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アドビ、デジタルと紙それぞれのメモの同期を可能にする複合現実技術プロジェクトを公開 デジタル版と紙版の格差解消を目指す

アドビシステムズ株式会社は、2020年4月23日に公開された複合現実に関するブログの抄訳を公開した。
年に一度、世界中のアドビオフィスの21,000人以上の従業員を対象に、ある募集がおこなわれる。エンジニアやデータサイエンティストからUXデザイナー、プロジェクトマネージャーまで、アドビの社員なら誰でも、オンラインとリアルの両方でブランドと顧客の関わり方を進化させる革新的なアイデアを発表できるチャンス、「Summit Sneaks」への出場権だ。

AI(人工知能)や複合現実(Mixed Reality)をはじめとする最新テクノロジーを活用した数多くの応募プロジェクトは、最終的に7つにまで絞られ、Adobe Summitで公開される。長年にわたり、Sneaksはアドビの中核的なイノベーションエンジンであり続け、分析におけるAIアシスタントやWebレイアウトの自動パーソナライゼーションなど、製品の機能として結実してきた。この記事では、バーチャル開催された、Adobe Summit 2020で公開されたSneaksプレゼンテーションのひとつを紹介する。

今回紹介するのは「#ProjectDuallyNoted」。デジタル文書と紙文書双方でフィードバックや注釈の挿入を簡素化し、あらゆる場所におけるリアルタイムでの共有を実現できるAdobe Document Cloudの新しい複合現実(Mixed Reality)だ。私たちは私生活でも仕事でも、同じ文書を様々なプラットフォームで閲覧している。家のノートPCやデスクトップPCで閲覧したPDFを、移動中にスマートフォンやタブレットで再度確認することもある。

時間や場所を選ばない電子文書の閲覧、署名、書き込みは、今では当たり前の機能となった。一方で、一旦紙の文書に書き込まれたメモをデジタル版としてシェア、更新するのは、不可能ではないにせよ非常に手間がかかるという課題もある。

■デジタル版と紙版の格差解消

たとえば、教師が生徒に配布する教材にメモを書き込みたいとする。その場合、Adobe Document Cloudのコメント機能などの標準ツールを使えば、教材のPDF版にメモを追加できる。書き込まれたメモは、生徒が紙の教材に携帯電話をかざすとAR(拡張現実)機能が起動し表示される。生徒がアイデアを先生や他の生徒に伝えたい場合、電話に向かって話すだけで教師や他の生徒はその発言内容がテキストとして見られる。これらすべてを、世界中の10億台のデスクトップ、モバイルデバイスにインストールされているAdobe Acrobat Readerで行えるようになる。

この新たなAR・各種デバイス・文書の組み合わせは、無数には至らずとも非常に多くの実務を効率化できる可能性を秘めている。ややこしい患者のカルテの整理から、非常にわかりにくい契約書・請求書・明細の解釈、世界中のブッククラブメンバーとの意見交換に至るまで、あらゆる文書プロセスを改善できる。

■アドビのイノベーション

本プロジェクトは、アドビのイノベーションの一端。米国ブラウン大学で博士号の取得を目指しているアドビのインターンのJing Qian氏が、デジタルと紙の連携に役立つ方法を模索するためのブレインストーミングで、自らが深い関心を持つARの活用を思いついたことが発想のきっかけだったという。

■まだまだ紙人気は健在

デジタル文書での連携をとても手軽に実現できるようになった一方で、紙の文書を持ったり読んだりしたい人がまだまだ多くいるのも事実だ。ページの端を折ったり気に入ったページの隅に書き込んだりしたい人もいる。それにも関わらず、デジタルと紙の世界は、双方間でのアイデア共有が不可能な、切り離されたものとして今日まで存在してきた。ただし、デジタルと紙の世界をつなぐこのプロジェクトが実現するかどうかはまだわからないという。

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