高齢者の離床タイミングをAIが予測する「離床予測システム」が提供開始
2020/9/11
ジョージ・アンド・ショーン株式会社(以下、G&S)は、介護事業所を40ケ所運営し、IoTによる遠隔管理を可能にする体感センサー「LASHIC(ラシク)」を製造・販売するインフィック株式会社に、G&Sのアドバイザリーである北陸先端科学技術大学院大学 岡田研究室(以下、JAIST 岡田研究室)と共に、高齢者の離床タイミング(ベッドから立ち上がるタイミング)をAIによって予測する離床予測システムを技術提供したと発表した。インフィックは2020年7月1日(水)より本サービスの提供を開始している。
■『離床予測』とは
G&Sはこれまでに提供してきた、認知症/MCIの早期検知サービスなどで培った、睡眠データに対してのAI開発のノウハウを活用し、高齢者の日常生活をモデル化、起床を予測するシステムの技術提供を行った。また、高齢者施設を多く抱えるインフィックとの連携により、約1年分の入居者データを活用した精度の高い起床予測アルゴリズムの構築を実現している。
従来、介護業界における離床センサーは、ベッド横の床に置くマット式などが多く、かつ、センサーを踏む圧力のみによる通知などにより、通知のタイミングが遅いことが指摘されていたという。人がベッドから離れる瞬間後の通知では、介護者が駆けつけたときには既に転倒しているケースも多く、「離床予測による事前通知」は画期的であり、介護のスタイルを劇的に変える可能性を持った独自技術であるといえるとのことだ。不用意に離床してしまうことで起こる骨折等の怪我の危険や転倒後の寝たきりのリスクを低減し、また、離床事故を懸念しての見回りや、いざ転倒してしまったときの救護などの稼働を大幅に削減できることが期待できるという。
■LASHIC-room(ラシクルーム)
主なチェック項目
・熱中症リスク、感染症リスクの警告 ・起床・就寝時刻の記録
・一定時間以上、動作がない場合の警告
・生活リズムの崩れによる認知症初期状態の注意喚起
・暗闇での徘徊など異常行動の把握と警告
搭載センサー
人感センサー(運動量・動き)/ 温度センサー / 湿度センサー/ 照度センサー
■LASHIC-sleep(ラシクスリープ)
主なチェック項目
[動作] ベッド上の在・不在、体動 [バイタル] 脈拍(※)
[姿勢] 座位・仰臥位、左寄り・右寄り [睡眠] 睡眠・覚醒、睡眠快適度
※推定値であり医療的データではない
■LASHIC-call(ラシクコール)
センサーとスマートフォン間での通話が可能。LASHIC-call 側は受話操作不要、自動で通話開始でき、スピーカーとマイクを内蔵しているため、ハンズフリーで通話可能なので転倒などで動けない場合にも話すことができる。スマートフォン側からはいつでも通話することができる。番号ボタンに任意のスマートフォン番号を割り当て、通常の通話用に利用することも可能。インターネット回線を利用するため、通話料は発生しない。