福島県南相馬市、「VR買い物支援サービス」の実証実験を開始

凸版印刷株式会社、一般社団法人NoMAラボ、福島県南相馬市は、デジタルデバイスの操作に慣れていない人でも、自宅にいながら実店舗に来店したかのような感覚で、リアルタイムに商品を選んで購入できる「VR買い物支援サービス」のβ版を開発。実証実験を、福島県南相馬市の公設民営スーパーマーケット「小高ストア」で現地在住の高齢者が中心に協力し、2021年3月26日より開始すると発表した。

出典元:プレスリリース
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「VR買い物支援サービス」は、自宅や遠隔地にいる消費者がタブレット端末やVRグラスなどを介して、実店舗の品揃えや賑わいをリアルタイムで感じながら、実際に商品を手に取る感覚で買い物ができるサービス。すべての人に使いやすいユニバーサルな操作を実現し、デジタルデバイスの操作になれていない人でも簡単に利用することができる。本サービスの提供を通じて、日用品の買い物に困難を抱える「買い物弱者」や新型コロナウイルス感染拡大に伴い実店舗への来店を控える消費者に新しい買い物体験を提供する。

本サービスの製品化に向けて、福島県南相馬市小高区に居住する高齢者を対象に、実証実験を実施する。福島県南相馬市小高区は、東日本大震災の影響による避難指示が2016年7月に解除され、住民の帰還促進を図っている地域だ。少子高齢化が進む南相馬市において実証実験を行い、地域の買い物インフラを整備し、新しい住民の呼び込みや、未帰還者への帰還促進と地域の賑わい/コミュニティの再生など、地域経済の活性化への有用性も検証する。

■実施の背景

少子高齢化や過疎化による小売店減少やチェーンストアの経営効率化による出店地域の厳選により、居住地域で日常の買い物や生活に必要なサービスを受けるのに困難を感じる「買い物弱者」が増加している。「買い物弱者」は全国に825万人いると言われており、この問題への対応が地方自治体で急務になっている。他方、昨今では新型コロナウイルス感染拡大を受け、外出や実店舗での買い物を控える消費者が増加している。また南相馬市においては、東日本大震災による避難指示解除後も、未だ多くの人の帰還が実現できていない状況だという。帰還しない理由には「帰還後の買い物環境への不安」「避難先の方が、利便性が高い」など、生活環境を理由にしている人が多く、避難指示に起因する暮らしにくさは町に人を呼び戻す大きな足かせになっているとのことだ。

このような課題に対し凸版印刷・NoMAラボ・南相馬市は、高齢者のようにデジタルデバイスの操作に慣れていない人でも使いやすく、実店舗に行かずに商品をリアルタイムに選んで購入できる「VR買い物支援サービス」の開発に向けた実証実験を2021年3月26日より開始する。本実証実験により、買い物弱者問題の解決を図ることはもちろん、感染症対策のための非対面/非接触な買い物を実現し、地方自治体での暮らしやすさ向上に資するサービスとして製品化することを目指すとのことだ。

■「VR買い物支援サービス」の特長

・遠隔地にいながら、実際の売り場をリアルタイムで体感可能
ネットショッピングや一般的なバーチャルショッピングとは異なり、実際の店舗の映像をリアルタイムでタブレット端末やVRグラスに配信しているため、その日の商品ラインナップやタイムセール商品など、実際に店舗にいるかのような感覚で買い物をすることができる。また、同じ商品が複数個陳列されている場合、実店舗で商品を選択する感覚で、任意の商品を選んで購入することが可能だ。将来的には「魚を三枚におろしてほしい」など、店員とのコミュニケーションもリアルタイムで行える機能も実装予定だという。

・ジェスチャー操作で実際の商品を選択して購入することが可能
VRグラス上で、ジェスチャー操作による製品選択できる機能を新たに開発。実際の店舗に置いてある商品を棚から選び、手に取るような操作で誰でも簡単に商品購入が可能になる。
出典元:プレスリリース
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・店舗側は店内にカメラを取り付けるだけで、簡単に導入が可能
「VR買い物支援サービス」を導入する店舗側は、商品登録やシステム構築の必要無く、カメラを棚の前に取り付けるだけで導入が可能だ。生鮮を扱う中小規模の小売店では、日々の仕入状況によって商品が異なるため、EC導入のハードルが高いことが課題だったが、「VR買い物支援サービス」によって手軽に商圏を広げることができるという。

■「VR買い物支援サービス」実証実験の概要

名称: 「VR買い物支援サービス」の実証実験
期間: 2021年3月26日(金)から4月30日(金)
場所: 公設民営スーパーマーケット「小高ストア」(福島県南相馬市小高区上町1丁目)
時間: 9:00~19:00
目的: 「VR買い物支援サービス」の開発に向けた運用方法の検証、サービスのブラッシュアップ
概要: 高齢者を中心に一般消費者から実証実験参加者を募り、試験運用とヒアリングを実施。その内容を踏まえ「VR買い物支援サービス」を地域の商店を中心とした経済活動や、コミュニティ支援に資するサービスとして製品化することを目指す。

・三者の役割
凸版印刷: 「VR買い物支援サービス」の開発
NoMAラボ(noma-lab.jp): サービス導入店舗の運用方法の設計・検証、および実証実験運営
南相馬市: 「小高ストア」での実証実験会場協力、広報支援

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