「企業のDX実現に向けた課題とコロナ前後の意向に関する調査」が発表 デジタル上で完結できる仕組みが求められる結果に
2020/6/25
株式会社INDUSTRIAL-Xは、「企業のDX実現に向けた課題とコロナ前後の意向に関する調査」を行い、結果を発表した。本調査は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う企業のDX推進への影響を明らかにし、企業経営に資するデータを提供することを目的に実施したという。
■調査結果
DXへの取り組みのねらい、最も多いのは「コスト削減」。DXの取り組みとして「コスト削減」「リスク回避」「品質・操業改善」をねらっているという回答が上位となった。コロナ前後の比較では、「リードタイム短縮」がコロナ後6ポイント上昇。コロナ禍による部品納品の遅れや、物流需要の高まりによる遅配の影響もあり、意識が高まったと考えられる。その他の項目は、コロナ前後で大きな差は出なかった。
コロナ禍前後で、企業のDXを推進する上での課題に変化はないが、「ビジネスがコロナ禍前に戻らない」という新たな課題を感じているという回答が14%となった。 DX推進における課題の上位は「効果や目的が不明」「目指したい姿が不明」「進め方やアプローチ方法が不明」「人員がいない」となった。課題に大きな変化はないものの、そもそも何のために取り組むのか、何を目指すのかという部分に課題を感じているようだ。 DX推進上の課題について、約半数が「自社内で課題解決を図っている」と回答。コロナ禍後は「取引先と相談」という回答が増加した。
DX推進において、産業領域で「社員や顧客の健康・衛生管理」の重要性が高まる。コロナ禍後は「進め方やアプローチ方法が明確になっている」「社員や顧客の健康・衛生管理に配慮できている」の回答が上昇。コロナによりDXのニーズが高まり、推進するための具体的な手法や、社員の健康・衛生管理などへの意識が高まったことが伺える。健康・衛生管理については金融・保険業、製造業、農林漁業、医療福祉、保険といった業種が重要だと回答している。いずれも人と人が接触する可能性がある産業領域であり、コロナ禍の影響の大きさを感じさせる。「データ・セキュリティ対策」については、コロナ禍後は全体の62%が重要と回答した。リモートワークやWeb会議など、データを社外で扱う機会が増えた企業も多いため、セキュリティ対策への関心が高まったと考えられる。また、今回の調査の特筆すべきポイントとして、事前の想定通りで回答者全体の約60%がコロナ前の状態にビジネスが戻らないことを懸念していることがあげられる。
今後の検討事項として「リモートで DXを推進できる仕組み」「各拠点の仕事現場の様子をオンラインで一括管理把握できる仕組み」の回答が上位となった。コロナ禍後はリモートやオンラインで完結できる仕組みが求められていることが分かる。非対面でDXが推進できる仕組みや、遠隔地の設備、人の稼働状況をオンラインで一元把握・管理できる仕組みなどの需要は今後さらに高まると予想できる。
調査名称:「DX実現に向けた課題とコロナ前後の意向調査」
調査内容:企業のDX実現における課題や重要指標、コロナ後のDXへの意向状況を明らかにする
調査手法:インターネット調査モニターを用いたインターネット定量調査
調査時期:5月28日〜6月1日
調査対象:「主任・係長」以上の役職に就く社会人で、大手・中堅・中小企業ごとに100人ずつ集計(N=300)