Hacobu、物流ビッグデータ活用に向けた体制強化の推進を目指し総額9.4億円の資金調達を実施

株式会社Hacobuは、第三者割当増資を通じて総額約9.4億円の資金調達を行ったと発表した。

これを機に、Hacobuは社会課題解決に賛同するステークホルダーとのパートナーシップを強化すると共に、アプリケーションの開発・販売にかかる人員の増強、物流ビッグデータ分析基盤の強化にかかる人員の増強、物流業界初となるビッグデータ・ガバナンス体制の立ち上げ及び運用等の施策を推進し、物流ビッグデータ活用に向けた体制強化を推進する。
出典元:プレスリリース
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■資金調達の背景

物流業界は、トラックドライバーの人手不足に陥っている一方で、企業間のやり取りが電話やFAX、紙帳票などの非効率なツールが中心になっており、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務の効率化が急務となっている。Hacobuはそうした企業間(発着荷主、物流企業、運送会社)のやり取りや物流現場の業務をデジタル化するアプリケーション群「MOVO(ムーボ)」を提供している。事業者・業界の垣根を超えた「モノと車両と場所」にかかわる物流情報をビッグデータとして蓄積し、物流全体が最適化された持続可能な社会を目指している。Hacobuでは現在4つのアプリケーション(トラック予約受付サービス MOVO Berth、動態管理サービス MOVO Fleet、流通資材モニタリングサービス MOVO Seek、配送案件管理サービス MOVO Vista)を提供しており、メーカー、小売、物流企業など、500社以上の企業が導入しているとのことだ。

現場での長時間労働やCO2排出、在庫廃棄・食品ロス等、物流およびサプライチェーンの最適化を通じてアプローチすべき課題に対して、社会的な注目は年々高まっているという。「Solve Social Issues.(社会課題を解決する)」をコアバリューとして掲げるHacobuは、これらの社会課題解決に向けた歩みを加速させるため、ステークホルダーとの連携強化および事業のさらなる成長を目的として、今回の資金調達を実施したとのことだ。
出典元:プレスリリース

■資金使途:物流ビッグデータ活用に向けた体制強化

今回調達した資金の主な使途は以下の通り。
(1)アプリケーションの開発・販売にかかる人員の増強
「MOVO」上の既存アプリケーションの機能増強はもとより、物流業界向けの他社サービスとのAPI連携によるプラットフォームとしての成長の加速、新アプリケーションの開発を推進するため、エンジニア、デザイナー、プロダクトオーナーの採用を加速させる。また、顧客の物流DXの推進パートナーとなるセールス、カスタマーサクセス、マーケティング、企画系職種の採用を加速させる。

(2)物流ビッグデータ分析基盤の強化にかかる人員の増強
HacobuではMOVOに蓄積された物流ビッグデータを分析・活用し、業務効率化の提案を既に複数の企業に対し展開しており、抜本的な物流コストの削減や現場の生産性向上に繋がる示唆を顧客に提供することに成功。この取り組みをけん引するHacobu Strategies(コンサルティングサービス)の物流DXコンサルタントや、データエンジニア、データアナリストの採用を加速させる。

(3)ビッグデータ・ガバナンス体制の立ち上げ及び運用
Hacobuは、サプライチェーン全体の最適化の実現に向けて、個社の枠を越え、公正性・客観性を確保しつつ物流ビッグデータの活用を進めるために、外部専門家で構成する物流ビッグデータ・ガバナンス委員会を設置する。第三者の視点や意見を取り入れ、物流ビッグデータ活用に関するガイドラインを策定、運用する体制を構築するとのことだ。

■引受先企業

・JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合
・NREGイノベーション1号投資事業有限責任組合(野村不動産グループ)
・豊田通商株式会社
・Logistics Innovation Fund投資事業有限責任組合(セイノーホールディングス株式会社をアンカーLPとするSector-Focused Fund)
・SMBC社会課題解決投資事業有限責任組合
・株式会社ダイワロジテック(大和ハウスグループ)※
・三井不動産株式会社※
※既存株主

■業務提携契約の締結について

資金調達と同時に、野村不動産株式会社および豊田通商株式会社と、物流業界における公正なビッグデータ活用を通じた社会課題解決と相互の事業発展を目的として、業務提携契約を締結。野村不動産株式会社とは物流施設とそれに関わるサービスを活用したオープンイノベーションの推進、豊田通商株式会社とは、物流業界が抱える課題解決やカーボンニュートラル社会の実現に向けて、自動車業界を中心とした物流およびサプライチェーンにおけるビックデータの活用と最適化の実践が中心的な取り組みとなるとのことだ。

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