東芝、6年先までの生活習慣病リスクを予測するAIサービスを提供開始 人間ドック受診後の生活改善指導などに活用

株式会社東芝と東芝デジタルソリューションズ株式会社は、健康診断結果から生活習慣病発症のリスクを6年先まで予測する疾病リスク予測AIサービスの提供を開始したと発表した。

疾病リスク予測AIは、SOMPOホールディングス株式会社と共同開発したものだ。本AIについては、リゾートトラスト株式会社のグループ会社が運営支援する医療法人社団ミッドタウンクリニックと、人間ドック受診後のレポートに本AIを用いた疾病リスク予測結果を掲載するといった取り組みをしており、そのような実績をふまえて、本AIをサービス化するに至ったという。疾病リスク予測AIサービスは、SOMPOひまわり生命保険株式会社が7月14日からサービスを開始する「Linkx 健康トライ(リンククロス 健康トライ)」の機能の1つとして採用されたとのことだ。

■背景

生活習慣病は、医療費の増大や企業における従業員の生産性低下などにつながることから、近年、個々人が自身の生活習慣の改善や健康増進を図り生活習慣病を予防することを目的に、発症リスクの把握に対するニーズが高まっている。さらに、新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子に糖尿病、高血圧、肥満、慢性腎臓病などが挙げられており、生活習慣病の予防や改善に対する重要性が増してきている。

■疾病リスク予測AIサービスについて

そのような中で、東芝グループは、産業分野で培ってきたAI・ビッグデータ解析技術や、国内外の大学などと共同研究してきたヘルスケアデータマイニング技術を応用して疾病リスク予測AIを開発した。本AIは、研究協力機関などの匿名化した大規模な健康診断データを用いた学習と、独自手法による最適化により、6年先までの糖尿病発症リスク予測で90%以上の精度を達成しているという。医療法人社団ミッドタウンクリニックでは、人間ドック受診後の面談時に、本AIを用いた予測結果レポートを提示することで、生活改善指導に活用している。

今回提供する疾病リスク予測AIサービスでは、1年分の健康診断データから、糖尿病・高血圧症・肥満症・脂質異常症・肝機能障害・腎機能障害の6つの生活習慣病リスクについて、6年先までの予測結果を提供する。SOMPOひまわり生命保険株式会社では、本サービスを活用して、契約者が、自身の予測結果をスマートフォンのアプリから参照し、日々の健康改善活動をサポートするサービスを開始している。

また、これらの他にも、企業、健保、自治体など団体の予測結果を分析し、健康経営や地域住民の健康増進の推進に活用する検討も進めている。これにより利用者は、将来にわたり高い精度でのリスクの可視化が可能となり、利用者自身の健康意識の改革、生活習慣の改善につなげることで、健康増進に役立てることができるとのことだ。
出典元:プレスリリース

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