電通とベクトル、企業のSX(サスティナビリティ・トランスフォーメーション)推進を目指し、ESG/SDGs経営支援領域で業務提携

株式会社ベクトルは、株式会社電通と企業のESG/SDGs経営支援領域において、業務提携したと発表した。

本提携による取り組みの一環として、ベクトルが保有するESGスコアリング及びそのレポーティングのサポート力をもとに、非財務の新しい企業価値の指標と関連するソリューションを共同開発し、提供する。今回の業務提携により、1年間で、電通が取引する国内200社へのサービス提供を目指す。

【ベクトルと電通の業務提携における関係イメージ】
出典元:プレスリリース
企業が「持続可能性」をより重視する環境において、企業の稼ぐ力とESG(環境・社会・ガバナンス)の両立によって、経営の在り方、社会の中での役割、ユーザーや投資家との対話の変革を目指すSX(サスティナビリティ・トランスフォーメーション)の重要性が増している。ESGスコアリングから見えてくるSXのための変革点は、企業の理念、パーパス(存在意義)から、事業戦略、商品やサービスの設計、マーケティングコミュニケーションまで事業プロセスの各所に点在している。そこに対するアクションと多様なステークホルダーにむけたインターフェースの綿密な設計が、全ての企業に不可欠なものとなりうる時代だという。

本提携を通じて、同社ではESGスコアリング及びそのレポートを活用したソリューションを電通と共同で提供し、企業のSXの気運を活性化し、積極的に社会と対話する環境づくり、SDGsへの普遍的な取り組みにも貢献する。ベクトルのソリューションであるESGスコアリング及びレポートを活用して、導入企業のESG/SDGs経営の実態を把握。そこから、次期統合報告書のアウトプットから逆算した戦略・戦術を策定し、クライアント企業の価値向上を目的としたソリューションの提案を両社共同で行う。ベクトルは、今回の業務提携を通じてESG/SDGs経営支援を皮切りにSX領域に参画し、日本企業の成長の統合的パートナーとして、クライアント企業のグローバル市場における競争力向上と、日本全国の優良企業の認知拡大に貢献するとのことだ。

■業務提携の背景

昨今、日本を含む世界中の企業において、ESG/SDGsは経営方針の重要な要素のひとつとなっている。日本企業は、欧米諸国の企業と比べ、遅れを取っている現状があったが、上場企業を中心にSXに積極的な取り組みを開始する企業が増えている。ESG投資の高まりもそれを証明しており、世界のESG投資額の統計を発表している「Global Sustainable Investment Alliance」 によると、2016年に4,740億USドルだった日本のESG投資残高は、2018年では2兆1,800億USドルにまで急成長している。ESGを重視する投資は海外の機関投資家の間では判断基準のひとつになりつつあるという。

ベクトルでは2020年4月より、ESG/SDGs経営やESG投資分野において先進的な研究と活動をしている九州大学の馬奈木俊介教授と連携し、共同でサービスを開発する産学連携プロジェクトを開始している。現在は、九州大学と共同開発したスコアリングツールを用いて、企業の開示情報をもとにしたESG項目と重み付けを掛け合わせ、各企業のESGスコアを算出し、その詳細をまとめたスコアリングのレポートを提供している。また、約190カ国で4万社余りの企業・機関、40万を超える利用者を擁する世界有数の金融情報サービスプロバイダーであるリフィニティブ社と戦略的なパートナーシップ契約を締結し、同社が持つESGデータベースと九州大学とベクトルが共同で開発したスコアリングデータの連携も開始している。これにより、グローバルランキングの把握や競合企業との比較分析、業界内ポジショニングの把握、ESG/SDGs経営の観点から導きだされる課題をまとめたオリジナルレポートを各企業に提供している。

また、電通はグループ横断の専門組織「電通Team SDGs」を中心に、SDGs/ESGに関する戦略立案、ストーリー設計、コミュニケーションから、バリューチェーン全体のサーキュラーエコノミー構築支援を行う「SDGsビジネスソリューション」の提供まで、企業のSDGs推進とESG経営を幅広く支援している。

■本提携による具体的なソリューションの一例

・ ESGスコアリングおよびレポートの提供
・ ESGスコアリングによる統合報告書の作成支援
・ ESG指標を用いた、企業のパーパスや事業戦略の策定支援
・ ESG経営起点のSXに関わるPR活動支援
・ スコアリングに寄与する制度・資格の取得に関するコンサルティングおよびサポート
・ 事業戦略に基づくサスティナブルロードマップの作成
・ 成長戦略の実施における、組織・コミュニティ・人材の育成とインナーコミュニケーション
・ ESG/SDGsに対応した商品・サービスの開発やデザイン
・ 商品の提供方法・チャネルの開発と回収やリサイクル・アップサイクルの仕組み構築
・ 情報公開・ブランディングのためのコミュニケーション支援
・ SXのための個別のアクション開発・インターフェースの整備・構築
・ サーキュラーエコノミーを実現するDXの導入
・持続的な社会と企業の在り方を目指した、業種や規模を超えた企業間の共創・連携

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