金岡博士は、立命館大学ロボティクス学科の教員を務めていた時代から二十年近くに亘って独自の先端ロボット工学技術を蓄積。これらの先端ロボット工学技術の社会実装を目指して設立した人機社では、人機プラットフォームという独自のビジネスモデルを構築し、着実に社会実装への準備を進めているという。一方、JR 西日本グループは中期経営計画2022で「メンテナンスのシステムチェンジ」を掲げ、安全な鉄道・交通サービスの持続的な提供に向けて新しいメンテナンス手法への転換に挑戦している。JR 西日本グループは人機社と「機械化・身体能力拡張」という軸でのメンテナンスの高度化も進めるとしており、身体能力拡張によるメンテナンス手法の革新が実現すれば作業効率と安全性が高まるだけでなく、人の労働価値の向上にも繋がるとのことだ。日本信号は、JR 西日本と既に資本業務提携契約を締結しており、鉄道の安全性のさらなる向上、工事・オペレーション・メンテナンスの効率化およびシステムの全体最適化を図ることを目指している。
この三社が連携することにより、人機社の保有する革新的技術、日本信号のメカトロニクス技術と製品化のためのリソース、そして JR 西日本のメンテナンスの課題、それぞれが繋がり新規市場が形成され、三社のビジネスを加速することが期待されるという。
人機プラットフォームの中でも、特に空間重作業、すなわち高所での重作業を機械化することを目指し、組成されるプラットフォーム。人機社独自の力制御技術およびパワー増幅バイラテラル制御技術により、まるで自分が空間を自由に飛び回っているかのような感覚で、高所重作業ができるようになるという。このプラットフォームにおいてJR 西日本がユーザ企業、日本信号が活用企業をそれぞれ担うことになり、人機プラットフォームが成立したとのことだ。日本信号がメーカとして独占的に高所重作業対応汎用人型重機「空間重作業人機」を開発・製造・販売し、JR 西日本は課題解決を実現する製品を独占して購入する権利を得る、という人機プラットフォームの仕組が、2021年4月から動き出すという。