トイレ個室内へ広告配信するサービスが商用化に向け実証実験を開始 IoTを活用し、混雑状況と連動する

株式会社バカンと、東京建物株式会社の2社は、オフィスビルなどのトイレにおいて、IoT(モノのインターネット)を活用して検知した個室の混雑状況や個室内滞在時間状況と連動し、個室内に広告を配信するサービスの実証実験の取り組みを開始すると発表した。本サービスの広告は、パーソナルな空間への配信で高い到達率を見込んでおり、2020年秋頃の商用化を目指すという。

本サービスでは、バカンが展開しているトイレ向け混雑抑制IoTサービス「AirKnock(エアーノック)」を改良した「AirKnock Ads(エアーノックアッズ)」を用いる。AirKnock Adsでは、トイレ個室の壁面に10インチのタブレットを設置。個室の利用が始まると約30秒の動画広告を複数本再生する。トイレ全体が混雑している場合などは再生本数を制限し、代わりに個室外の混雑状況や個室滞在時間を表示することで、個室内の長時間滞在者の自主的な退出とトイレの待ち時間の低減を図る。個室の利用状況は、個室ドアなどに設置したセンサーなどを用いてデータを取得、判定する。
出典元:プレスリリース
今回は、東京建物が運営する1フロア約1,500坪のメガプレートを持つ大型オフィスビル「中野セントラルパークサウス」の数フロアにAirKnock Adsを設置する。
出典元:プレスリリース
バカンは、IoTとAIを活用して、トイレのほか商業施設や飲食店など、あらゆる場所の空き状況を検知し、情報配信するサービスを提供している。トイレ個室への動画広告配信は、高い到達率やターゲティング精度が期待される一方、昨今課題となっているトイレ混雑の助長が懸念され、商用化が難しい領域だった。今回の実証実験では、バカンがこれまでに蓄積してきた技術やノウハウから生み出した特許技術(出願中含む)を多数用いることで、それらの困難を解消しているという。今回の実証実験を通じ、バカンは個室内への広告配信に関する知見やノウハウを蓄積し、サービスを改良の上、2020年秋頃の商用化を予定しているとのことだ。

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