本実証実験では、グラバー園・出島・平和公園などの長崎市内の各観光エリア間の移動を喚起するためのストーリー型コンテンツと公共交通サービス・民間サービスを連携させることにより、人の行動を地域活性化につなげることを目指す。ゼンリンは、地域がもつストーリー型観光情報を収集・管理し、滞在型観光ルートとして提供することで、地域創生の一翼を担うMaaSビジネスを強化する。また、長崎市の観光型MaaSを長崎モデルとして全国へ展開することを目指すとのことだ。
・長崎市の各スポットが持つ歴史や文化のストーリーをデジタル化し、長崎市を様々な角度から深く知ることができるサービスを開発し、その効果検証を行う。
・公共交通機関を利用した、長崎市の街歩きに適した経路や交通サービスを提供する。
・サービス利用者の位置情報から観光実態を分析することで、利用者に、より適した観光コンテンツの生成を検証する。
・分散型移動の実現のために、混雑情報を可視化する地図情報連携サービスの技術検証も予定しているという。
長崎市は、江戸時代の鎖国期間もオランダと中国との交易が許されていたことから、各国の文化が混ざり合い独自の文化が育まれた地域で、その魅力は街を歩くことにより知ることができるという。長崎市は魅力の発信において多くの観光関連事業者の支援を行っており、長崎県においては、Society5.0の実現に向けた取り組みの一つとして、観光客が移動をはじめスムーズに旅行を楽しむため、MaaSなどの先端技術サービスの活用を促進するなど、観光客の利便性の向上に向けた取り組みを推進している。一方、ゼンリングループは、地図上で「移動」を可視化し、空間情報として提供することで、人々の移動に役立つMaaSビジネスの開発を目指している。2019年には、シームレスな移動社会を実現するための新しい地図データベース「Mobility based Network」を開発。また、2020年4月に長崎市にゼンリン初となる産学官連携の研究および新規事業開発拠点「長崎R&Dブランチ」を開設しており、本実証実験は、拠点の新規事業創出の第一弾の取り組みとなるとのことだ。