NTT Comと三井不動産、ICTを活用した「安心安全な街づくり」の実現に向けた検証を開始
2020/9/14
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)と三井不動産株式会社は、都市における課題の解決や経済的な発展をICTによって可能とする「安心安全な街づくり」の実現に向けた検証を、2020年9月18日より開始すると発表した。
公園内地下広場(旧もちの木広場)の防犯カメラ映像をNTT ComのAIを用いて解析し、防犯や事故防止に活用するほか、匿名化・統計化されたスマートフォンの位置情報データを用いて来園者の行動を解析し、施設運営やマーケティングに活用する実験を行う。
■背景
これまでNTTグループは、北海道札幌市、千葉県千葉市などで、データの利活用やMaaSなどをテーマにした取り組みを行ってきた。また海外では、米国ネバダ州ラスベガス市にて、街中のカメラ映像や各種センサーなどから収集したビッグデータを活用し、事故の防止や防犯に貢献している。
三井不動産は、Hisaya-odori Parkの指定管理者として公園の維持管理を担い、安心安全で居心地の良い公園の運営を目指す。今回NTT Comと連携した検証を通じて、より効率的で安全性の高い公園管理の取組を実現し、事故の防止や防犯に努め、地域の人が安心できる街づくりに貢献していく。
今回の検証はNTT Com が、Hisaya-odori Parkの指定管理者として公園運営に携わる三井不動産と共同し取り組むもの。両社が共同で、ICTを活用した公園運営の効率化に向けた連携を行うのは初めてとなる。公園整備運営事業の高度化に向けて、蓄積された両社のノウハウを活用しながら、迷子の捜索や施設運営への応用など、Hisaya-odori Parkという場所の特性に合わせた最適化を行い、その有効性を検証する。
■本検証の内容
(1) AIによる映像解析データの安心安全な街づくりへの利活用
公園内地下広場に設置した防犯カメラ映像を、NTT ComのAIである「COTOHA」の映像解析エンジン「Takumi Eyes」によってリアルタイムに解析する。「Takumi Eyes」の「全身照合」「顔照合」機能により、顔がはっきりと映っていない状況でも瞬時に人物を認識し、さらに「リアルタイム人物トラッキング」機能などを活用することで、不審者の追跡や、迷子の捜索などに迅速に対応可能な警備体制の実現を目指す。
加えて、「車いす・白杖の物体検知」機能によるサポートが必要な人の検知や、「転倒検知」機能による転倒・うずくまり動作の検知を行うと共に、「人数カウント」機能による混雑状況の把握などを行い、安心安全な公園運営実現に貢献する。
(2) 来園者の匿名・統計位置情報データのマーケティングへの利活用
株式会社データワイズとの協業により、統計化されたスマートフォンの位置情報データを用いて、来園者の散策状況などについて、来園者満足度向上に繋げる情報としての活用を目指す。
データワイズは公園運営を受託する三井不動産に、公園および周辺の混雑状況や来園者の訪問頻度などの位置情報解析技術を、SaaS型ジオデモグラフィックダッシュボード「Datawise Area Marketer」を通じて提供する。これにより、公園内の各施設における来園者層の違いやその行動パターンの違いなどを踏まえた、よりきめ細やかなサービス提供や施設運営が可能となる。
<本検証のイメージ>