信市場規模は、2,770億円(前年比約126%)と推計した。2018年は新規だけでなく既存も含めたサービス事業者によるテレビCMを中心とした広告宣伝の影響や見逃し配信の浸透などにより、動画配信サービスの認知と利用は更に向上し市場は順調に拡大した。2019年も定額制見放題サービス(SVOD)を中心に市場は大きく伸長した。
引き続き事業者間の競争は激しさを増し、各社ともにオリジナルコンテンツの拡充やテレビドラマと連動した配信オリジナルストーリーの投入など、サービスの差別化にしのぎを削っている。継続的な広告投下による認知向上に加え、無料配信サービス(AVOD)が浸透してきたこと、またコンテンツホルダーと通信キャリアやCATV等の連携施策などにより、新たなサービスに比較的慎重な顧客が流入することで、動画配信市場はアーリーマジョリティ層まで広がりを見せ、過去最大の成長となった。
2024年には、市場規模は3,440億円まで成長すると推定
今回の調査では、2024年までの市場予測が行われた。市場規模は今後も増加基調をたどり、2024年に3,440億円になると推定。今年も引き続き大手コンテンツホルダーによる新規サービスの開始が発表されており、事業者間の熾烈な競争が続くことで、恒常的な魅力あるコンテンツの提供、更なるユーザビリティの向上が見込まれる。
また、3月に通信キャリア各社による5Gの商用サービスがスタートした。昨年、スポーツ配信を中心とした実証実験が話題となったが、新たな通信環境の整備が進むことでXR技術を活用した多様なライブ配信の広がりに期待が寄せられる。さらに、データ通信量無制限プラン利用者の増加が見込まれることや、動画コンテンツを楽しむ環境が向上することで、定額制見放題サービス(SVOD)のみならず、都度購入(EST)、都度課金サービス(TVOD)の利用機会が広がることも想定される。これらを受け、動画配信サービスのユーザーの選択肢は更に広がり、動画配信の視聴習慣の定着がうかがえることから市場は順調に拡大すると推計したとのことだ。
※動画配信の定義
動画配信とは、インターネットやケーブルテレビなどのネットワークを経由し、ユーザーが観たい動画コンテンツを好きな時に視聴することができるVODサービス(Video On Demand)に加え、新しいジャンルとして立ち上がっているライブ配信(リアルタイム動画配信)サービスも、本レポートでは動画配信市場として定義されている。
※本レポートにおける動画配信の範囲
本レポートでは、有料の動画配信サービスを対象とし、その市場規模は2019年1月~12月までにユーザーが支払った代金の総額としている。本市場規模には、動画配信事業者が得る広告費は含んでいない。
書誌情報
品 名: 動画配信市場調査レポート2020
制作・発行: 一般財団法人 デジタルコンテンツ協会
仕 様: A4 113頁
発 刊: 2020年4月23日
価 格: 定価12,000円(+税)
販 売: SPIインフォメーション
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