Webカメラやスマホカメラの画像から集中度を判定するAIが開発 オンライン授業での生徒の様子を把握できるように

株式会社ユーザーローカルは、オンライン授業を受ける生徒が集中して受講しているかを測定する人工知能を開発したと発表した。学生・生徒側PCのWebカメラやスマホカメラの画像をもとに授業への集中度を判定するディープラーニングAI技術により、教師は生徒ひとりひとりの様子を定量的に把握できるようになる。オンライン授業ならではの特性を活かして各受講者の集中度や関心度合いを可視化することで、質の高い授業の実現を支援するという。

新型コロナウイルスの感染拡大により、密閉・密集・密接のいわゆる「3つの密」を避けるために、全国の学校や学習塾といった教育機関では、分散登校やオンライン授業の導入が進んでいる。また、企業においてもテレワークや時差出勤などの対策が取られ、新人研修をはじめとした社員育成の場もオンライン対応している。しかしながら、自宅や自室で受講するオンライン授業は教室での授業と異なり、個々の受講者が集中して聞いているかどうかを教師や講師側が把握しにくい、という弱点がある。

そこでユーザーローカルでは、オンライン授業配信システム事業者向けに、ディープラーニング技術によるオンライン講義集中度計測AIを開発したとのことだ。講師側が、生徒の集中度を手軽に把握できる環境を用意することで、オンラインでも生徒が集中して臨める質の高い授業の実現を目指すという。このシステムは、既存のオンライン授業配信システムにJavascriptタグを埋め込むだけで、手軽に集中度を計測できるようになっている。具体的には、ディープラーニングによる視線予測、表情認識、姿勢推定、物体検出、人物検知といったAI技術を組み合わせて授業中の生徒の様子を統計的に観測する仕組みだ。また、プライバシーにも配慮し、顔部分をマスキングすることが可能だという。

このシステムで得られた生徒の集中度データをもとに、授業態度と成績との因果関係や、教師・講師別の特徴(授業の満足度)の調査や、「集中力が続きやすいタイプか」といった各生徒の個性を把握するのに役立てることもできるとのことだ。
出典元:プレスリリース

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