IoT技術を活用した、介護施設や医療施設向け「見守りシステム」を提供開始 現場スタッフの働き方改革を支援
2020/7/27
株式会社日立システムズは、介護施設や医療施設向けに、IoT技術を活用して入居者の安全確保と現場スタッフの働き方改革を支援する「福祉の森 見守りシステム」を機能強化し、2020年7月27日から提供開始すると発表した。
■背景
日立システムズでは、介護施設や医療施設向けに、IoT技術を活用して入居者の安全確保と現場スタッフの働き方改革を支援する「福祉の森 見守りシステム」を昨年4月から販売開始している。販売開始後、さまざまな介護施設や医療施設に対して本システムを提案していく中で、ナースコール対応について、入居者から呼び出された実績やその対応内容まで漏れなく記録したいというニーズが高いことが分かったという。また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療・介護現場では接触機会の削減、二次感染のリスク排除を求められており、IoTを活用した入居者のケアに対するニーズも高まっている。
■詳細
「福祉の森 見守りシステム」は、赤外線センサーから得られる入居者の体動情報(離床、転倒等)やマットセンサーから得られる入居者の生体情報(脈拍、呼吸)など、さまざまな情報をセンサーから取得し、スタッフルームに備え付けのPCやタブレット端末上でリアルタイムに表示するシステム。また、センサーから得られた情報と所定の医療機器にて測定した体温や血圧等のバイタル情報を合わせて、日立システムズが提供する「福祉の森 介護記録システム」に自動的に取り込むことも可能だ。
これまで、医療・介護現場でのナースコールを起点とした対応内容の記録は、多くの現場スタッフが手書きメモなどで記録しておき、システムに入力していた。今回、「福祉の森 見守りシステム」をナースコールシステムと連携させたことにより、入居者が居室などでナースコールを押した呼び出し履歴が、「福祉の森 見守りシステム」を経由して、「福祉の森 介護記録システム」に自動記録されるようになる。これにより、現場スタッフは既に記録されたナースコールの呼び出し履歴に、対応内容を追加で登録するだけで完結するため、ナースコールの呼び出しや対応内容の記録漏れを防ぐとともに、システムへの記録業務などの負担を軽減する。
また、IoT技術が普及する前にアナログマットセンサーを導入した介護施設や医療施設では、アナログマットセンサーからナースコールシステムを経由してアラートを発報できるものの、記録システムへの連携による自動記録は実現できていなかった。今回のナースコールシステムとの連携強化により、新たにIoTセンサーを導入せずに入居者の離床情報などを「福祉の森 介護記録システム」に取り込むことが可能になる。これにより、介護施設や医療施設は導入コストを抑えて現場スタッフの働き方改革を推進することができる。
さらに、今回の機能強化において、「福祉の森 見守りシステム」で取り扱うIoTセンサーにサーモパイルを活用した離床センサーや、環境センサー等を追加。サーモパイル離床センサーは、ベッドに設置したセンサーにより、離れた位置から人間の体温を測定する技術を応用することで入居者の位置や距離を割り出し、取得した体動情報(起き上がり等)をスタッフルームに備え付けのPCやタブレット端末上に通知する。環境センサーは温度・湿度・照度といった室内環境を常時モニタリングするセンサーで、身体が不自由な入居者への適切な支援や住環境改善に寄与するとのことだ。
日立システムズが取り扱うセンサーは医療・介護現場において必要とされる各種センサーをラインアップしており、複数のセンサー情報を「福祉の森 見守りシステム」に集約することによって、入居者や居室の状態を迅速かつ視覚的に把握でき、タイムリーかつ安全に入居者のケアを行えるようになるという。また、複数のセンサーを利用し、入居者の状況を常に把握することで、接触機会の削減にもつながり、新型コロナウイルスの二次感染を予防するとのことだ。