川崎汽船、環境負荷低減を実現するAIデータ解析技術を約300隻に採用
2021/2/18
川崎汽船株式会社は本船の性能評価精度向上を目的として、運航船約300隻が搭載する船舶統合システム「K-IMS」に、Bearing社(以下、ベアリング社)のAI(人工知能)によるデータ解析技術の採用を決定したと発表した。
風や波、海流など外乱影響を受ける実海域において本船の運航性能を正確に評価することは、経済運航や環境保全の取り組みを行う上で非常に重要であると認識しているという。現在、性能評価の精度についてはIoT技術の発達により、リアルタイムに得られるビッグデータを活用することで一定の評価が可能だが、その更なる精度向上は海運・造船・舶用機器業界における課題となっている。
同社は長年に亘り「高品質なデータの収集」と「高度なデータ解析技術」に主眼を置き、性能評価技術の向上に関する様々な取り組みを行ってきた。その一環として、2019年末よりベアリング社のAIによるデータ解析技術に対する実証実験を行った結果、従来と比較して非常に高精度の運航性能評価が可能となることを確認したという。この結果についてベアリング社は、川崎汽船社が長年蓄積してきたデータの品質の高さが、同社の解析技術を高めると共に高精度な性能解析を可能にしたと評価しているという。
今後は同社の技術と高品質なデータを活用することで、実海域における運航船の運航性能を正確に把握し運航管理に役立てるのはもちろんのこと、ハード・ソフト面問わず燃料消費削減の様々な取り組みを正確に評価し、運航船の性能改善や運航管理の高度化を図ることが可能となるとのことだ。